獄中記 の商品レビュー
[コメント] My Life Between Silicon Valley and Japan - 佐藤優の獄中での知的生活 (http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20061224/p2)
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佐藤さんの拘留中の記録。これが本当に読み進めなかった(疲)。 どのように考えて公判に取組んでいたのか、なにを考えていたのか、 しっかりと書き記してある。 これだけしっかり考えて検察と向かい合うことって、 普通の人間では、まず無理なんだと思った。 それに加え、 拘置...
佐藤さんの拘留中の記録。これが本当に読み進めなかった(疲)。 どのように考えて公判に取組んでいたのか、なにを考えていたのか、 しっかりと書き記してある。 これだけしっかり考えて検察と向かい合うことって、 普通の人間では、まず無理なんだと思った。 それに加え、 拘置所で外界と遮断されているから、じっくりと語学と哲学の 勉強に打ち込むなんて、やっぱり、生活のスタンスが違う。 「思索をする場として、独房というのはたいへんによい環境です。 一種独特の緊張が知的営為に対して明らかに肯定的影響を与えます。」 って、ポジティブすぎる。 そして、本の読み方、勉強の仕方についても あちこちにちりばめられてる。 一つ共感できたのが、組織と人に対する考え方。 「 基礎体力(仕事の?)さえできていれば、人間の能力は 与えられた器に合わせてできる。これがポストが人を 作るということ。組織には、組織が必要とする水準に 個人の能力を引き出す本性がある。 逆に、組織から仕事で課される器が小さくなると、 人間の能力は低下してしまう。」 ここで佐藤さんが言ってるのは、上司とかそういうこと ではなく、組織全体としての課題の捉え方と、どう解決し ていくかという大枠での役割なんだと思う。 上司がうるさく言うことではないんでしょう。 わたしゃ、今、能力が低下しつつあるんじゃなかろうか。 気をつけないと。。。
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評価が難しい本。 単純に読み物として、面白い。ルポルタージュとして、ある事件の当事者の手記として、興味深い。史料(または資料)として、貴重なものである。ある種の日記文学、あるいは手記という形式での思索の記録として、非常に刺激的である。どのように読むこともできると思う。 著者の思索...
評価が難しい本。 単純に読み物として、面白い。ルポルタージュとして、ある事件の当事者の手記として、興味深い。史料(または資料)として、貴重なものである。ある種の日記文学、あるいは手記という形式での思索の記録として、非常に刺激的である。どのように読むこともできると思う。 著者の思索のあり方は、現在の日本では稀なほどに、知識人的/教養人的で、この点では非常に感銘を受ける。一方で、その知性のあり方は、善かれ悪しかれ、「古いもの」という印象も受ける。様々な思想や思索の枠組みに触れながら、著者の思考の枠組みは、結局カント的な場所から動いていないのではないか、という印象である。神学部の出身であること、自らをキリスト者として定義づけていることからの制約でもあるだろうが、自己の観念的な世界から外に出てこないように見えるのである(作中、自分はそのようになっていない、と何度も書いているのだが)。 ただ、思索とそれに基づく古典的(個人的にはカント的、と理解した部分)倫理観に基づいて自らの行動を律しようとする態度、それを貫こうとする姿には、素直に感銘を覚えた。
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これはめちゃくちゃ面白い。佐藤優が国策捜査による逮捕拘留期間中に書いていたノートの抄録。逮捕に慌てることも、憤ることも、恨み節をきかせることも、諦めることもなく、哲学や語学の勉強をこなしながら何故そのような国策捜査が行われたのかを分析する姿勢は、自身が当事者であるとは思えないほど...
これはめちゃくちゃ面白い。佐藤優が国策捜査による逮捕拘留期間中に書いていたノートの抄録。逮捕に慌てることも、憤ることも、恨み節をきかせることも、諦めることもなく、哲学や語学の勉強をこなしながら何故そのような国策捜査が行われたのかを分析する姿勢は、自身が当事者であるとは思えないほどに、怖いまでに冷静だ。
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