キッズミステリー の商品レビュー
第七巻は、少年少女の登場するミステリー。キッズ感は意外と低めだったが、それはともかく粒揃い。 ■モーリス・ルブラン『王妃のネックレス』 アルセーヌ・ルパンの少年時代。ルパンあんまり知らないのですが、評判通りの義賊ぶり。 ■手塚治虫『ビルの中の目』 漫画まで収録するとは、...
第七巻は、少年少女の登場するミステリー。キッズ感は意外と低めだったが、それはともかく粒揃い。 ■モーリス・ルブラン『王妃のネックレス』 アルセーヌ・ルパンの少年時代。ルパンあんまり知らないのですが、評判通りの義賊ぶり。 ■手塚治虫『ビルの中の目』 漫画まで収録するとは、このアンソロジー、やるなあ! ■樋口有介『木野塚探偵事務所だⅡ』 経理課一筋三十五年で警視庁を定年退職した木野塚佐平、六十歳。探偵事務所を立ち上げて一ヶ月、ようやく訪れた初仕事は金魚の誘拐事件!コケティッシュな秘書兼助手の梅谷桃世、二十三歳とともに捜査に乗り出す。ハードボイルドに憧れつつ、日本的な組織文化を武器に、難題解決のため奔走。スーパー・エキセントリック・ハードボイルドというジャンル?らしい。 …楽しいシリーズに出会えたので全然構わないけど、「キッズ」ミステリーではないと思った。 ■近藤史恵『シンデレラ』 悪役が、本人としては実は悪意なく悪役だったり、「ぼく」が、悪役の気持ちを理解してしまった自分を嫌悪したりするところが、鋭い問題提起になっている(内容的には今読むと時代遅れ感は否めないが)。青春物語としては「ぼく」とその想い人のこれからが楽しみだけど、世界の平和を希求する視座に立つと、悪役の彼がこの事件をきっかけに自分のアンコンシャス・バイアス(ちょっと前に会社で習った)に気づいて変化していくといいよね…。 女の子の方は十代だがその他は会社員ぽいので、これもキッズ度は低い。 ■山田風太郎『幽霊御入来』 昭和三十年代が舞台とのこと。高校生男女六人で結成した「殺人クラブ」、要は探偵小説愛好会だが、の会合から物語は始まる。 話題は試験のカンニングエピソードへとうつり、「女は告げ口が怖いからカンニングしないんだろう」「告げ口しないだなんて一見男らしいかもしれないけど、そういう連中が将来『おたがいうまくやろう』なんていって汚職政治家になるのよ」といった男対女の主語の大きい罵り合いも微笑ましく。 彼らが、ある雪の日の夜に恐ろしい事件に巻き込まれるわけだが、さて華麗に解決するのは男子か、女子か(対立を煽ってみる)。
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子供向けかと思ったらルパンの初犯(笑)とか少年探偵の話という嬉しい裏切り。ルブランはセンスがいいな!時系列をうまいこといじるのも上手いし訳の影響もあるだろうけど文体がどことなく優雅。赤木かん子さんは他のセレクションでも漫画を入れていたけど、このシリーズでは初めてかな?今読んでも奇...
子供向けかと思ったらルパンの初犯(笑)とか少年探偵の話という嬉しい裏切り。ルブランはセンスがいいな!時系列をうまいこといじるのも上手いし訳の影響もあるだろうけど文体がどことなく優雅。赤木かん子さんは他のセレクションでも漫画を入れていたけど、このシリーズでは初めてかな?今読んでも奇抜に感じるトリックは漫画の世界ならではって感じで手塚治虫さすが、と思う。20分の半身浴で、っていうけど面白くてのぼせるシリーズですね、これは。
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「子供向けにかかれたもの」ではなく、「子供が読んでも、楽しんでもらえるもの」として、ミステリーをセレクトしている。 だから、大人が読んでも面白い。 気軽に、半身浴をしながら…と編者の赤木さんは書いているけど、確かにそんな風に、ちょっとおやつを食べながら、寝る前に1編だけ…と気楽に...
「子供向けにかかれたもの」ではなく、「子供が読んでも、楽しんでもらえるもの」として、ミステリーをセレクトしている。 だから、大人が読んでも面白い。 気軽に、半身浴をしながら…と編者の赤木さんは書いているけど、確かにそんな風に、ちょっとおやつを食べながら、寝る前に1編だけ…と気楽に読める。 他の巻も読んでみようと思う。 「王妃のネックレス」モーリス・ルブラン 「ビルの中の目」手塚治虫 「木野塚探偵事務所だ?」樋口有介 「シンデレラ」近藤史恵 「幽霊御入来」山田風太郎
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