原子力防災 の商品レビュー

松野元【著】

2013/07/18

烏賀陽弘道さんの「原発避難民」によれば、3.11当時政府はこの本にあるような事前に準備していた手順すら遂行できていなかった疑惑が書かれている。

2012/11/12

タイトルのとおり、原子力リスクと正しく向き合うために知っておくべき知識が幅広くまとめられている。
（世界の電力供給状況や原子力発電方式などなどなど情報量が多い）

内容的に学術的（専門書よりは簡単にまとまっているが中高の教科書のようなまとめられかた）になっていて、好き嫌いが分かれそうな一冊。

私がもとめていたものと違っていたので残念ながら低評価にしました。
（ただし内容はしっかりしているように感じます）

2012/11/05

福島第一原発事故がおきる前にかかれた、原子力防災に関する書籍。
前書きで述べられているように、本書はチェルノブイリ発電所の事故発生を直視し、「たとえ許可条件的に事項が起きない設計になっていても、防災というレベルにおいては、可能性が存在する限りこれを無視することができない（後略）」という前提にたって、国民が正しい知識、理解することを目的とした入門書。
入門書であるから、ここの項目が充分に記述されているとは限らないが、すくなくとも私でも読めばわかるぐらいの平易さでかかれている。
民主党政権の四人組が政治的判断で、科学的判断を超越して大飯原発の再稼動をきめたと思われるが、そのなかのひとりでも、この書籍レベルの知識を持っていたのか？そのぐらい、国会議員で重大な判断をするものであれば、当然勉強すべきレベルのことだと思う。また、同時に原発を持つ国の国民としても、同じレベルの勉強はしておいたほうが良かったと思う。（後悔^^;）
重要なのはこの書籍は福島原発事故がおきる前に書かれているということ。そして、「固有の安全性があるといって、日本の原子炉に事故が起きないと言い切ることはできないのである。」と示唆していること。
津波対策を含め、「起きないこと」を前提とした対策しか取ってこなかったということは、やはり効率性・経済性を最優先した人災だと思う。
図書館で借りましたが、手元において参照したいので購入しました。

2012/09/10

ハードウェアとソフトウェアがどちらも完備したうえで一つのシステムとして機能するものが、ハード偏重ソフト軽視となってしまい全体としてのシステムに支障がおきてしまう。ていう日本の悪い「慣習」に沿っているかも。

民主主義ってのはめんどくさいもので国民全員が正しい知識を持って判断していかないといけない。誰かに「信頼して」任せるってのは無責任なだけで、本当の民主主義ではないでしょう。

この本は国民みんなが一度は読むべきだと思う。
判断はそれからでないと危険な方向に進んでしまいそうな気がします。

2011/04/14

　丸善に行ったらたまたま並んでいたので衝動買いしてしまったもの。原子力災害について正しい知識と～取られる防災対策までを語っている。著者が強調する本書の特徴は「固有の安全性が保たれているので」や「安全設計の方針が違うので」といったような理由からチェルノブイリ事故を正面から見据えないという態度を取らない点だ。そのため、ほとんどタブー視されるような、日本の原発とチェルノブイリ事故との比較を入れている点は非常によいと思う。
　しかし、福島第一原発の事故を見ていても、「想定外」が起きたときにどう対策するかを決めていたのかはかなり疑問である。本書で強調されているが、「事故が起きないように」というのが根本の安全方策として取られているのは当然として、その理由から「事故は起きない」と断定するのは大間違いである。そのために「事故が起きてしまったら」という方の対策を取られていないのだとしたらこれは論外だ。そういった意味で、日本の原発防災の外観を眺めるための本としては好著だと思う。