ハスラー の商品レビュー

ウォルターテヴィス【著】,真崎義博【訳】

2010/05/05

男が無様なまでに愚直に生きることは、時として何にも変えがたい美しさを放つことになるようだ。エディというプールゲームの天才が、界隈のボスであるミネソタ・ファッツに挑んでいく姿は勇猛果敢というよりは、愚直の一言。だが信念を貫くことで、雨水が岩や山をも穿つように、自分という殻を打ち破っていく。闘いは、常に自分との間にあった。

ダカーポの書評を見て即買いしたのが、書評通りの内容だった。流行の携帯電話小説！？を最初の3行くらい読んだところで投げ捨ててしまう人はぜひ読んでほしい。本当に洗練された文章というものは、読み手を魅了して離さないものだということを改めて実感できた。2007年に読んだ小説の中でも、珠玉の一品。

2010/11/19

撞球への憧れ　　　　　

ポール・ニューマン主演の同名映画の原作。洋書でしか読めなかったので、邦訳が出たのは有り難い。Hustler2は原作と映画の印象がかなり違うのだが、これは映画のノベライズかという程、忠実。

静かな撞球場で球の音が聞こえてくるような作品。