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パックス・ブリタニカ(下巻) の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2021/08/10

仕事でイギリス人と多く付き合いがある。優秀で尊敬できる人が多いが、その背景にあるものを感じたくてこの本を読んだ。イギリスの帝国主義的な植民地統治時代は今となってははるか昔のことだけど、当時の興奮や自国に準ずる領土が拡大していき、一般庶民においても家族の誰かの就職先のような形でイギ...

仕事でイギリス人と多く付き合いがある。優秀で尊敬できる人が多いが、その背景にあるものを感じたくてこの本を読んだ。イギリスの帝国主義的な植民地統治時代は今となってははるか昔のことだけど、当時の興奮や自国に準ずる領土が拡大していき、一般庶民においても家族の誰かの就職先のような形でイギリスの家庭でインドやアフリカ、その他の多くの地域が話題に上がっていたという雰囲気がよく感じられる。また、その広大な領土を支配管理するイデオロギーとして、英国紳士的なフェアプレイの精神が横たわっていること、そしておそらくその信念自体は今でもイギリスの教育の中で、例えばボーディングスクールなどのそれなりにエリート的な層においては変わらず教えられているもので、自らが人を公正にリードしていくのだ、という自負のようなものは受け継がれているのではないか、と感じられた。 当時のビクトリア女王や英国国教会のようなある意味超現実的な道具立ても相まって全体的にロマンチックにも感じられるけど結果的にはその直後の血生臭い世界大戦や多くの国のイギリス支配からの独立とその後の混乱、経済的なうねりと発展などイギリス帝国主義的の歴史的なインパクトの大きさとその中で営まれていた日々のある意味での矮小さが面白い。 冗長に感じるところもあって隅から隅まで面白い訳ではなかったけど読む価値はあった。三部作の残りの二作も読んでみようかと思う。

Posted byブクログ

2011/10/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

正直、前半は面白くなかった。インドやアフリカの事情には興味が持てなかった。本の終盤 24章からアイルランドの状況を交えて帝国の暗雲が語られ始めるあたりから面白くなってきた。 大英帝国は、女王の威厳と 無敵という虚構で保たれていた といえば言いすぎか。いざヨーロッパの強国と戦う段になるまでは時代遅れの軍制度に気づけなかった。 大英帝国のプリンシパルは「フェアネス」。帝国を一つにまとめていたのは「君主」(ヴィクトリア女王)の権威。 キリスト教至上主義ではなかった。

Posted byブクログ