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トリッポンとおばけ の商品レビュー

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2024/04/12

 萩尾望都さんの物語と、こみねゆらさんの絵による、トリッポンシリーズ第二弾。  秋の夜にいきなり、おばけがトリッポンの部屋の窓をノックして、星つりに行こうよと誘う導入部からして、風変わりな始まり方ではあるが、当の本人は釣りが大好きなこともあって、あっさりとそれを承諾し、「星つり...

 萩尾望都さんの物語と、こみねゆらさんの絵による、トリッポンシリーズ第二弾。  秋の夜にいきなり、おばけがトリッポンの部屋の窓をノックして、星つりに行こうよと誘う導入部からして、風変わりな始まり方ではあるが、当の本人は釣りが大好きなこともあって、あっさりとそれを承諾し、「星つりはしたことないけれど、誘ったのはおばけだから、おばけが知っているのだろう」と、のんきに構えて怖がる様子を全く見せないのは、おそらく知り合い同士なのであろうが、それにしても、このおばけに対する彼の抵抗感の無さは、ちょっと凄いかもしれない。  しかし、萩尾さんとこみねさんの表現したおばけは、どう見ても、うさぎと犬を足して二で割ったような親しみやすい見た目と、首に巻いた緑色のリボンがチャームポイントといった、おばけというよりも新種の動物といった趣が、こみねさんの異国情緒溢れる、灰色を基調とし、靄がかったような夜の森の絵に於いて、なんとも緩い存在感を放っているのが印象的で、それは前作の主役であるトリッポンの小猫がいきなり現れたとき、大きな悲鳴を上げて怖がるリアクションからも分かるように、どこか味のある憎めないやつなのである。  そして、他では中々見られないような不思議なおばけだからこそ、星を釣ることだって可能なのかもしれないと思わせた、萩尾さんの物語は、どこか詩的な文体と見事に絡まり合うように、池に映る星たちを見て、それを釣るという発想の面白さと、こみねさんの描く、アクアグリーン色の池の中に映る星たちが、まるで空に浮かんでいるようにも見えてくる、幻想的で美しくも不思議な光景には、ボートに乗ったトリッポンたちまでが、空の上から釣りをしているように見えてくる、そんな天地が逆転した構図は、現実とファンタジーとが程良くミックスされて、素敵な夢の世界を見せてくれたようでもあった、本編のハイライトである。  更に、それはトリッポンが家に帰ってきた後も終わることはなく、そこでも萩尾さんの星を釣ることからの発想の転換とトリッポン自身の優しさが生み出した、素敵な一体感には、最初の風変わりな始まり方も含め、世界は不思議に満ち溢れたワンダーランドだということを改めて教えてくれた、それは最後の小猫の愛らしい絵も含めて、不思議さの中にも、どこかほのぼのとした独特な味付けに、萩尾さんとこみねさん二人が生み出した世界の面白さがあるように思われた。

Posted byブクログ

2013/12/24

(2007.10.11読了)(拝借) (「BOOK」データベースより)amazon おばけがトリッポンのへやのまどを、とんとんたたいてさそいにきた。星つりってなんだろう?森のはずれの、あたらしいおうちにやってきたトリッポン。そこは、ふしぎのひそむ、ちょっとかわった森だったのです…...

(2007.10.11読了)(拝借) (「BOOK」データベースより)amazon おばけがトリッポンのへやのまどを、とんとんたたいてさそいにきた。星つりってなんだろう?森のはずれの、あたらしいおうちにやってきたトリッポン。そこは、ふしぎのひそむ、ちょっとかわった森だったのです…。

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