オックスフォード・カレッジライフ の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
筆者は、オックスフォード大学の大学院に籍を置いて博士論文を執筆。本書はその時の生活を中心に記されたものである。論文の執筆は、1960年代(このことすら本文での記載がない)で、この書物の出版が2007年なので40年ものブランクがある。いくら伝統を重んじるオックスフォード大学であっても、この40年間に改革はあったはずで、この空白期間は大きい。2000年初頭の情報に基づいて補遺が設けられているが、十分ではない。 全体的には、筆者自身のセンチメンタルジャーニーになっている感が強く、はしがきにある「イギリスの大学教育の理念と制度を理解していただければ幸いである」という本書の目的を期待していると、残念ながら裏切られるであろう。 それでももちろん、オックスフォード大学の教育の一面を垣間見ることはできる。1年目のTrinity Term(春学期)から3年目のHilary Term(冬学期)まで、毎週2回のtutorial(個人指導)が行われ、この間に100近くの論文を書かなければならない。そのため哲学を重視している。卒業試験(Second Public Examination)では、それまでの講義や論文とは直結しておらず、幅広い範囲から出題されるなど、日本の大学制度との違いは印象的で、これらが逸材を生み出す要因なのかもしれない。また、時折行われるイベントも、知的コミュニティと強靭な連帯意識を作り上げるのに大いに貢献していることは間違いなさそうだ。
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オックスフォードの空気を知りたくて読んだものの、『遥かなるケンブリッジ』と比べて読ませる描写が少なく、最後まで入り込むことが出来なかった。
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