もう、税金の無駄遣いは許さない! の商品レビュー
官庁会計に対して財務諸表を作成するようになってすでに10年以上経ちますが、まだ今一つ十分活用できているように思われません。総務省でもいろいろ見直しが行われているようですが、トップランナーの東京都でのそもそもの始まりがどのようなものだったのか知りたくなり、図書館でこの本を見つけたの...
官庁会計に対して財務諸表を作成するようになってすでに10年以上経ちますが、まだ今一つ十分活用できているように思われません。総務省でもいろいろ見直しが行われているようですが、トップランナーの東京都でのそもそもの始まりがどのようなものだったのか知りたくなり、図書館でこの本を見つけたので読んでみました。 今となってはかなり情報が古く、この本で書かれていた「日本を変える」というのが大仰に聞こえてしまうところも多いですが、「公会計改革の原点」とも言える当時の問題意識はよくわかったように思います。
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要するに、現金収支だけでなくて①資産負債という視点と②企業会計的なコスト・原価という視点で都庁の会計を見ることで管理会計を実現しよう、というものですね。現金以外の資産の評価とか、設備償却コスト・間接コストが配賦されないまま事業性の評価が今までされてたなんで知らなかったわ…借金会社...
要するに、現金収支だけでなくて①資産負債という視点と②企業会計的なコスト・原価という視点で都庁の会計を見ることで管理会計を実現しよう、というものですね。現金以外の資産の評価とか、設備償却コスト・間接コストが配賦されないまま事業性の評価が今までされてたなんで知らなかったわ…借金会社だから金利も負担しないといけないだろうし。 制度が整っている大企業の経理的にはむしろ「何でこんなことわかってないの?」といった感じだと思いますけど、仕組を全て変えるっていうのは想像を絶する努力があったんだろうなぁ…と思います。 ただ、ひとつ気になるのが「経営見通」というサイクルを今後いかに作っていくかということ。企業の管理会計制度が機能している理由は、計画(予算)だけでなくて、実績+見通(決算予測)を毎月やって、環境変化に合わせて予算を組み替えたりコスト削減をしたりしているからで、「予測による経営活動へのフィードバック」を年度単位でなくてもっと短いサイクルでどれだけ出来るかがポイントになってくるような気がしました。ただ、今まで出来てなかった赤字事業への正確な評価とそれによる投資の見直しができるようになったのはすごいことだと思う。 取りあえず簿記関連の知識がないと多分よく分からんのではないかと思いますこの本。最低でも、 ・設備の減価償却コスト ・間接人件コスト/間接事務コストの各事業への配賦 ・P/L・B/Sの簡単な仕組 ・複式簿記(日商2級程度) がわからないと、何を改革しようとしたのかわからないと思うました。
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