小説の面白さを語ろう の商品レビュー
易しく書かれているが、内容は小説読みの常套である。結局このような内容を、一般読者は「難しい」というのである。一般の小説読みがなんとかして避けようとしていているのが、この本に言説されている詳細な読書行為であるからして、この本もおそらく昨今の読者にそっぽをむかれることだろう。これら...
易しく書かれているが、内容は小説読みの常套である。結局このような内容を、一般読者は「難しい」というのである。一般の小説読みがなんとかして避けようとしていているのが、この本に言説されている詳細な読書行為であるからして、この本もおそらく昨今の読者にそっぽをむかれることだろう。これらの言説は、やはり「一部のマニアと化したかっての普通の読者」にしか興味を持たれないだろうと予想する。なにしろ、苦々しくも「ケイタイ小説」の時代である。実作がこの世界では玄人も素人もなし崩し状態であり、限りなくばかばかしくも、「超言文一致」と化した文体で独白し、それに「小説」と銘銘すれば成立する、日常言語集大成のバーチャル化が「ケイタイ小説」だからである。そんな読者を相手に、この本のような言説を読ませようものなら彼ら(今の一般読者)は卒倒してしまうことだろう。 しかし、この本の作者は、純に小説的読みの洞察を深く、サラリと思考しているが、昨今重いと敬遠されてきたのが、こういう読書ではなかったのか?
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