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阿片常用者の告白 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2022/04/21

英国の批評家トマス・ド・クインシー(1785-1859)の 自伝的散文集。 当時、町の薬局で誰でも買うことが出来た アヘンチンキ(アヘン末をエタノールに浸出させたもの)に 耽溺した日々について。 成分であるモルヒネの影響で 特異な夢や幻視に見舞われた記述もあるが、 それらを期待し...

英国の批評家トマス・ド・クインシー(1785-1859)の 自伝的散文集。 当時、町の薬局で誰でも買うことが出来た アヘンチンキ(アヘン末をエタノールに浸出させたもの)に 耽溺した日々について。 成分であるモルヒネの影響で 特異な夢や幻視に見舞われた記述もあるが、 それらを期待して読んでみたものの、 「何故わたしは阿片に手を出したか」という事情と、 一抹の後ろめたさから来る言い訳の記述が大半だった。 19世紀ロンドンの様々な情景は味わい深い。 著者は妻への愛情とは別枠で、 終生忘れ難い恩人である異性の友人を想い続けた、 義理堅いロマンティストだった模様。 計画されていた第三部が実現しなかった代わりに書かれた おまけとしての「付録」における 喫煙者が断煙に至るまで日々少しずつタバコの本数を 減らしていくかのように、 阿片チンキの服用量をコントロールしようとした記録が 涙ぐましい。 だが、当人が意志薄弱の故に 度々リバウンドしていることを認めている箇所で つい笑ってしまった。

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2018/04/12

私には阿片の服用を始めた第二部より第一部の家出時代の方が興味深かった。16,17歳の少年がよく生き延びたと思う。彼以上に苦難にさらされている子供たちも登場する。そういう時代だったんだな…。 この家出時代の一年後くらいの1804年に、リウマチの痛みを和らげるため阿片を使うようにな...

私には阿片の服用を始めた第二部より第一部の家出時代の方が興味深かった。16,17歳の少年がよく生き延びたと思う。彼以上に苦難にさらされている子供たちも登場する。そういう時代だったんだな…。 この家出時代の一年後くらいの1804年に、リウマチの痛みを和らげるため阿片を使うようになって、少しずつ阿片の使用量が増えていったんだ。使い始めた頃は、阿片は普通の薬局で扱っているよく効く鎮静剤、鎮痛剤扱いだった。子どもがぐずってなかなか眠らない時とかも使っていたそうだ。信じがたいことだが。 阿片に関する記述より、ド・クインシーが自分を取るに足らない存在と考えているのが気になる。

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2014/09/21

人が薬物依存になる心理がわかるような気がしました。 共感はまったくしませんが、観察者として読むと興味深い内容。

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2012/09/17

「日曜日の雨の倫敦」という憂鬱っつぷりを全面に出す表現がオシャレ。阿片は中学の歴史教科書の阿片戦争の挿絵の印象が強く、手を出さないのは自明の理。

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2012/09/06

苦痛に転じてからが恐ろしい。夢の中は無防備だから、正に魂の牢獄。 説明描写は、正直引用が多すぎて、なんか小癪。すっきり入ってこない.. 自身の言葉で描写されている部分、"鰐"とか"海面に顔"の件は、 ふむふむと気持ち悪かった。 薬、ダメ...

苦痛に転じてからが恐ろしい。夢の中は無防備だから、正に魂の牢獄。 説明描写は、正直引用が多すぎて、なんか小癪。すっきり入ってこない.. 自身の言葉で描写されている部分、"鰐"とか"海面に顔"の件は、 ふむふむと気持ち悪かった。 薬、ダメゼッタイ。

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