国を誤りたもうことなかれ の商品レビュー
東大法卒で、学生時代から近衛文麿等との面識を持ち、海軍短現士官として太平洋戦争に従軍したのち、大蔵省の局長級や国税庁長官を務め、博報堂最高顧問にもなった近藤道生氏の著作。 「国を誤りたもうことなかれ」などというタイトルはいささか身構えてしまうが、戦中戦後の自身の体験が分量の大半で...
東大法卒で、学生時代から近衛文麿等との面識を持ち、海軍短現士官として太平洋戦争に従軍したのち、大蔵省の局長級や国税庁長官を務め、博報堂最高顧問にもなった近藤道生氏の著作。 「国を誤りたもうことなかれ」などというタイトルはいささか身構えてしまうが、戦中戦後の自身の体験が分量の大半であり、後半で著者が現代とこれからについて述べる部分も、押し付けがましくなく、読みやすい。 陸勤の主計士官の太平洋戦争という観点でも面白いし、当時のインテリがあの戦争をどう見て考えたのかという観点でも興味深い。 著者は、国力が落ち、社会に乱れが見られる今日、昭和の戦争のような悪夢を繰り返さぬように、日本の風土に育まれた独特の、古来よりの日本の道統に立ち戻るべしと主張する。 原理主義が、あの悲惨な戦争へと日本を、国民を突き進ませた。その反省からの、反原理主義としての日本文化や天皇制といった日本の道統。「国を誤りたもうことなかれ」。実際にあの戦争を見てきたエリートからの、傾聴すべき反戦メッセージである。
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経済人で声高に平和、戦争の罪悪を論じている。このような人が今戦争体験を肌身で知っている人が鬼籍に入っていくことに危機を感じる。
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[ 内容 ] 大東亜戦争前後、国家の中枢は何を考えていたのか。 沈没する軍艦で救命具を譲った「士道」の精神。 戦ったものとして、靖国神社を考える。 汎神論的・多神教的な日本人の思考の美点。 日本にしかできない、世界貢献の道とは? 敗戦で失われた「日本のこころ」を語り継ぐ。 [ ...
[ 内容 ] 大東亜戦争前後、国家の中枢は何を考えていたのか。 沈没する軍艦で救命具を譲った「士道」の精神。 戦ったものとして、靖国神社を考える。 汎神論的・多神教的な日本人の思考の美点。 日本にしかできない、世界貢献の道とは? 敗戦で失われた「日本のこころ」を語り継ぐ。 [ 目次 ] 第1章 あの戦争について思うこと(靖国神社;近衛文麿;ジョセフ・C.グルー ほか) 第2章 私の戦争体験(特急あじあ号;威海衛;わが国ブルドーザー事始 ほか) 第3章 それから、そして、これから(帰郷;米軍占領下の日本;日本の自然と言葉と文化 ほか) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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元海軍人だった御方の回想録?本。何と言うか、経験談なだけに、そして経験した方の語るお話や出来事に対する御感想なだけに、とても興味深く、そして臨場感のある一冊だったと思います。腐れ観点から見ると、そうか、こういう状態で土田は…(涙)とそんなことを考えつつ、貴重な内容に有り難く思いつ...
元海軍人だった御方の回想録?本。何と言うか、経験談なだけに、そして経験した方の語るお話や出来事に対する御感想なだけに、とても興味深く、そして臨場感のある一冊だったと思います。腐れ観点から見ると、そうか、こういう状態で土田は…(涙)とそんなことを考えつつ、貴重な内容に有り難く思いつつ、読ませて頂きました(腐れ観点で見ては申し訳ないと思いつつ…すみません)。腐れ観点でなくとも、終盤に引用されていた、亡くなったお知り合いの軍人の御方の手紙とか、色々と考えさせられました。
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