魚はなぜ群れで泳ぐか の商品レビュー
ぼくは渓流釣りが趣味で、家には熱帯魚水槽もある。釣るにしろ、飼うにしろ、魚の習性にふれる機会は多く、なんでこうなんだろうと不思議に思うことが多かった。が、世の中は魚の食性や、食べ物としての魚についてはともかく、魚のふるまいについてはあまり興味がないらしく、不思議は不思議のままだっ...
ぼくは渓流釣りが趣味で、家には熱帯魚水槽もある。釣るにしろ、飼うにしろ、魚の習性にふれる機会は多く、なんでこうなんだろうと不思議に思うことが多かった。が、世の中は魚の食性や、食べ物としての魚についてはともかく、魚のふるまいについてはあまり興味がないらしく、不思議は不思議のままだった。その点で本書は思わぬみっけものだった。 著者は東京海洋大学の教授。タイトルになっている魚の群れに始まり、魚の感覚や泳ぎ方、漁の方法と魚のダメージの関係、はてはフライフィッシャーがよくやるキャッチ&リリース(釣った魚を生きたまま逃してやること)の影響まで、それ知りたかったんだ、というテーマに、大学の実験をもとに科学的に迫ってくれる。テーマが素朴でわかりやすいのは、この分野の研究があまり進んでおらず、細分化されていないからなのだろう。魚大好きなぼくには実に楽しい一冊だった。
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