こんなとき私はどうしてきたか の商品レビュー
先生が長い臨床の中に獲得した言葉の使い方を知れました。非常に良かったです。 これからは自分に「一生懸命やっているのに辛いね」と心で唱えながら患者さんと向き合うことにします。
Posted by
もはや信者なのであまり公平な評でないけれど、対人援助職はもとより精神科と縁のない人でも読みやすいと思う。 先生自身、精神医学(だったと思う)を江戸時代の農書に例えていたが、まさしく支援の現場に入るときに携えていたい実践書である。 クライエントを理解するためのエッセンスが詰まっ...
もはや信者なのであまり公平な評でないけれど、対人援助職はもとより精神科と縁のない人でも読みやすいと思う。 先生自身、精神医学(だったと思う)を江戸時代の農書に例えていたが、まさしく支援の現場に入るときに携えていたい実践書である。 クライエントを理解するためのエッセンスが詰まっていて、現場でうすぼんやりと思っていたことを言葉にしてもらったり、壁になっていた暗黙の了解を丁寧に掘り崩してもらったり。対人援助職の人には読んでほしい本。
Posted by
参考になること、共感できることがたくさんありました。☆3つにしたのは、内容が重くて読んでいて疲れてしまったから。軟弱者でごめんなさい。
Posted by
情報考学のブログに載っていた「こんなに違う!世界の性教育」から→「エッチのまわりにあるもの―保健室の社会学」→「その後の不自由」→中井久夫、にたどり着いた。 この先生もアンリ・エランベルジェを訳していたりして(エランベルジェのファンなので)嬉しくなります。精神症はかなり重度なもの...
情報考学のブログに載っていた「こんなに違う!世界の性教育」から→「エッチのまわりにあるもの―保健室の社会学」→「その後の不自由」→中井久夫、にたどり着いた。 この先生もアンリ・エランベルジェを訳していたりして(エランベルジェのファンなので)嬉しくなります。精神症はかなり重度なものに触れられていて普段の生活に役立つかというと事例が極端です。ただ、看護士さんへの数回の講義を元に構成されているので、病院運営について触れてある所が示唆的だった。看護婦さんの仕事のストレスはコールセンターに近い物がある気がする。 ・驚くべき病的体験、たとえば世界が粒粒に分解するというような、まだ誰も報告していない現象を話してくれる患者がいるとします。その彼が友達と映画を見に行ったり、ベースボールをしたり、喫茶店にいったりしたことを、驚くべき病的体験の話しよりも身を乗り出して興味を持って聞けるか。あるいは、たいていの患者は看護師が健康な面に光を当てているからこそ治るのかも知れません。患者が医者に多くを与えた場合、その患者の長期予後は良くない。 ・急性の精神病ではできるだけでたらめに1から9まで言って下さいと頼んでも、123456789としか言えない。登頂するかしないかでグループが分裂した時も、人はゆとりがなくなり乱数を言えなくなる。 ・幻聴や妄想は頭だけで受け止めて作動させているので、夢には出ない。 ・いままで聞いた事がないような言葉を耳にして、その人が「なんだろう?」と考えるようにすることが精神療法。サリヴァン先生曰く「面接とは面接時間以外の2、3時間(患者の中で)働いているものである。 ・人の幸不幸に関わらず、思い出は「楽しい事6:中立的な事3:つらい事1」と言われているが、つらい時には楽しい事を思い出せない。生理的に楽天的になれるのが健康になるという事で、つらい時に楽しい歌を歌わせるなどは心無いこと。 ・暴れる患者は恐怖から。 ・私は患者さんの訴えのときは、温度と気圧と湿度の3つを見ます。そして本人に異常がなければ、気象の責任にします。気象のせいにしても誰も傷つきません。「待つことができれば半分治ったと同じ(土井健郎)。」 ・自分の支配する小世界で権力を持とうとする人は《アルコール依存症が多い。病院の催し物で、活躍したがるが私は絶対にヒラにしてきた。奉仕の形を取る権力欲。 ・「君見ずや双眼の色、語らざるは憂いなきに似たり(芥川)。」家族が分離しないように病気から治れないと思っている患者は実際にいる。ペットがこの役を分担していることもある。 ・感情が揺さぶられたり患者に悪感情を持つことは当然あるが、スタッフをスケープゴートにしてはいけない。キーパーソン的な人を呼んで、スケープゴートにしてはいけないとはっきり言う。 ・システム改革の時は治療のスピードを緩めなければならない。それで式が崩壊した時はベースキャンプ(ゼロの状態)まで戻る必要がある。 ・睡眠障害の強度の段階は最初が「寝られない」。次が「寝てもすぐ覚める」「寝ても眠った気がしない」で、「いくら寝ても寝たりない」。徹夜しようと思っても5時ごろにはうとうとするが、本当に全不眠で2、3日目に「自分は天才になった」「もう眠らなくてもよい体になった」と思ったら、すぐ精神科医に行きなさい。「なかなか眠れない」が一番軽い。「何時までに起きねばならない」と考えると寝られないが、「何時まで眠っていいよ」と自分に言い聞かせると眠れる。 ・子供がお腹が痛いと言った時に、「ビオフェルミンでも飲んどき」と言うか、どれどれとお腹を触ったり顔色を見てあげたりできるかどうか。
Posted by
講演をもとにしているので、 読みやすいし、わかりやすいです。 改めて、すごい人だな〜 って、、 精神科医としてじゃなく、、、 語学も堪能で、詩を訳したりしているという、、驚き&尊敬の人ですが、 この本を読むと、チームワークだったり、建物だったり、いろーんなことに、緻密な配慮を...
講演をもとにしているので、 読みやすいし、わかりやすいです。 改めて、すごい人だな〜 って、、 精神科医としてじゃなく、、、 語学も堪能で、詩を訳したりしているという、、驚き&尊敬の人ですが、 この本を読むと、チームワークだったり、建物だったり、いろーんなことに、緻密な配慮を巡らしたことがわかる。 すごい。。 患者さんのことも、本当に同じ目線でみているのだな〜って感じます。
Posted by
わたしにとっての、すっごい、実用書。 大好きな中井久夫せんせ。 こころの状態が悪化しているがゆえに引き起こす、あらゆる不測の事態への対処法。 暴力に正面から向き合ってはいけない。 背中を見せてもいけない。 横につける。 そして0.4秒を待つ間、「なにかあったの?」さ...
わたしにとっての、すっごい、実用書。 大好きな中井久夫せんせ。 こころの状態が悪化しているがゆえに引き起こす、あらゆる不測の事態への対処法。 暴力に正面から向き合ってはいけない。 背中を見せてもいけない。 横につける。 そして0.4秒を待つ間、「なにかあったの?」ささやく。
Posted by
医学書院の「ケアをひらく」シリーズの一冊。『We』読者Mさんがブログで書いてはったのを読んで、まだ読んだことがなかったので借りてきた。近所の図書館には残念ながら所蔵がなく、ヨソからの相貸である。 こんなとき私はどうしてきたか ここでは、著者が、精神科で患者さんと出会い、つ...
医学書院の「ケアをひらく」シリーズの一冊。『We』読者Mさんがブログで書いてはったのを読んで、まだ読んだことがなかったので借りてきた。近所の図書館には残念ながら所蔵がなく、ヨソからの相貸である。 こんなとき私はどうしてきたか ここでは、著者が、精神科で患者さんと出会い、つきあってきた中での、自分の経験のみが語られている(これは講演録)。こんなとき、自分はどうしたか、何を語り、どう行動してきたかが。 病気は患者にとって決して小さなことではないけれど、だからといって、患者の人生を病気中心のものにしてはいけない、というようなことや、医者は、患者の語る「病気以外のこと」を、どれだけ膝を乗り出して聞けるだろうか、といったことを著者は語っていて、この人はいい人やなあと思ったし、こんな医者に話を聞いてもらえたら、「病気」の経験はずいぶん違うやろうなと思った。 こんな本が、近所の図書館にないのが残念。ときどき、読みなおしたい本。
Posted by
一部にファンも多い精神科医、中井久夫氏が有馬病院で行った一連の講義をまとめたもの。幻覚妄想とは何か、を語れる人は多いが、どんな感じなのか、を語れる人は数少ない。この手のうなぎのタレのようなもので一冊の本を上梓できるという人もまた稀有なんだろう。長生きしてください。
Posted by
もうただのファンと言ってもいいですが、中井先生が書いた本はどれも本当に素晴らしいから皆読むべき!この本は「看護のための精神医学」の内容をさらにわかりやすくした感じですので実に読みやすいです。一般書かと思うくらい簡単に書いてある。専門的なことを簡単に書くのは本当に難しいことなので、...
もうただのファンと言ってもいいですが、中井先生が書いた本はどれも本当に素晴らしいから皆読むべき!この本は「看護のための精神医学」の内容をさらにわかりやすくした感じですので実に読みやすいです。一般書かと思うくらい簡単に書いてある。専門的なことを簡単に書くのは本当に難しいことなので、こんなところでも私の中井先生ラブ度は急上昇するのでした。最高です。あ、内容は前述の本とそう変わらないです。
Posted by
まぎれもない名著。 精神医学の本を読んでこんなさわやかで、あたたかい、なんとも言えぬ読後感が訪れようとは。 少しでも精神医学に、看護に、そしてもちろん中井先生に興味がある人は、今すぐ本屋へ急げ。なくなるぞ。
Posted by
- 1
- 2