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死顔 の商品レビュー

3.4

18件のお客様レビュー

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2024/09/03

吉村昭さんの遺作。 生き様は死に様でもあるなと思った。 夫を殺した妻の保護観察の話が心に残った。 殺人は許されることではないけれども、二人を救う手段はその時点ではそれしかなかったと同情してしまう。

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2023/03/31
  • ネタバレ

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津村節子の遺作について 後書に代えて 吉村は病気について親戚にさえも知らせるようにと厳命していたので、突然の死亡報道に彼を知る人たちは愕然としたようである。吉村について書いて欲しい原稿依頼が相次いだが、私は全て辞退した 医学の門外漢である。私は、死が近づいているか否か判断のしようがなく、それは不可能である。 と書いているが、遺言に延命治療を望まない、といった彼は、佐藤泰然のごとく、自らの死を決したのである

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2019/08/05

延命治療を拒否して、自らの身体の管を抜き、死に向かった作者 吉村昭氏。 若い時から、治らぬと言われた肺病に罹り、命いくばくか?と、思われながらも、作家として、長編大作も発表して、歴史小説にも力を注いだ作者。 最初の高名な脳専門の医学者の話。 私は、脳には、箪笥があって、其の引...

延命治療を拒否して、自らの身体の管を抜き、死に向かった作者 吉村昭氏。 若い時から、治らぬと言われた肺病に罹り、命いくばくか?と、思われながらも、作家として、長編大作も発表して、歴史小説にも力を注いだ作者。 最初の高名な脳専門の医学者の話。 私は、脳には、箪笥があって、其の引き出しに、思い出やら、経験などの記憶が、入っている。 新しい出来事や記憶は、段々引き出しに入りきらなくなり、溢れてしまう。 又、箪笥を増やしても、今度は、引き出しが、沢山になり、どこに仕舞ったのか、、、と、、、忘れてしまうのだと、、、、そう考えている。 だから、最初にしまい込んだ引き出しには、沢山出し入れしただけに、思い出す部分も多い。 作者も、自分の病気に対して、家族がしてくれた事、そして、自分が思った事、、、、が、凄く思い出しているのだろう。 若き日の秘湯での出来事、トキが、赤ちゃん、を道連れに、男性上位、姑と家の強さに屈し、命を絶ったことに、衝撃が、強かったのだろうし、とても、悲しい思いをしたのだと、思う。 心が痛む。 死に顔について、作者は、病み衰えた顔を目にするのは、失礼だと、、、そして、死者も望んでいないだろうと、記している。 しかし、今は、死に化粧も綺麗して貰えるようになり、最後のお別れをしたいと、願う事もあると、思う。 皆で、花をお棺に入れて、別れを、、、、 今回、京アニメのような放火事件で、最後のお別れも、顔を見る事も出来ない状態もあるのだから。。。。 辛い! 作者の妻 津村節子氏も看病生活と、作者の最後の壮絶な死への覚悟に、並々ならぬ思いがあったと、感じてしまった。 衝撃の強い遺作短編集であった。

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2017/07/10

私が近づいているか否か?誰にも判断のしようがない、しかし歳を重ねつつ、いろいろなことを感じながら生きていく。そのいろいろな事は、様々な作家が書いているように、突然に終焉を迎える。いろいろなことを考えながら

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2016/12/24

吉村昭(1927.5.1~2006.7.31)著「死顔」、2006.11発行、5編が収録され最後の「死顔」は著者の遺作となりました。「新潮」2006年(平成18年)10月号に発表されたものです。父の死、次兄の死のことが書かれています。次兄の妻が病院側の延命措置の申出を辞退したこと...

吉村昭(1927.5.1~2006.7.31)著「死顔」、2006.11発行、5編が収録され最後の「死顔」は著者の遺作となりました。「新潮」2006年(平成18年)10月号に発表されたものです。父の死、次兄の死のことが書かれています。次兄の妻が病院側の延命措置の申出を辞退したことに「それは正しい。そうであるべきだ」と。また、死は安息の刻、自分の死顔は家族のみに限りたいとの思いを吐露されています。

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2015/06/25

「二人」「死顔」は次兄の死を目の当たりにした吉村昭さんの死生観について書かれている。 その他の作品も生と死について真摯に向き合う著者の心が伝わってきて、命の儚さや重さについてとても考えさせられた。 津村節子さんのあとがきで吉村氏の遺言や最後の彼の姿を知り、私の中でこの本は完結した...

「二人」「死顔」は次兄の死を目の当たりにした吉村昭さんの死生観について書かれている。 その他の作品も生と死について真摯に向き合う著者の心が伝わってきて、命の儚さや重さについてとても考えさせられた。 津村節子さんのあとがきで吉村氏の遺言や最後の彼の姿を知り、私の中でこの本は完結したように思う。

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2014/08/06

淡々とというんか、お話ではないお話。 どんなふうに『死』に逝くときに向き合えるのか・・・・ そんなことを考えたくって選びました。 あるひとつのむかえ方・・・という感じに読めた本です。

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2014/07/11
  • ネタバレ

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戦争中に母は九男一女を産んだが兄弟たちは貧しい時代に病で次々と死んでいき、高齢になった今、残ったのは二人の兄と自分だけだった。 そのうちの一人の兄が死を迎えようとしており、横浜に住むもう一人の兄と見舞いを済ませた矢先に、彼は逝った。 その他短編。 中学生のときに肺結核を発病し、療養のために温泉地へ滞在していたときに起きた女中の無理心中。 死にゆく兄の隠し子問題と残された兄弟二人だけになりしみじみとなる冬。 保護司として介護苦のすえに夫を絞殺した光代の世話をすることになった滋夫の複雑な思い。 鎖国以来、外国に不条理な条約を結ばされ屈辱を味わった日本人だが、根からの真面目さが垣間見たロシアのクレイスロック号遭難事件。 兄弟たちや父母の死を見届けてきて、新たに兄の死を経験し、生き残ったのは兄と自分二人となった心境。 吉村昭氏と津村節子さんが夫婦だと、今更知ったよ。 単体では知っていたからつながってびっくり。 人が死んでいくのは当たり前なんだけどなんだか切なくなるものだね。 どの短編もよかった。 遺作についてを読んでああ更にしみじみ。)^o^(

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2012/07/17
  • ネタバレ

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最後に帰結するかんじの、死についてのお話。 これが遺作、となるとちょっと薄ら怖いかんじはしますね。

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2012/02/08

昨日津村節子『紅梅』読了。 吉村昭の遺作小説集『死顔』が本棚にあったのを見つけ、読み終わった。5編の小説や小説の材料が収録されている。 絶筆となった『死顔』は最後まで校正を重ねていて、まだ終わってないことを気にしていた作品。 次兄の死のことを書いている。 疲れるのでお見舞いを...

昨日津村節子『紅梅』読了。 吉村昭の遺作小説集『死顔』が本棚にあったのを見つけ、読み終わった。5編の小説や小説の材料が収録されている。 絶筆となった『死顔』は最後まで校正を重ねていて、まだ終わってないことを気にしていた作品。 次兄の死のことを書いている。 疲れるのでお見舞いを早く切り上げること。 亡くなった後、自分は弟であるがあえて駆けつけず、家族だけで別れを惜しむ時間ににしてあげたこと。 死者の顔を見るのは家族にまかせ自分は遠慮したこと。 これらのことは吉村昭自身の遺書にも反映されている。 いかなる延命処置をしないこと、家族だけでの別れ、遺体を焼いてから身内のみの家族葬、死後三日間公表しないこと、弔問、弔花は断り、電話も「取り込んでおりますので失礼します」と取り次の人に答えてもらうことと残った家族への気遣いにあふれている。 弔電、書簡にもいっさい返事を出さぬこと、 死顔を家族以外の第三者には見せぬことも明記されている。

Posted byブクログ