生涯学習論の探究 の商品レビュー
Ⅰ章 生涯学習・社会教育論のパラダイム転換 Ⅱ章 福祉・共生社会の創造過程における学習の検証 Ⅲ章 高齢社会のエンパワメントプロセスと学習 Ⅳ章 生涯学習支援システムの変貌と人権学習 Ⅴ章 フレイレの解放教育論の再解釈 Ⅵ章 学習組織論の再解釈 と、目次だけみると、かなり堅苦し...
Ⅰ章 生涯学習・社会教育論のパラダイム転換 Ⅱ章 福祉・共生社会の創造過程における学習の検証 Ⅲ章 高齢社会のエンパワメントプロセスと学習 Ⅳ章 生涯学習支援システムの変貌と人権学習 Ⅴ章 フレイレの解放教育論の再解釈 Ⅵ章 学習組織論の再解釈 と、目次だけみると、かなり堅苦しく、とっつきにくそうな印象を受けますが、 内容は、ボランティア参加やNPO参加の学びの意義を丁寧にみています。 著者がフレイレに傾倒しているということもあり、意識化、対話、文化行動による解放などの視点も後半の章では詳しく取り上げられています。 生涯学習論といっても、まさに副題にあがっている、交流・解放・ネットワークの効果や学びに焦点があたっていて、興味深く読めました。 特に、ボランティア参加と学びの効果については、あまり研究されていないと著者が指摘しているように、なんとなく効果がありそうという仮説レベルのものが多いのですが、 実践と交えて丁寧に読み解こうとされていて示唆に富んでいました。 ボランティアの非日常性や、関係性・つながりの中で、意識変化や学びが生じ、主体性が生まれたり、社会・政治的関心が生まれたりするという部分に興味があるので、もう少しこういった研究がされていくといいなぁという印象です。 レイヴの主張する正統的周辺参加による学びがみられるNPOですが、どんな環境でもいいというわけではないでしょうし、手放しの賞賛ではなく、批判も含めて検証されていくことを望みます。 "ところが、新しい知識・技術の獲得に対応するもっとも現実的な学習形態は、実は、<社会活動のプロセスに埋め込まれた学習>である。労働市場の場合には、一般的にOJT(On the Job Training)として、非労働市場においても、活動のなかで自然に身につくものとしての学習が、現実には<課題達成型集団学習>のオルターナティヴとなっている。”
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