教育大混乱 の商品レビュー
プロを自任する人の発言がこれか。曰く、社会の影響で子供が変わってきた、家庭環境や親の意識が変わってきた、学校ができることは限られる、そもそも子供の能力には個人差があり全員の底上げはできない、などなどすべて環境のせい、他人のせい。それでいて教師間の競争は反対、ダメ教師を排除したって...
プロを自任する人の発言がこれか。曰く、社会の影響で子供が変わってきた、家庭環境や親の意識が変わってきた、学校ができることは限られる、そもそも子供の能力には個人差があり全員の底上げはできない、などなどすべて環境のせい、他人のせい。それでいて教師間の競争は反対、ダメ教師を排除したって教育は変わらない、など私立学校の先生が聞いたらあきれるような態度。だいたい「プロ教師」って何だ?国から免許を得て教師として俸給をもらっている時点で全員プロじゃないの? 例えば俺はプロの医者だ!とか、プロの警察官だ!という人がいるだろうか?冗談はよしてくれ、って思う。 自分は教師ほど素晴らしい職業も他になかろうと思っているが、それこそプロ集団なのだから、政治家や保護者を含めた教育のアマチュアが教育にあれこれ首を突っ込むのはほどほどにすべきだ。そうであるからこそ先生方には高い職業倫理と専門知識を持って欲しいし、そうでない人は自動的に排除されるような自浄作用が働く組織になってほしいと願う。どちらも不十分だから外野からの干渉を受けるのだろう。まずは自身の反省から、だと思う。
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2007年刊行。編著者自体も批判だけで建設的な意見が開陳されず、混乱ぶりが目立つ。『ゆとり教育』も、市場主義化も、百ます計算も功利主義もだめ、としつつ、家庭や一部教員に責任を押し付けているだけである。日本が資本主義社会である以上、私的教育機関は消滅しないし、教育の私事化の趨勢も反転しないであろう。家庭は、社会のリアルな要請を肌で感じつつも学校に頼れないために、次善の策として私的教育機関を利用しているのだ。こんな常識的見地すら持ち得ず、対案も出せない編著者の社会的使命は、もはや終焉したと感じさせる。 そもそも編著者の意義は、学校実態を社会に広く知らしめた点にあり、彼らが広めた実態は一定程度のコンセンサスを得るに至っていると言えよう。しかし、編著者のいうような教育姿勢、指導姿勢を採用しても、もはや解決できない局面に現実は立っているし、あまねく教員が採用できる方法論でもない。「学校の教員を信頼することからはじめて欲しい」とも述べるが、信頼できる教員とそうでない教員が現実におり、公務員としての強固な身分保障がある以上、ブラックボックス化は到底許容されない時代なのだ。
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著者がプロ教師の会ということですので、教師から見た教育の現場の感想のようなものでした。 一言で要約すると、「昔のこどもと今のこどもはちがうんだ」でした。 当たり前のように聞こえます。なぜなら環境がことなるから。いつだって同じということはありえないと思います。 それを根拠として、こ...
著者がプロ教師の会ということですので、教師から見た教育の現場の感想のようなものでした。 一言で要約すると、「昔のこどもと今のこどもはちがうんだ」でした。 当たり前のように聞こえます。なぜなら環境がことなるから。いつだって同じということはありえないと思います。 それを根拠として、こどもがかわったから、昔とは違う大変さがあるんだと主張されているようです。 教員の立場からはそうかもしれません。ですが、少し離れてみると環境が変わってこどもの傾向や性質が変わったのならば、教員も変わらねばならない部分がいくらかはのではないかと思いました。
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[ 内容 ] 緊急の教育課題は「学力低下問題」か「子ども・若者問題」か? 今日の教育不全は、学力低下にあるのではない。 学ばない、学ぼうとしない子どもにこそあるのだ。 なぜこれを直視しないのか? 一九八〇年代中葉以後に顕著になった、子どもの変容を認めず、学校が悪い、教師がダメだ、といった犯人探しに右往左往し、挙句は、愛国心があればいじめがなくなるとか子どもは本来学びたがっているのだから、ダメ教師を査定して排除すれば子どもは学ぶはずだなどと現実を無視した、床屋政談にうつつをぬかす。 わが子の成績だけにこだわる親と、競争と効率と市場の論理で教育を語るだけではこの国の教育再生はみえてこない。 もうこの国はほんとうにだめなのか。 [ 目次 ] 1 「子どもが変わった」ことを認めない議論はすべて間違う 2 「ゆとり・生きる力」派の敗北と「学力向上」派の跳梁 3 「ゆとり教育」敗北後の小学校の実態を誰も知らない 4 陰山先生はそんなにえらいのか 5 「教育再生会議」はどこへ行こうとしているのか 6 市場の論理と教師査定で学校は活性化するか 7 イジメの正体とその解決法 8 「愛国心」は教育を再生するキーワードになり得ない 9 「できる子」と「できない子」はどのように差がついていくか 10 わが子だけ勝ち組になればいいのか? 11 教育を経済や政治のことばだけで考えてホントに大丈夫か [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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2008/12 教育現場の問題について、その現場に立っている教師が強く主張している。一般的に評価されている手法や考え方にも正面から疑問を呈しているところなどは読むに値するが、それでも特定の主義主張が見え隠れすることも否めない。
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著者の一人である諏訪哲二氏によれば、教育という営みは「知識を教える」以前に「人間形成」の要素が必要なのであり、それを抜きにして「学力向上」をいくら叫んでも意味がないのだそうだ。どうなる、「教育再生」?
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