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ドリアン・グレイの肖像 の商品レビュー

4.3

58件のお客様レビュー

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    26

  2. 4つ

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2024/11/02

はい、というわけでとどめは『ドリアン・グレイの肖像』ですよん オスカー・ワイルド唯一の長編小説です でもってたぶん読んだことあるなこれ はるか昔だけど レビューどうすべ? うーん、凄い やっぱ凄いね いろんな取り方ができる物語なんよね で、それってたぶん読むたび変わったりす...

はい、というわけでとどめは『ドリアン・グレイの肖像』ですよん オスカー・ワイルド唯一の長編小説です でもってたぶん読んだことあるなこれ はるか昔だけど レビューどうすべ? うーん、凄い やっぱ凄いね いろんな取り方ができる物語なんよね で、それってたぶん読むたび変わったりするんだろうなって感じよ テーマのひとつは間違いなく「善」と「悪」だと思うんよね まぁ、この物語から「善」と「悪」みたいなことを抜き取ってる時点でとてつもなく浅いんだが、まぁいいじゃない 学者先生でもなんでもないんだから浅くたっていいじゃない よくコントとかであるやん 財布を拾った人の前に天使と悪魔が現れてーみたいな奴 あれのとんでもなく崇高なバージョンなんじゃね?とか思ったりしましたw で、結局悪魔の言い分に耳を傾けちゃうわけね そっちのが楽しいから で散々堕落して悪行の限りをつくすんだよ そしてある時気付くわけ あーなんて自分はひどい奴だったんだ これからは悔い改めて善人になりますのでどうかお許し下さいとね 許されるか!(# ゚Д゚) という物語です あ、そうだ 翻訳の話ね 正直言ってだいぶ後半の方まで翻訳に注目して読んでたの忘れてました 物語に夢中になってたってのもあるんだけど、めちゃくちゃクセのない訳文で全く引っかかるところがなかったってのが大きかったです なんていうかほんとに平坦な感じ? 後から考えてこれってたぶんノンフィクション系の方だからかな?って思いました 淡々とした語り口 この特徴がない文章ってのが、逆にものすごい特徴的だなって これが本作に合ってるかどうかっていうと、ちょっと疑問に感じなくもないんだけど、どちらにも引っ張られないという意味ではありなんかな〜 うーん、分からんw はい、海外文学を読む時に訳者さんに注目するのもありだよってテーマでオスカー・ワイルドを読んでみたわけなんですが、所詮原文にあたったわけでもないし、あたる能力もないので話半分で聞いてもらった上で、そんな視点も面白いかもねって思ってもらえたら嬉しいな〜 いじょ!

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2023/05/31

なんとなくストーリーを知っていたせいで読まずに来てしまったもののひとつ。 しかし、美しさとは何か。内面の美しさこそ真の美しさではと思いつつ、やはり表面的な美しさには抗いたがいものがあるよね。誰だって若く美しいままでいたいだろう。 退廃的な美に飲みこまれぬように。 しかし、そもそも...

なんとなくストーリーを知っていたせいで読まずに来てしまったもののひとつ。 しかし、美しさとは何か。内面の美しさこそ真の美しさではと思いつつ、やはり表面的な美しさには抗いたがいものがあるよね。誰だって若く美しいままでいたいだろう。 退廃的な美に飲みこまれぬように。 しかし、そもそもの元凶(といっていいのかどうか)はヘンリー卿では??ものすごく魅力的でとんでもない毒を撒き散らしてさ!

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2023/05/13

『幸福な王子』『サロメ』を残したアイルランド出身の詩人、作家、劇作家・オスカー・ワイルド唯一の長編小説。 「美」と「若さ」をテーマにすえた、強烈な寓話的物語。ところどころに散りばめられている、作者の鋭い人生論的言及をメモメモ。ヘンリー卿のシニカルなワード・パワー、ドリアンのサス...

『幸福な王子』『サロメ』を残したアイルランド出身の詩人、作家、劇作家・オスカー・ワイルド唯一の長編小説。 「美」と「若さ」をテーマにすえた、強烈な寓話的物語。ところどころに散りばめられている、作者の鋭い人生論的言及をメモメモ。ヘンリー卿のシニカルなワード・パワー、ドリアンのサスペンス味を増す後半の展開に引き込まれつつ、人生の実相に思いを馳せる。あらすじや結末が知られながらも、多くの人を惹きつけ続け、読まれ続けるのは納得。本翻訳の良し悪しはちょっとわからないのだけれど、他翻訳でもぜひ読んでみたいし、繰り返しの読書に耐える作品だ。

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2023/05/13

津村のよみなおし世界文学の1冊である。ワイルドの有名な小説ということであるが、簡単英語の本では読んだ気がするが、現物を読んだことはなかったような気がする。話は怪奇ではあり、その怪奇の部分だけが簡単英語の本では強調されていたような気がする。あらためて初めから読んでみると、様々なこと...

津村のよみなおし世界文学の1冊である。ワイルドの有名な小説ということであるが、簡単英語の本では読んだ気がするが、現物を読んだことはなかったような気がする。話は怪奇ではあり、その怪奇の部分だけが簡単英語の本では強調されていたような気がする。あらためて初めから読んでみると、様々なことが描かれていることがわかる。会話体が多い。

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2023/01/31

魂、欲望、理性、道徳、美、善、等についての語りが多く意外に思弁的。ストーリーは一本調子。それでもぐいぐい読ませるのは、登場人物のキャラクターの強さだろう。主人公のグレイとその美を崇拝する画家ホールワード。そしてニヒリスティックなヘンリー卿。19世紀末のまさに世紀末的な時代の空気を...

魂、欲望、理性、道徳、美、善、等についての語りが多く意外に思弁的。ストーリーは一本調子。それでもぐいぐい読ませるのは、登場人物のキャラクターの強さだろう。主人公のグレイとその美を崇拝する画家ホールワード。そしてニヒリスティックなヘンリー卿。19世紀末のまさに世紀末的な時代の空気を感じる。同じ時代にはニーチェがいた。彼の思想と重なるものを感じる。

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2023/01/03
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オスカー・ワイルド唯一の長篇小説。うまく感想をまとめられないが、まず、間違いなく傑作なのであろうと思う。それは本作がいまだに読み継がれていることからも明らかである。しかし、いっぽうで失敗作のような気もする。題名にもなっている肖像画は、画であるにもかかわらず、容貌が醜く変化してしまい、そのことがきっかけとなって多くの災厄がまき起こる。この部分だけ聞くとオカルティックで、個人的にもどうにも馴染みづらかった。そして、傑作であり失敗作であるという二重性はまた、作中の肖像画に対する評価でもある。そう考えるとこの小説は、世にも奇妙な肖像画を文章という形で表現したものであるといえるかもしれず、そんな藝当ができるとすればやはり本作が傑作であることは間違いないのであろう。

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2022/11/26
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結構積読しましたが、読了。もう少し生々しくエロティックな小説かと想像してましたが、ミステリーや幻想的な要素もありの硬派な内容だったかな。 19世紀のエスタブリッシュの交流を垣間見れた。どうもシニカルで自国に対してアイロニーを言葉遊びで混沌としていく会話もなんかぽいなー興味深く読み進めてた。 ドリアングレイという人生が芸術なのだ。人とは隔てた神聖なもの、日常とは切り離された鑑賞させるべき対象として崇められている。そこに人から滲み出ざるを得ない苦悩や後悔、不正や罪悪、老いや不純さなんてものが一切感じられない、まさに究極。 本人はそんな自分を呪い、感覚に全てを委ねる。快楽主義こそが人生で肝要であるのだと。破滅や不埒な生活こそ人生なのだと。純粋無垢な青年のような若さは呪縛と言い捨てる。 事実破綻した生活、芸術への執着を歩んできているのに、世間か疎まれる一面はあるが自身の美しさが事態を好転させる。そこの矛盾に精神が侵されていく様は読み応え抜群。 最後は精神異常に陥っていて、自画像の呪いによって殺されたのか、実際に自殺したのか混沌としたクライマックス。 心情吐露する表現が多く、ストーリーが冗長な面もあるがそこがドリアングレイの変わりゆく様を克明に読者の脳裏に打ち付けてくる。どんどん冷淡になっていくドリアングレイ、それでも美しさに一変の曇りもないアンビバレントさ。ごちそうさまでした。

Posted byブクログ

2022/09/05
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めちゃくちゃ良かった!! 学校の図書室で借りたのだが、返却期限より圧倒的に早く読み終わってしまったくらい面白かった。 前は途中でやめちゃったけど、なんだか今回は不思議とスルスル読めた。本にも時期ってものがあるのかしらね? 純粋にストーリーが面白い。最初は少し恥ずかしがり屋で純粋な青年だったドリアンがどんどん堕落していくのにはゾクゾクした。退廃的……ってこういうことを言うのかな。 ドリアンが堕落していく様が不思議と美しくて、読者もこの青年の悲劇を見届けたい……っていう考えに駆られてしまう。 最後も良かったね。自分の罪に振り回されて破滅……。若さと美しさに執着してたのにそれも失われる案外あっけない最後。を、自分の手で迎えてしまう。 それが大変よかった。 イギリス上流階級の会話もなんだか面白く、会話を嗜みとして楽しんでいるような感じがした。 ある種の貴族的な……考えというか、上流階級の人間の価値観みたいなものが垣間見えて興味深かった。 人間、金を持ちすぎるとこの世に飽いてしまってなんだか妙なことをやらかすらしい、という話でもあるように感じたな。 難しかったけど面白かった!また読みたい。 読んでいると、ついドリアンの美しい堕落を最後まで見届けたくなってしまう。人の堕落を平気で願う読者もまた快楽に魅入られ、堕落してしまっているのではないか? この本にはそんな危険な魅力があったな。 いやはや、これはとんだ悪書だぞ。素晴らしい。

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2022/08/01
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耽美小説 宝石や美しいものに関する逸話などにグレイがのめりこむ章をもう少し色鮮かに想像しながら読み直したい。 神話の引用などかなり詳しくならないとなぞるのが難しく、ただただ固有名詞として流すしかないのがもったいない感じがする。やっぱり神話とシェークスピアの知識は必須。 花や宝飾品、家具、色の名前なども豊富だから、図鑑などで予備知識を増やしておくのもいいかも。 ヘンリー卿がサディスティックで魅力的。結局この人が一番のまともな人間だったんじゃないかという気もする。 バジルが不憫。3人とも複雑な内面で、漫画のような単純なキャラクターがいない。 自分の若さと美しさを他者から自覚させられて、その途端、そしてそれらを失いたくないと願った瞬間からそれらを失っていく。 美しさとは何か 死の意味は

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2021/09/26
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オスカー・ワイルドの代表作。モチーフは肖像画と自分の関係であるため、いわゆるドッペルゲンガー物とは少し異なるのだが、肖像画が自分の心のありようを反映して徐々に変化し、あたかも生きているかのようであり、自分のコントロールが効かず、またそれに怯えるようにもなる点で、ドッペルゲンガーのような存在であり、ポーの「ウィリアム・ウィルソン」を思い出しながら読んでいた。最後は神経症的に自分で自分を追い詰めるようになるあたり類似していると思う。同じような作品が作られるあたり、当時の風潮も反映しているのだろうか。19世紀末という近代の一つの円熟期でもあり、豊かさとアジアからの異文化がロンドンという大都市の中で融合する時代の雰囲気が色濃く反映されていると思う。また、ダンディズム思想に彩られたヘンリー卿とドリアン・グレイの警句が全編にわたって展開されるあたり、また同時代のドイルも描いているアヘン窟の様子など、まさに世紀末のロンドンといえるのかとも。そういえば、最近フィラデルフィアのキングストンという街でのドラッグ中毒者がゾンビのように徘徊する動画が話題になったが、当時のアヘン窟もこんな感じだったのだろうか。ホームズのドラマなどの印象からは19世紀の方がもっと暗いイメージはあり、もっとやばいという感じもする。 いずれにしても、当時の雰囲気や、ワイルド一流の耽美的世界観を満喫できる作品である。 “ものごとを外見で判断しないのは底の浅い人間だけだよ。世界の本当の神秘は目に見えない物ではない。目に見えるものなのだ“(P.50) “ヘンリー卿はまだ入ってきていない。遅刻するのが彼の主義なのだ。時間に正確であることは時を盗むものだという主義なのだ“(P.91) “一生に一度しか恋をしない人間こそ浅薄なんだよ。彼らが一途さとか貞節とか呼んでいるものは、習慣による惰性か想像力の欠如だ。感情生活において誠実であるということは、知的生活において変化がないのと同じだ“(P.102) “結婚の本当のデメリットは人を利己的でなくすることだ。利己的でない人間はつまらない。個性を欠いているんだよ“(P.148) “まずい演技を観るのは、道徳に反する“(P.167) “本当に魅力的な人間は二種類しかいない。本当にすべてを知っている人間か、何を知らない人間だ“(PP.167-168) “情熱的な経験を排除するような思想や体系は、どんな形にせよ決して受け入れてはいけない。この快楽主義の目的とするところは、その経験自体であり、その経験から何かの成果を得ることではない。たとえその成果が甘いものであろうと、苦いものであろうとも、快楽主義は、感覚を押し殺してしまう禁欲とも、感覚を鈍らせる放蕩とも相容れない。それは、ただの瞬間にすぎない人生の一瞬一瞬に意識を集中して生きるよう、人間に教えてくれるものなのだ“(P.251)

Posted byブクログ