風少女 の商品レビュー
青春ミステリって謳ってるけど、やっぱり基本フォーマットはハードボイルド。レイモンドチャンドラーみたいな骨格の話を青春ミステリ風に見せてると思った方が楽しめる。キャラクターの会話の妙を楽しむ小説だと思う。
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この作家、この間読んだら読みやすかったのでもう一冊。 父親の訃報を受け、実家の前橋に帰ってきた大学生の斎木。駅を降りたところで、中学の頃憧れていた川村さんが最近亡くなったことを知る。川村さんの妹に話を聞くことで、その死に疑問を感じ始める…。 また主人公が「亮」だ。 ミステリ...
この作家、この間読んだら読みやすかったのでもう一冊。 父親の訃報を受け、実家の前橋に帰ってきた大学生の斎木。駅を降りたところで、中学の頃憧れていた川村さんが最近亡くなったことを知る。川村さんの妹に話を聞くことで、その死に疑問を感じ始める…。 また主人公が「亮」だ。 ミステリっちゃあミステリなんだけど、割と昔のアドベンチャーゲームのようにフワフワフラフラとあっちこっちに聞きまわるも手がかりがつかめない状況が長く続く。少なくない登場人物の心象が途中で変わることもなく、決定的な証拠も無くという話である。 最終的には、状況証拠から動機を推理していくこともあり、動機はわからないということはないのが救いだが、なんというか、スッキリするものはない作品である。 ただ、スッキリしなかったのは読み方にも問題が有るのかもしれない。登場人物のほとんどに動機がありえないようでありえ、アリバイなども明らかにされないため、読みながら無意識に犯人を仮定した場合の展開を組み立ててしまっていた。これは失敗だ。 前に読んだ作品でも書いたとおり、動機は横に置いておいて、主人公の振り回されていく過程を楽しむのが、正しい読み方なのだと思う。 でもまあ、最後のアレをこの作者はずっと書きたかったんだろうなということだけはよくわかった。
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流石直木賞候補になるくらいだから文章はうまいし、プロットも良かった。が、主人公が好きになれない。それだけ。
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終始淡々と話しが進みます。 主人公は元不良の三流大学の学生ということですが、感情の起伏があまり無く若者という感じがしませんね。
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若者の苦悩をリアルに描いたミステリー。 主人公がとてつもなく冷めてる。びっくり。 地味すぎる気もする。
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樋口氏らしい、いわゆる「青春ミステリ」の作品。 が、これがデビュー二作目だそうなので、 「らしい」も何も、ここから始まってるのか。 主人公の(樋口氏らしくひねくれた)大学生の男が、 里帰りするところからストーリーは始まる。 駅で偶然にも「元カノの妹」と出会うことで、 この帰省が...
樋口氏らしい、いわゆる「青春ミステリ」の作品。 が、これがデビュー二作目だそうなので、 「らしい」も何も、ここから始まってるのか。 主人公の(樋口氏らしくひねくれた)大学生の男が、 里帰りするところからストーリーは始まる。 駅で偶然にも「元カノの妹」と出会うことで、 この帰省が大きく変わって行くこととなる。 件の元カノは、つい最近事故で死んだと知る男。 紆余曲折の末に、実は事故でも自殺でもなく 誰かに殺されたのでは、という疑いで調査を始める。 樋口氏の特徴として、「肝心なシーンを書かない」 ということが挙げられるのではないかと思う。 いざ「誰かと対決する」ことになったとすると、 相手の元に向かうまでの心象を丁寧に描くが、 次のシーンではもう何日か経っていて、 読者は、登場人物の「その後の行動」から 対決の首尾がどうだったかを類推する。 そんな「芸風」が特徴的な気がする。 また樋口氏の「青春もの」は、女の子がいい。 ひねくれた言動をするのに根は純粋で、 ある意味「理想のツンデレ」的な(^ ^; もちろん、この作品の発表当時には 「ツンデレ」なんて言葉は無かろうが(^ ^; 本作では、「東京からそう遠くない地方都市で 色んな意味で『くすぶってる』連中」が多く登場するが、 そのくすぶりっぷり、ひねくれっぷりの描写がいい。 地理的にも人間関係的にも、狭い範囲内で 密度の高いそんなこんなが繰り広げられていて、 良くは知らんが「地方のリアル」みたいなみのを 感じられる気がする。 もしや作者にとっては不本意かも知れないが、 ストーリーや「謎解き」よりも、 地方都市の「くすぶってる」若者の群像劇として 楽しく読ませていただきました(^ ^
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タイトルから、まさかライトノベルなミステリーだとは、想像できなかった。軽〜い読み物が好きな人にはいいかも。
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前橋を舞台にした青春ミステリー。 まあサクッと読めるし悪くはない。軽いタッチだしミステリーとしては謎解きもほとんどないし、設定も普通か。 元不良少年の主人公がやけにカッコ良くて気障な感じ。 相手役の高校生の千里の台詞で“お袋”を連発しているのがどうも気になって気になって。 いく...
前橋を舞台にした青春ミステリー。 まあサクッと読めるし悪くはない。軽いタッチだしミステリーとしては謎解きもほとんどないし、設定も普通か。 元不良少年の主人公がやけにカッコ良くて気障な感じ。 相手役の高校生の千里の台詞で“お袋”を連発しているのがどうも気になって気になって。 いくら上州弁とは言え、女子高生がお袋なんて使わないだろう。 うーん・・・・。 暇つぶしには良いと思います。
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読み始めてものすごい既視感。読み進めてそれは確信へ。 主人公、斉木亮という名前だけど・・・君、柚木さんでしょう? 絶対柚木さんの学生時代でしょう(笑)。 解説まで読むと、やはりこの『風少女』の設定は、のちにそのまま『彼女はたぶん魔法を使う』に始まる柚木草平シリーズへとつながる・...
読み始めてものすごい既視感。読み進めてそれは確信へ。 主人公、斉木亮という名前だけど・・・君、柚木さんでしょう? 絶対柚木さんの学生時代でしょう(笑)。 解説まで読むと、やはりこの『風少女』の設定は、のちにそのまま『彼女はたぶん魔法を使う』に始まる柚木草平シリーズへとつながる・・・というようなことが書いてあり、ああ、やっぱりなぁ、と思った。 どことなく感傷的で、それでいて乾いたユーモア。どろどろまどろっこしいのに、青くさい爽やかさ。 樋口さんのエッセンスがよく出ている作品だと思う。よくも悪くも、気障ったらしくナイーブで、それでいて女の子が可愛い。主人公はヒロインに翻弄されているようで、実は亭主関白タイプだと思う(男は本音を言わない。だから女の方が勝手に腹を立てて決裂する)。 ミステリーというよりは、青春小説。軽妙な会話を楽しむ作品。
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樋口有介さんの作品の中でも「風少女」は個人的ランキング上位の作品です。 はい、再読です。 ふと読み返したくなったんですよね。
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