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邂逅の森 の商品レビュー

4.4

181件のお客様レビュー

  1. 5つ

    93

  2. 4つ

    56

  3. 3つ

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日本の昔の風景

またぎとして生きていく主人公にあこがれの気持ちが出た。 今ではないような昔の風習の中で精一杯生きる、食べていくために仕事をしていくことは、 今も生活のために仕事をしているが、獲物がとれなかったら飢えるしかないような時代だった。 今は、いろいろなもの守られていて、それを当たり...

またぎとして生きていく主人公にあこがれの気持ちが出た。 今ではないような昔の風習の中で精一杯生きる、食べていくために仕事をしていくことは、 今も生活のために仕事をしているが、獲物がとれなかったら飢えるしかないような時代だった。 今は、いろいろなもの守られていて、それを当たり前のものと享受しているが、それは当たり前じゃない瞬間がくるかもしれない。でもこの時代の人たちは、自分でなんとかする力があると思う。そんな力強さを持って、色々とあったが信念もち続けた男はカッコイイ。

ゆう

気分はマタギ

地味な題材、なじみのない話なのに、ぐいぐいと引き込まれます。 ラストシーンは、もう自分と主人公が同化してました。 読んでみる価値あり。

りえ

直木賞・山本周五郎賞…

直木賞・山本周五郎賞のダブル受賞作。大正から昭和初期におけるマタギの世界を中心に、自然と人間賛歌に満ち、かつ凛とした物語が紙面から溢れ出てくる。ページをめくる手が・・・止まらない。

文庫OFF

波乱万丈のマタギの一…

波乱万丈のマタギの一生を描く直木賞受賞の傑作。ラストシーンはあまりにも壮絶。

文庫OFF

臨場感あふれる描写!

命を懸け、獣と対峙する。荒々しい熊の息遣い、緊迫する空気が伝わってくる……。時は大正、故郷を追われたマタギの青年・富治が主人公。貧しい山村で生きる男たちとそれを支える女たちの、骨太の物語だ。

yoko

2024/05/06

マタギとして生きた松橋富治の熊との闘いの記録である。 明治から大正、昭和初期、山を自然を知り尽くした男たちが山の神を崇拝しながら糧としての山の生き物を狩る。 マタギとは表に出してはいけない裏家業であった時代の人間と熊との闘いは凄まじい。 富治は一本筋の通った男であり、彼にまつわる...

マタギとして生きた松橋富治の熊との闘いの記録である。 明治から大正、昭和初期、山を自然を知り尽くした男たちが山の神を崇拝しながら糧としての山の生き物を狩る。 マタギとは表に出してはいけない裏家業であった時代の人間と熊との闘いは凄まじい。 富治は一本筋の通った男であり、彼にまつわる女たちも素晴らしい。 男と女の愛情をも通して、富治の一生として書かれるこの物語はとても熱く、せつなく、だからこそ熊との闘いが迫力を持って迫ってくる。 以前登った湯殿山、仰ぎ見た月山の風景と共に踏み込んだことのない雪深い山の情景が美しく想像される。

Posted byブクログ

2024/05/04

このゴールデンウィークは、川越→山形→新潟→佐渡へ旅行していた。 暫く本は読めなかったのだが、読みかけていた本がこの本だった。 本当に奇妙な偶然なのだが、山形と新潟の県境近くの話で、ちょうど通ってきた地名が出てくるのだ。 想像しやすいこと、しやすいこと。 私の好みの殺人事件...

このゴールデンウィークは、川越→山形→新潟→佐渡へ旅行していた。 暫く本は読めなかったのだが、読みかけていた本がこの本だった。 本当に奇妙な偶然なのだが、山形と新潟の県境近くの話で、ちょうど通ってきた地名が出てくるのだ。 想像しやすいこと、しやすいこと。 私の好みの殺人事件とかが起こるような小説ではないのだが、読み始めると止まらない凄い魅力のある小説だった。 読んでいると情景がぶわっと頭の中に広がり、どんどん主人公にのめり込んでいく自分が居た。 ブクトモさんの評価もかなり高かったのだが、本当に凄い本だった。 新潟から佐渡に渡るフェリーは2時間半という時間があったのだが、絶対に船酔いするだろうと決め込んで、いつも持っている本は持って行かなかったのだが、全く揺れず(^◇^;) あーーー、往復5時間の読書チャンスをみすみす捨てたかと思うと勿体なさすぎて悔しくなった。゚(゚´ω`゚)゚。 さて、心配された腰痛だが、整骨院の先生のおかげで、無痛!嘘みたいに無痛だった( ̄▽ ̄) 先生、ありがとう!!! 立石寺  1,015段 羽黒山 2,446段 無事上って下りてこられた。良かった╰(*´︶`*)╯ で、纏めると、この本マジで良かった(*^▽^*)

Posted byブクログ

2024/04/21

体験はおろか知ることもできないマタギの話し。こんなにも超人的な人たちがいたのか。めまいすらおぼえる本でした。

Posted byブクログ

2024/04/05

2004年 第31回直木三十五賞受賞 第17回山本周五郎賞受賞 物語に圧倒される体験は、そう何度も経験できるものではありません。 「邂逅の森」は、秋田の貧しい小作農の次男として生まれた男が、マタギとしての生き方を森で学び、マタギとして生き抜こう...

2004年 第31回直木三十五賞受賞 第17回山本周五郎賞受賞 物語に圧倒される体験は、そう何度も経験できるものではありません。 「邂逅の森」は、秋田の貧しい小作農の次男として生まれた男が、マタギとしての生き方を森で学び、マタギとして生き抜こうとした半生の物語です。 驚くほど力強くストーリーに引き込んでしまう文筆力。数ページでこの男の人生に同調してしまう。引きずり込まれてしまうのです。 生まれた村を身分違いの恋を咎められ追われてしまう。ここから男の波乱の人生が始まります。 追われた先の鉱山でも山で鍛えられた心身で働くも 狩猟への想いは彼の奥底に根付いています。 恋人との別れ、結婚、娘の誕生と人生は流れてもマタギへの気持ちは、失われていませんでした。 この作品の前作のタイトルは、「相剋の森」 山との関わりとしてのメッセージになっているのではと思います。相剋は決して剋されるだけではなく、そこから教えられ、鍛えられ、相生への過程となるのではと思います。 山の神への信仰、狩への禊、それは不浄を取り除くのみならず、獲物への敬意。 しばらくは雪山に飲み込まれたような読後感でした。

Posted byブクログ

2024/03/22

 物語に圧倒され、完膚なきまでにやられました。読後の心の震えが止まない程の素晴らしい作品でした。史上初の直木賞・山本周五郎賞W受賞も大納得です。もっと早く読みたかった!と言うか、本作の存在について己の無知を恥じ入ります。  本作は、狩猟を生業とする男(秋田の阿仁マタギ)の物語で...

 物語に圧倒され、完膚なきまでにやられました。読後の心の震えが止まない程の素晴らしい作品でした。史上初の直木賞・山本周五郎賞W受賞も大納得です。もっと早く読みたかった!と言うか、本作の存在について己の無知を恥じ入ります。  本作は、狩猟を生業とする男(秋田の阿仁マタギ)の物語です。先の河﨑秋子さんの『ともぐい』(北海道東の独り猟師)同様、その土地の風土や厳しい自然を熟知し、向き合い続ける者にしか書きえない傑作だと思いました。凄みさえ感じます。  秋田の山間に脈々と受け継がれてきたマタギ。狩猟民俗、マタギ文化の学術的な文献は多々あるのでしょうが、これらの視点を見事に小説に落とし込んだ作品は他に知りません。さらに、戦争や飢饉、貧困での娘の身売りや子の間引き等、当時の時代背景も写し取り、重厚で深みのある物語に仕立てています。  方言の使い方、登場人物の個性の多彩さ、その両面の書き分けが巧みで、物語の面白さに拍車をかけます。男女の獣的な性愛や迫力ある熊との壮絶な死闘‥、いずれの場面描写も見事で、強烈な力で物語に巻き込まれました。  人間は自然とどう向き合うべきか? これは時代が変わっても大きな課題です。間違いなく本作は、望ましい生命・自然観の一つの解を提示してくれている気がします。  大正から昭和初頭、紆余曲折を経ながら、マタギを生業とした一人の男の人生・生き様を、揺るぎない筆致で真正面から描き切った感動作でした。 発掘本として、絶賛推します!

Posted byブクログ