堕落論 の商品レビュー
大学の先生に勧められて実家から引っ張り出してきた本。 難しかった、というか正直読み進めづらく感じたが、飛ばしながらも坂口安吾の考え方に少し触れられた気がする。 鋭い指摘をする人、それも古くからある美徳とされていることに対しては強烈に懐疑の眼を向ける作家なのだと感じた。 -- ...
大学の先生に勧められて実家から引っ張り出してきた本。 難しかった、というか正直読み進めづらく感じたが、飛ばしながらも坂口安吾の考え方に少し触れられた気がする。 鋭い指摘をする人、それも古くからある美徳とされていることに対しては強烈に懐疑の眼を向ける作家なのだと感じた。 -- 〇「恋愛論」より気になった言葉 私たちの小説が、ギリシャの昔から性懲りもなく恋愛を堂々めぐりしているのも、個性が個性自身の解決をする以外に手がないからで、何か、万人に適した規則が有って恋愛を割りきることができるなら、小説などは書く要もなく、また、小説の存する意味もないのである。 恋愛は人間永遠の問題だ。人間ある限り、その人生の恐らく最も主要なるものが恋愛なのだろうと私は思う。人間永遠の未来に対して、私が今ここに、恋愛の真相などを語りうるものでもなく、またわれわれが、正しき恋などというものを未来に賭けて断じうるはずもないのである。 ただ、常識、いわゆる醇風良俗なるものは真理でもなく正義でもないということで、醇風良俗によって悪徳とせられること必ずしも悪徳ではなく、醇風良俗によって罰せられるよりも、自我みずからによって罰せられることを怖るべきだ、ということだけはいい得るだろう。
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坂口安吾「堕落論」読了。“人間は可憐であり脆弱であり、それ故愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる。”堕ちゆく事は是としながらもそれすら簡単にはいかない。そんな不条理が孕むからこそ生きていく事が愉快であり大切なんだと説く安吾の思いに魅了された。混沌な状況に一筋の道を垣間見た...
坂口安吾「堕落論」読了。“人間は可憐であり脆弱であり、それ故愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる。”堕ちゆく事は是としながらもそれすら簡単にはいかない。そんな不条理が孕むからこそ生きていく事が愉快であり大切なんだと説く安吾の思いに魅了された。混沌な状況に一筋の道を垣間見た。
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生活に目を向けた評論 形而上学的なことよりも、実質を重視する、機能主義的な考え方が通底している 無頼派と言われる所以が詰まっていた 悪妻論なども面白かった 不良少年とキリストには、胸が熱くなった
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本作は難解で私には難しく感じましたが坂口さんは時に面白いエッセイのような本を書いたり知的な本を書いたりと本当にバラエティーに富んでいる方なんだなと思いました。
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難しかった〜 結局何を言ってるのか、自分の頭の中で整理しないと理解できない。 私の解釈では、 人間は本来堕落していく生き物であって、それは規則なんかで防げるものではなく、落ちるところまで落ちた後に、自分で自分を掬い上げて行くしかないのだ。 っていうところまでしか分からなかった。 ...
難しかった〜 結局何を言ってるのか、自分の頭の中で整理しないと理解できない。 私の解釈では、 人間は本来堕落していく生き物であって、それは規則なんかで防げるものではなく、落ちるところまで落ちた後に、自分で自分を掬い上げて行くしかないのだ。 っていうところまでしか分からなかった。 戦時中の人間はキラキラしてた的な話は何を言いたいのか結局よくわからなかった また今度もう一回読もう
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堕落した先に、真実の幸福がある。 どっちにしたって、人間は堕ちきれるほど強靭な精神を持ち合わせちゃあいない。 欲望に誠実に、厭なことを厭だと言う。 デカダン文学というものを初めて読んだ。 思えばクリムトも好きな自分は、通ずるものがあるのを感じるかのように、嫌いになれない内省的な...
堕落した先に、真実の幸福がある。 どっちにしたって、人間は堕ちきれるほど強靭な精神を持ち合わせちゃあいない。 欲望に誠実に、厭なことを厭だと言う。 デカダン文学というものを初めて読んだ。 思えばクリムトも好きな自分は、通ずるものがあるのを感じるかのように、嫌いになれない内省的な語り口。 頽廃的だが、大事なのは詰まるところ、正直になれよってことか。 真実に生きて、私自身で生きる。 幼稚に聞こえるけど、幼稚なままで生きるには世の中苦しい。欲求のまま生きることは苦しい。でも結局、人間は苦しみを求めて生きてるんじゃあないのっていう。
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くらっちゃうよね。思想の力強さも、文章の無駄のなさも虜になってしまう。 永遠はありえない、歴史に必然性はなく、人は人格を有する。そういったことを突き詰めて、実行したのが彼の生き方だったのだろう。 名作と呼ばれる本ばかり読んでいても、浅い人間になりそうだけど、この作品に出会えて素直に感動している。
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自らの思う所を、いかにも作家らしい書き口で展開されるのが評論という印象であり、坂口安吾も歯に衣着せぬ口調で表している。 その中でも特に印象に残る書き口が、「堕ちきる」という表現である。これは単に受動的に堕落していくのではなく、自ら堕ちていこうとする意志が必要になることを表現しているように思える。ただ漫然としていては、堕落することもできない人間の半端な部分をうまく捉えているようにも思えるこの一言が、非常に印象的だった。
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京都の寺や奈良の仏像が全滅しても困らないが、電車が動かなくては困るのだ。 親子二人恭しく拝礼していたが、得体の知れぬ悲願を血につなごうとしているようで、痛々しかった。 人間の、又人性の正しい姿とは何ぞや。 欲するところを素直に欲し、厭な物を厭だと言う、要はただそれだけのことだ...
京都の寺や奈良の仏像が全滅しても困らないが、電車が動かなくては困るのだ。 親子二人恭しく拝礼していたが、得体の知れぬ悲願を血につなごうとしているようで、痛々しかった。 人間の、又人性の正しい姿とは何ぞや。 欲するところを素直に欲し、厭な物を厭だと言う、要はただそれだけのことだ。 好きなものを好きだという、好きな女を好きだという、大義名分だの、不義は御法度だの、義理人情というニセの着物をぬぎさり、赤裸々な心になろう、この赤裸々な姿を突きとめ見つめることが先ず人間の復活の第一条件だ。 元より人間は思い通りに生活できるものではない。愛する人には愛されず、欲する物は我が手に入らず、手の中の玉は逃げだし、希望の多くは仇夢で、人間の現実は概ねかくの如き卑小きわまるものである。 私はあなたの肉体を考えるのが怖しい、あなたに肉体がなければよいと思われて仕方がない、私の肉体も忘れて欲しい。 そして、もう、私はあなたに二度と会いたくない。誰とでも結婚して下さい。私はあなたに疲れた。私は私の中で別のあなたを育てるから。 淳風良俗によって罰せられるよりも、自我みずからによって罰せられることを怖れるべきだ。 恋愛は、人生の花であります。いかに退屈であろうとも、この外に花はない。 一般に人々は、古い習慣や道徳に自我の欲望を屈服させ同化させることを「大人らしい」やり方と考え、そういう諦めの中の静かさが本当の人間の最後の慰めであり真善美を兼ね備えたものだという風に考えるのだ。 私も不幸にして、そういう考え方のできない生まれつきです。 我々の陰鬱なる家庭は決してしかくあくまで守らねばならぬ値打を持つものではないだろう。 我々の家庭は外形内容ともに尚多くの変貌変質すべき欠陥があり、家庭の平穏に反することが直ちに不道徳を意味することは有り得ない。 歴史というお手本などは生きるためにはオソマツなお手本にすぎないもので、自分の心にきいてみるのが何よりのお手本なのである。 自分という人間は、全くたった一人しかいない。 そして死んでしまえばなくなってしまう。はっきり、それだけの人間なんだ。 一時的に自分を忘れられるということは、これは魅力あることですよ。たしかに、これは、現代的に偉大なる魔術です。 第一、ほんとに惚れて、死ぬなんて、ナンセンスさ。 惚れたら、生きることです。 然し、生きていると、疲れるね。
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大好き大好き大好き。大っ嫌いな高校で唯一の思い出と言っても過言ではないもう名前も忘れてしまった革命的な現代文の教え方をしてくれる大好きなおじいちゃん先生(イケメン)が坂口安吾推しでずっと覚えてた。大学入ってすぐ読んだけどそこまで響かなくて、25になって読んだ今大声で叫びたいぐらい...
大好き大好き大好き。大っ嫌いな高校で唯一の思い出と言っても過言ではないもう名前も忘れてしまった革命的な現代文の教え方をしてくれる大好きなおじいちゃん先生(イケメン)が坂口安吾推しでずっと覚えてた。大学入ってすぐ読んだけどそこまで響かなくて、25になって読んだ今大声で叫びたいぐらい楽しかった。角川のKindleやけど60パーぐらいまでのまさに堕落論らへんが最高。太宰治も宮沢賢治も好きじゃないんだけど(むしろ嫌い)小林さんとかもちょっと読んでみようかという気になった。個人的に、宮本武蔵の後悔の話と「ない方が美しいからと取り除いた柱さえない」という表現と日本の妖怪の話と自由というものがいかに痛苦に満ち溢れているかという芸術の話が好きです大好きです
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