放屁という覚醒 の商品レビュー
先日読んだ『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(奥野 克巳著)に引用された文章がおもしろかったので読んでみた。 「おなら」を体内に吹く風と呼び、それは自然現象であると同時に社会現象でもある。という語り口がおもしろい。しかし、中盤以降は話があ...
先日読んだ『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(奥野 克巳著)に引用された文章がおもしろかったので読んでみた。 「おなら」を体内に吹く風と呼び、それは自然現象であると同時に社会現象でもある。という語り口がおもしろい。しかし、中盤以降は話があっちこっちに飛びがち。最初はおもしろく読んでいた語り口も、著者が自分の文章に酔っているように感じて食傷気味に。 ただ、アフリカでおならが想像以上に禁忌なことや、狩猟採集民にはおならに対する禁忌がない、という記述は先の『ありがとうも・・・』と話が重なって興味深い。ガマンしたおならは血液に吸収されて呼吸から排出されるなんて初めて知った。オナラ我慢すると体に悪そうだけど、どうなんだろ。
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「文明人を慨嘆させて深い無力感を抱かせる自然現象は、他の何にもまして風である」。ここでいう「風」とは体内を吹き抜ける「風」。つまりは「屁」のことである。のっけから大納得である。作者は文化人類学者で長年にわたるアフリカ(ケニア)でのフィールドワークで、かの地で「放屁」が忌み嫌われて...
「文明人を慨嘆させて深い無力感を抱かせる自然現象は、他の何にもまして風である」。ここでいう「風」とは体内を吹き抜ける「風」。つまりは「屁」のことである。のっけから大納得である。作者は文化人類学者で長年にわたるアフリカ(ケニア)でのフィールドワークで、かの地で「放屁」が忌み嫌われていることを知る。「屁」ひとつで、ここまで深く物事を考え、また文章化できることに、素直に脱帽である。
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