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ひきこもりの国 の商品レビュー

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2015/02/06

☆「引きこもり」という現象は単なる個人の資質や能力に起因するものではなく、空気を読むことや周りと同じことを強要する同調圧力という日本特有の文化や社会構造よるものとする、アメリカのジャーナリストが描く現代日本社会の分析本。キリスト教宣教の歴史に触れた13章では、社会的な混乱の最中で...

☆「引きこもり」という現象は単なる個人の資質や能力に起因するものではなく、空気を読むことや周りと同じことを強要する同調圧力という日本特有の文化や社会構造よるものとする、アメリカのジャーナリストが描く現代日本社会の分析本。キリスト教宣教の歴史に触れた13章では、社会的な混乱の最中で急速にプロテスタント教会が韓国で発展した背景には、経済的な階級を超えた一般大衆に浸透したキリストの福音、そして専制政治と軍事独裁と戦う市民社会があったとし、日本の教会及び市民社会の意義を問う上での示唆を多く与えてくれる。森田先生の推薦文より

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2012/11/08

ポップな文体で読みやすい。最終的に日本の不況は宗教に起因するという結論が全てではないと思うが納得できる部分もある。 日本のどこに不況の原因があるのか、ひきこもりという現象を通して客観的にみれるというのはおもしろい。

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2012/03/25

 汐見稔幸先生から紹介された本で、日本の若者、特に男子の引きこもりの他国にない多発の特性、そして、日本という国が、アメリカという母親に息苦しいほどに抱擁されているがために、グローバル化の中で引きこもりに陥っていることが書かれている。  日本の近代化と民主主義の未熟さの関係のように...

 汐見稔幸先生から紹介された本で、日本の若者、特に男子の引きこもりの他国にない多発の特性、そして、日本という国が、アメリカという母親に息苦しいほどに抱擁されているがために、グローバル化の中で引きこもりに陥っていることが書かれている。  日本の近代化と民主主義の未熟さの関係のように、納得のいく面もあるが、経済問題に関する部分では一面的に規制緩和や改革を賛美している感があり、やや疑問を持つ。  韓国の今日の発展と、徴兵制の存在への評価は正しいのだろうか。  全般的には、今日的課題を考えるための大きな問題提起がされていると思う。

Posted byブクログ

2009/12/24

確かに日本において自殺が多いのは、その文化的素地や厳しい社会規律とは無関係ではないかもしれない。しかし、本書はいわゆる欧米キリスト教からの一方的な価値観から見たものであり、公平の観点から見たものとはいえない。 読んで為になる内容とは言えなかった。

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2009/10/04

ネオリベのダメ押しダメ押し・・・・・。海外から来た日本特派員ということだけあり、外から日本を切り取ることで的確に日本という空間に存在する欠点と、それを原因とする精神問題に関する指摘はたしかに内側からでは分からないものがあるから、有益な情報ではある。それに、日本の変革は常に外圧によ...

ネオリベのダメ押しダメ押し・・・・・。海外から来た日本特派員ということだけあり、外から日本を切り取ることで的確に日本という空間に存在する欠点と、それを原因とする精神問題に関する指摘はたしかに内側からでは分からないものがあるから、有益な情報ではある。それに、日本の変革は常に外圧によるものだという指摘ももっともだ。だが、この手のお話はすでに議論されまくってる(にもかかわらず相変わらずなのは確かに大問題であり、その点に関してジーレンジガー氏に大いに共感する。)から新しい事を言っているわけではない。新しいことといえば、その問題の打開方法をネオリベとキリスト教を広めることに求めているということだ。なんともアメリカ人らしい。氏は規制緩和によって日本人の年間自殺者数が1万人増えてたということをご存じないのだろうか?ネオリベも日本の精神問題を悪化させている虫の一種であるのである。氏が取材した人間たちは全て中産階級か高学歴の人間であり、それではほんの一部のことしかわからないのは当たり前のことである。 おそらく氏はあらかじめ日本に偏見を持ってから来日したのだと思われる。偏見がなければ一つくらい良いことが挙がってもいいものだが、日本人の髪の先から爪の先までコテンコテンに批判している。繰り返すが、ごもっともな指摘であることには違いない、だがおおよそあらかじめ持っていた偏見を固めるように例をあげていったような感じは全然否めない。そしてそれをネオリベとキリストに結び付けようとするのだから、日本の心配をしているというよりも、アメリカを守るための論文であるような気がしてならない。黒船本だ。 ネオリベの弱点を一切述べようとしないのと、ネオリベによって混乱に陥るアメリカの状況からほとんど目をそむけているのが本書の特徴でもある。氏によればいまだアメリカは夢の国であり、誰にでも挽回のチャンスがある制度の整った国であるそうだが、同じ名のマイケル・ムーア氏のドキュメンタリーを見れば、決してそんなことはないということが明白である。結局のところ小さくなりすぎた政府に弱者を救う力などないのだ。アメリカでは、日本のように精神的な排他性があるのではないが、システムとしての排他性が存在するのである。もし、今の日本がアメリカ型の社会の化したのなら、精神・システムともに排他的となりどんな混乱が起こるのか想像もつかない。 ならばその排他性をキリストによって解決しようじゃないかと言うが、キリスト教だって十分排他性を帯びているということは歴史を見れば明白だ。イラク戦争によってアメリカに住むイスラーム人たちが宗教的に差別を受けたことをもう忘れてしまったのだろうか?世界の8大先進国のうち7カ国(日本以外ってこと)がキリスト教国家であるが、それはキリスト教の排他性によって他宗教を蹴散らしていった結果ではなかろうか?たしかに日本がキリスト教国家となれば、そこに社会的包摂が生まれ、連帯が強まり、グローバル社会に溶け込むかもしれないが、それは日本伝統の価値観宗教観をすてろということであり、それを外国からあれこれ言われるような筋合いはない。(だが日本人が都合のいいことは自力本願であり、都合の悪いことは他力本願である利己性は否定できない。その点において宗教の不在というのは大きな問題であり、これは日本国内でしっかりと議論されるべきだ。) また日本と韓国の宗教観が似ていて、違うのはキリスト教が多数いることであり、それが韓国を良い方向に導いているのだという論があるが、日本は多神教であり、韓国はそうではないことも指摘しておく。それを解せず日韓の文化を比較するのはあまりに不十分だと思う。 うなずけることも多くある、しかしあまりに独善的ではなかろうかと思う点の多い本であった。

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