生、死、神秘体験 の商品レビュー
立花氏の手による既刊記事の寄せ集めだが,章によっては非常に面白かった。 とくに河合隼雄氏との対談,遠藤周作氏との2回目の対談,そして脳死判定をめぐる立花氏の批判をめぐる,医師・哲学者との鼎談が良い。 手を加えれば確実に良くなる具体的な提案をなぜ黙殺するのか,との立花氏の指...
立花氏の手による既刊記事の寄せ集めだが,章によっては非常に面白かった。 とくに河合隼雄氏との対談,遠藤周作氏との2回目の対談,そして脳死判定をめぐる立花氏の批判をめぐる,医師・哲学者との鼎談が良い。 手を加えれば確実に良くなる具体的な提案をなぜ黙殺するのか,との立花氏の指摘に対し,原則を厳しく明文化すると,さまざまな不確実さとともに医師の裁量で行われてきた行為そのものが白日のもとに引きずりだされ,厄介なことになるから,という応答には納得感があった。そうなれば,医師の意思決定や医療に対する社会全体の認識を改める荒治療が必要になるが,本当にそれができるのか,という。
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立花隆が、生と死をテーマに10人の研究者や作家たちとの対話をおこなっています。対話相手を務めるのは、山折哲雄、荒俣宏、河合雅雄、養老孟司、遠藤周作、カール・ベッカー、河合隼雄、岡田節人、中川米造、中村雄二郎です。 立花の他の著書とは違い、研究者へのルポではなく対話篇となっている...
立花隆が、生と死をテーマに10人の研究者や作家たちとの対話をおこなっています。対話相手を務めるのは、山折哲雄、荒俣宏、河合雅雄、養老孟司、遠藤周作、カール・ベッカー、河合隼雄、岡田節人、中川米造、中村雄二郎です。 立花の他の著書とは違い、研究者へのルポではなく対話篇となっているので、立花自身もみずからの考えを積極的に語っています。とくに荒俣宏や遠藤周作といった作家との対談では、対話相手の方が柔軟な対応を示しているせいか、立花の方がまとまった考えを持ち出すような場面も見られて、興味深く読みました。 ただ個人的には、臨死体験に関する具体的な報告をおこなっているものの、やや性急にそれを意味づけようとしている姿勢が見られたのが少し残念に感じました。とくにカール・ベッカーとの対話では、その点についてもっと掘り下げてほしかったのですが、議論が拡散して少しまとまりに欠けるような印象を受けました。
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対談によって 浮かび上がる行間がスリリング。 対談相手が山折哲雄氏、荒俣宏氏、養老孟司氏、遠藤周作氏、河合隼雄氏、といった そうそうたるメンツ。 幅広い 時空の さまざまな視点からの眺めを 存分にお楽しみください。
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人はどの段階から生きていると見なされ、どの段階から死んでいると見なされるのか。 脳死という現代が作った状態は、同時に臓器移植という問題も発生させた。本書が執筆された当時と違い、再生医療の発達によって臓器移植の観点からの脳死問題の意義はだんだん薄れていくだろう。しかし、脳の仕...
人はどの段階から生きていると見なされ、どの段階から死んでいると見なされるのか。 脳死という現代が作った状態は、同時に臓器移植という問題も発生させた。本書が執筆された当時と違い、再生医療の発達によって臓器移植の観点からの脳死問題の意義はだんだん薄れていくだろう。しかし、脳の仕組みについてはむしろこれからの科学の最大のテーマになり得るであろうし、同時に倫理とバイオテクノロジーの衝突は人間とは何か、生とは何か、死とは何かについての新たな問題を生み出すだろう。
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人は一瞬で死ぬわけではない。死ぬにもプロセスがある。ではどこまでが生きていて、どこからが死んでいるのか、その見極めが必要になっている。それは、臓器移植に伴う脳死の問題だ。 しかし、厳密に、生と死の境界を引くのが難しい。なぜなら、人類は「生命」というコスモスの探求を後回しにしてきた...
人は一瞬で死ぬわけではない。死ぬにもプロセスがある。ではどこまでが生きていて、どこからが死んでいるのか、その見極めが必要になっている。それは、臓器移植に伴う脳死の問題だ。 しかし、厳密に、生と死の境界を引くのが難しい。なぜなら、人類は「生命」というコスモスの探求を後回しにしてきたからだ。 生と死をとらえるというのは、生命をとらえることであり、生命観の問題になってくる。この問題をテーマに、各分野の識者と対談したのが本書である。登場するのは、作家・遠藤周作、サル学・河合雅雄、解剖学・養老孟司、心理学・河合隼雄など、蒼々たる顔ぶれだ。 20世紀、人類は宇宙へ行くテクノロジーを手に入れた。その一方で、テクノロジーに振り回され、押しつぶされつつある。21世紀は、小宇宙である生命を探求しなければならない。
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現代の知の巨人・立花隆が脳死にまつわる諸問題をきっかけに 「死」とは何か、「存在」とは何かに迫ろうとする対談集。 対談する相手もこれまた知の巨人ばかり。感服の一冊。
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3年くらい前に読みかけた本...。 こういった分野に少し興味があったので同著者の「脳死」とセットで読んでみたんだけど 完全な力不足、読解力とか以前の問題で僕には難解すぎてわからなかった。 もっと漠然とした概念てきな事が書いてあるのかと期待してたけど、全くのリアル、学者の世界。 立...
3年くらい前に読みかけた本...。 こういった分野に少し興味があったので同著者の「脳死」とセットで読んでみたんだけど 完全な力不足、読解力とか以前の問題で僕には難解すぎてわからなかった。 もっと漠然とした概念てきな事が書いてあるのかと期待してたけど、全くのリアル、学者の世界。 立花隆ってほんといくつもの分野で専門学者なみの研究をしてて驚く。
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