不運な女神 の商品レビュー
やっと読み終わったー どろどろどんよりしとりそうで気分が乗らないと読めない部類やと思っとったけど、読んでみると意外とあっさり潔い内容で読みやすかったです。
Posted by
【本の内容】 「いいことの数は決まっていて、誰かが余計に手にすれば、誰かがあぶれる」。 駆落ちした相手に逃げられたり、死んだ夫の連れ子と姑に手を焼かされたり…。 とことん男運に恵まれないヒロインたちが、恋に翻弄され、揺れ動きながらも、何かをつかみとっていく姿を描く。 情感あ...
【本の内容】 「いいことの数は決まっていて、誰かが余計に手にすれば、誰かがあぶれる」。 駆落ちした相手に逃げられたり、死んだ夫の連れ子と姑に手を焼かされたり…。 とことん男運に恵まれないヒロインたちが、恋に翻弄され、揺れ動きながらも、何かをつかみとっていく姿を描く。 情感あふれる八つの恋愛短篇。 [ 目次 ] [ POP ] 損をしていると思った。 「恨んでも、憎んでも、愛してる」この本の帯が邪魔なのだ。 8つの連作それぞれに異なる女のそれぞれの人生がある。 揃いも揃って「幸せ」とは言いがたい。 家計を楽にするはずのパートの主婦は生活に疲れ、娘が初潮を迎え、同居する母親の痴呆に気を揉む世代。 もう色恋に奔走する年ではない彼女らの人生の分岐点に悔しいかな「男」がいる。 男女同一賃金、男性の育休取得…そんな世代に生きていても「男に人生を明け渡している」感はぬぐえない。 しかし、「惚れた腫れた」を過ぎてからの女の強さが本書の醍醐味だ。 選ばれたかのように自分にばかり不運が訪れることを嘆き、「どうして私じゃなかったんだろう」と自虐していた女たちの胸のすくような立ち上がり方。 離婚、シングルマザーの道を経た山下久美子が「手を伸ばして何かを掴むんだ」と解説で言い放つ。 女であることの幸せを享受しつつ、更にもう1歩を踏み出したくなる。 「不運な女神」は恋愛小説を超えた女の物語だ。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
Posted by
連作というか登場人物が少しずつ繋がる連作集。一気に読むのが吉。途中であけたら没入感が無くなってしまい若干後悔。 こういう連作ものは世界観が複層的になるので大変好み。素晴らしいです。
Posted by
好きな重さだったけど、 こうも続くと元気なくなる。 すごいなぁ。 ここまで心の断片を包み隠さず、口に出してない部分も含めて言葉にできるなぁ。
Posted by
唯川恵の小説始めて読みました。 はっきり言って苦手。 中年の生々しいようなぬるいような生活をグイグイと目の前に押し付けられるような気になりました。 「道連れの犬」 ハゲで特にハンサムでもない奥手ぶったむっつりスケベ野郎と駆け落ちした女の人の話。 自分の旦那とその男の元妻を振り...
唯川恵の小説始めて読みました。 はっきり言って苦手。 中年の生々しいようなぬるいような生活をグイグイと目の前に押し付けられるような気になりました。 「道連れの犬」 ハゲで特にハンサムでもない奥手ぶったむっつりスケベ野郎と駆け落ちした女の人の話。 自分の旦那とその男の元妻を振りほどいて逃げてきたら、自分も同じ思いをするに決まってんだろと思ってしまった。 軽くも重くもない退屈な話。。。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
不幸な女性をたくさん記述している。 別冊文藝春秋とオール読物に掲載したもの。 2001年から2003年。 初めの数題は、前の話の脇役が、次の話の主役になって、関連した話しになっている。 唯川恵の腕が鳴っている。 どんなに不幸な人間を主人公にしても、 誰かを恨んだりすることがあっても、 犯罪をひょっとしたら犯すことになるかもしれなくても、 人間性を持っていようとする意思を感じる。 どんなに運が悪くても、 人間として生き、 人間として暮らし、 社会の片隅になっているか、社会を支えている。 どうしてここまで丁寧な思いを綴ることができるのだろう。 自分と違うのであれば、雑な記述になるかもしれない。 自分と同じであれば、怨念が先立つかもしれない。 淡々と、包み隠さず、騒ぎ立てず、 悲しいことは悲しく、 嬉しいことは嬉しく、 始めがあって終わりがある。 そんな著者に敬意を表したい。
Posted by
題名通り、不運な女性達の連鎖。自分の立場が違うと、人の見方も全く変わってしまう。でも、根底に流れる思いは一緒かも。
Posted by
まるでノンフィクション。 とことん男運に恵まれないヒロインたちが、恋に翻弄され、揺れ動きながらも、何かをつかみとっていく姿を描く。情感あふれる八つの恋愛短編。 このように紹介されていましたが、私としてはこの紹介のされ方は相応しくないと思います。 だいたい、男運に恵まれないっ...
まるでノンフィクション。 とことん男運に恵まれないヒロインたちが、恋に翻弄され、揺れ動きながらも、何かをつかみとっていく姿を描く。情感あふれる八つの恋愛短編。 このように紹介されていましたが、私としてはこの紹介のされ方は相応しくないと思います。 だいたい、男運に恵まれないっていう表現が違うのでは?と。 運に恵まれる恵まれないじゃなく、その人を選んだのは自分自身。 そんなこと言われなくてもわかってるわ、それくらいの強さがある主人公ばかりでした。 だからこそ、小説として成り立っているのだと思います。 個人的には、「不運な女神」「ドール・ハウス」「帰省」がお気に入りです。 どうして大切なものが一つじゃないんだろう。 もし一つだけだったら、どんなに幸せなことか。 当たり前だけど、“みんな幸せ”なんてあり得ないんだよね。 みんな誰かを傷つけて、誰かに傷つけられて生きているんだよね。 なるべくそんなことないといいんだけど。
Posted by
男ってみんな浮気するものなのかなあと思わされる(苦笑)そういう男をつかんでしまう女の人ばかりの物語。でも自分の身に降りかかる可能性もなくはないよね…
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
駆け落ち相手に逃げられたり、再婚相手と死別して夫の連れ子と姑と暮らさなければならなかったり、男運に見放され、残された状況に翻弄されながらも次のステップへと踏み出していく女性を描いた8つの短編。 それぞれの主人公は別の物語の中で登場したり、関係者がいたりと微妙につながっていて、同じシーンが別視点で語られるときもある。するとその時見えなかった想いや景色が現れたりする。。。 夫と離婚寸前の主人公とかつて主人公が夫を奪い取った前妻との手紙のやりとりを書いた「枇杷」の終わりがみずみずしくて好きだ。
Posted by