薬子繚乱 の商品レビュー

三木一郎【著】

2019/06/06

筆者が自分で言ってる通り、漢字漢語の多い文章だが、文脈で充分意味を取れる…と言うかむしろ、舞台設定に合った世界作りを助けてる。
種継を射殺した奴・土麻呂とその子達とか、薬子の娘の予知能力とか、薬子の母の家・錦部家といった架空の設定が効いていて、史実とは違う別の物語世界を豊かにしている。
三枝和子 『薬子の京』の半分の分量だから(それでも種継暗殺から薬子自殺まで…って、扱う時期はなぜか同じ)色々端折られているけど、かえって読み易いかも。