バリアをこえて の商品レビュー
長らく広島を中心にろう運動に関わってこられた著者が、これまで様々な雑誌等で執筆したものを集めてできた本書。 1969年の記事から始まる本書は、ろう運動の歴史や広島におけるその活動状況を如実に伝えてくれます。また、当時の時代背景や、当時のきこえない人たちが何を望んでいたのか。本書...
長らく広島を中心にろう運動に関わってこられた著者が、これまで様々な雑誌等で執筆したものを集めてできた本書。 1969年の記事から始まる本書は、ろう運動の歴史や広島におけるその活動状況を如実に伝えてくれます。また、当時の時代背景や、当時のきこえない人たちが何を望んでいたのか。本書はろう運動を歴史的視点で見るための心強い一助となってくれるのではないでしょうか。 短い記事が集まってできているので、1つの記事が2ページ前後で読みやすいです。 ろう運動が衰退する現在において、ろう運動を再考するために、もう一度ろう運動そのものを根本から考えてみる必要があるのだと思いました。 「手話はだれでも一定レベルに到達できるものですが、大切なことは手話技術の前に、手話、ろう者の歴史的背景を充分に理解していただきたいと思います。このことを多数の手話通訳者と共により多数の方々に伝えたいのです」(p82)
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