毒草師 の商品レビュー
『ポンツーン』で連載された『鬼一口』を改題し、単行本化したもの。連載を追いかけて読もうとしたのですが、途中でやめてしまい、気が付いたら本が発売されていました。と言うわけで、単行本で一気読み。同作者の『QEDシリーズ』にも登場する自称「毒草師」御名形史紋が登場し謎を解く。『QEDシ...
『ポンツーン』で連載された『鬼一口』を改題し、単行本化したもの。連載を追いかけて読もうとしたのですが、途中でやめてしまい、気が付いたら本が発売されていました。と言うわけで、単行本で一気読み。同作者の『QEDシリーズ』にも登場する自称「毒草師」御名形史紋が登場し謎を解く。『QEDシリーズ』の探偵役であるタタルさんも相当に変人ですが、御名形さんはさらに奇人変人という気がしました。何というか周りと会話が成り立たない感じの人。私はあんまりお近づきにはなりたくないタイプだな、と思いました。御名形さんの隣人西田君は、結構彼に気に入られているようでしたが。それにしても西田君はすごくお人好しだと思う。他人をすぐに信用しちゃうし。私だったら御名形さんがくれた薬草茶なんて絶対に飲まないと思う。だって「毒草師」を名乗ってる人だし、見た目も怪しすぎるし、そんな人がくれたものを疑いなく口を付けるなんて絶対無理!!と思いました。西田君、すごいよ。あと、話の中に『伊勢物語』が出てくるのですが、高校生の時に岩波文庫版を現代語訳させられたことなどを思い出しました。『伊勢物語』はその後一度も読んでないのに、自力で訳したせいか、よく覚えていて今回の話はすんなり読めて楽しかったです。学生時代の勉強って無駄じゃないんだなと思いました。ただ、この本に出てくる『伊勢物語』の解釈にはへえ、そうなのかと新しい発見があって驚きましたが。それから、あまり本筋には関係ないのですが、家政婦の規子さんと、西田君の名前真規って同じ字が使われているので、何か関係があるのかななどと深読みしてしまったので、できれば違う漢字で名前を付けて欲しかったと思いました。単なる私のわがままかもしれませんが。でも、シリーズ化してほしいくらい面白かったです。シリーズ化希望!!
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