世界の宗教が面白いほどわかる本 の商品レビュー
著者は真宗の僧侶で、宗教学を大学で教えている人。序文の内容に共感し、古本屋で衝動買い。”信仰とは何か?”についてのくだりは、共感できない部分も多少あるものの仏僧として自身の内面と向き合った真摯な内容で学ぶところも多かった。肝は第四章だと思う。説教臭いが、現代の日本人が持つ宗教への...
著者は真宗の僧侶で、宗教学を大学で教えている人。序文の内容に共感し、古本屋で衝動買い。”信仰とは何か?”についてのくだりは、共感できない部分も多少あるものの仏僧として自身の内面と向き合った真摯な内容で学ぶところも多かった。肝は第四章だと思う。説教臭いが、現代の日本人が持つ宗教への馬鹿らしい偏見に対する反論になっている。ただ第二章では特に顕著だが、執筆当時に流行した安っぽい「多神教優位論」がちらほら見られるのはとても残念である。
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『宗教』というと胡散臭い感じがする人が多いと思いますが、この本は世界に数多ある宗教を分類し、分析し、今後の宗教のあり方を検討する内容になっています。 私自身は、高校が浄土宗の学校で、実家が浄土真宗大谷派ですから、仏教および浄土宗・浄土真宗に関する知識は若干ありましたが、非常に...
『宗教』というと胡散臭い感じがする人が多いと思いますが、この本は世界に数多ある宗教を分類し、分析し、今後の宗教のあり方を検討する内容になっています。 私自身は、高校が浄土宗の学校で、実家が浄土真宗大谷派ですから、仏教および浄土宗・浄土真宗に関する知識は若干ありましたが、非常に分かりやすく、冷静に書かれている本だと思いました。読み易い分、軽い感じは否めませんが。。。 第1章では、一神教と多神教の本質的な違い。その違いによって引き起こされる政治闘争と戦争。そのメカニズムを解説し、分析した上で、主要な宗教の概要を説明しています。 第2章では、日本の宗教についてを考察します。これには日本における宗教史が含まれます。神道、仏教、キリスト教を扱い、神仏習合論や、キリスト教が日本でマイナー宗教である理由について述べられています。 第3章では、「信仰」についての考察が展開されます。ここでは、一般に言われる「信仰心」と、本来的な信仰のギャップが示され、正しい信仰は人の心の拠り所と「なり得る」ことを示します。絶対に拠り所になるとは言わないところが、理性的な態度であり、好感を持てるところです。 第4章では、宗教が現代社会で果たす役割と、その成果が出せるのかについて考察しています。宗教というツールをつかって、本当の幸せとは何かを考えているといった方がいいかもしれません。いわゆる新興宗教にも触れてはいますが、多くは語られません。この点は踏み込みが足りないなと、不満が残りました。 本書は、宗教を学問的見地から解説しています。多くの方が宗教=怪しいとかセレモニーとしての感覚しかないと思いますが、そうではないんだということを分かり易く説明している本です。 高校で倫理を選択されていると気づかれるかもしれませんが、宗教とは「死」ではなく「生」を扱うものです。いかに生きるか?生き方をつきつめて考える哲学の一種だと、私自身は捉えています。 ビジネス書や、人生論、哲学の好きな方は、一度読まれると頷くところがあると思います。ただし、かなりこの分野を読み込まれている人だと、ノリが軽いので、物足りなさがあるかもしれません。 ちなみに、私にとっての本書での収穫は、内村鑑三が非常に機知に富んだ言葉を残していることを知ったことでした。内村鑑三の一次資料もいつか読みたいと思います。
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★読む目的 ! 宗教とはなんぞや! ★INPUT ・宗教の意味は、一人一人の心の中で常に神や仏と生きようとするところにある。日常生活の中につきまとう多くのしがらみをいったん捨て去り、大自然や仏、神の声を聴こうとするものでもある。日頃忘れていた自己に気づき、自分を取り戻し、...
★読む目的 ! 宗教とはなんぞや! ★INPUT ・宗教の意味は、一人一人の心の中で常に神や仏と生きようとするところにある。日常生活の中につきまとう多くのしがらみをいったん捨て去り、大自然や仏、神の声を聴こうとするものでもある。日頃忘れていた自己に気づき、自分を取り戻し、生きる勇気を与えられるもの。 ・日本人の心には多神教的な仏教や神道があり、神も仏もあって正しいものは1つとは限らない、と考える。一方、欧米人の心の中には一神教のキリスト教があり、正しいものは1つであると考える。 ・ゲーテが考えた信仰心の源は、人間ではなく神の側にある。一般に『信じる』とか『信仰』は人間がすることであり、その行為の主体は人間の側にあるように思われがちだが、信仰は神から授けられるものである。信仰は神や仏と向き合ったときに生まれる。 ・神道には、さまざまなものに畏敬の対象、神秘な力を見出し、これを神と呼び、その加護、庇護を願い、いつもこの神々を祀り、安心感を得ようとする特徴あり。ユダヤ教において罪とは、神の意志にさからうこと。よって戒律がもっとも重要。 ・ヒンドゥー教は特定の開祖をもたない。高度に展開された哲学性と原始的な信仰や呪術を併せもっている。個人の意思で入信するという発想は希薄。ヒンドゥー教徒生まれがなる資格あり(民族宗教)。 ★ウガンダの感想 宗教本は読めば読むほど、無宗教でよかったなぁ~と感じます。と言うのも、それぞれの宗教に良い点や学ぶ点があるからです。もしどこかの宗教に属してたら、他の宗教は学べなさそうやし…。宗教という枠にすると、争いも起きるので『~教』じゃなく『~思考』じゃだめなんやろうか!? ★一言で言うなら 『自分はやっぱ無宗教!』 ★OUTPUT ・強い生き方を神や仏から学ぶ そこから新たな自分を発見し、人生を積極的に生き、死に対してしっかりとした信念をもち、現世を生き抜く ・正しく生きる 本物の宗教は人間の良心の根底から生まれる。正しく強く生きよう、そのためにどうすれば正しく生きられるかを、仏や神に問いかけるところから生まれるもの。 ・孤独に立ち向かう 今の自分と理想の自分との間に分裂があることに気づく。そして、その落差に驚き、挫折感を味わい、深い孤独感をしっかり味わう。ギャップが大きいほど、孤独感は深くなるが、その苦しみが成長させる契機にもなる。孤独に耐えられないと、人は他人を頼るので、頼りすぎないよう注意する。 ・何でもかんでも貪欲に執着しない 何事も貪欲に物事へ執着しすぎると、迷いと苦悩に支配され生活に疲れ果ててしまう。執着心を離れるとき、世界は安らかで穏やかになることを忘れないこと。 ・古来の考え方を大事にする 元来日本人は、万物は一体であると感じてきた。動物、植物にも仏性があると考え、木や水にも神性を感じていた。それぞれのもの、それぞれの立場に繊細な気配りをする精神的伝統があり、神と人間だけを特別視しないこと。
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※このレビューにはネタバレを含みます
宗教全般が一通り解説してあり、本書後半からは著者の宗教観を述べています。 その後半がまた力説! 若者の宗教嫌い(ステレオタイプ)、また高齢者の死生観。 まぁまぁ良い事を言います。 宗教と科学が共存共栄しなくてはならない。 若者に宗教教育をしないからこそ宗教に対する偏見やそれに対する免疫ができない。 孤独に堪えられない人が増えたのは宗教が退廃しているから。 宗教対立による戦争は誤報や公平な報道がされてなく、対立宗教同士でも寛容に他者を認めているところが大勢である。 日本人にキリスト教が馴染まなかった理由は唯一絶対神と八百万の神を崇める寛容さの違いがある。 曖昧さを好み、明確な意思表現を避ける日本人はその宗教から読み解くことができる。 (多様な宗教を清濁併吞する様は何でも受け入れる姿勢があるため) 宗教の隆盛を説く著者ですが、僕は寧ろ哲学(哲学史)を必須科目にした方が 余程有益で内省には適任だと思います。 思考だけでどこまでも可能性を広げることができ、その思想の数ときたら宗教を遥かに超えていて、それこそ多様な知見に触れられる。 人類の叡知が宗教に凝縮されていると著者は言います。 しかしながら僕には、その完成された宗教体系には面白味が無く、 確かに学問としての宗教の解釈的には未完であるけれど、最近の哲学の方が数倍面白い! 常識を覆す論等を考えると (例えば時間は存在しない、ラプラスの悪魔等)、 惹起が多くて無限の可能性を享受できる…。 あでも、僕は危険思想の持ち主ではないですよ(笑)
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最近、様々な国の人と接する機会が増えた。 相手に失礼なことをしないためにも、宗教に関する基礎的な知識を持っておく必要があると考え本書を購入。 第1章 世界の宗教の基礎的知識について 第2章 日本人の宗教観や神仏習合の課程について 第3章 信仰の意味、本質について 第4章 現代に...
最近、様々な国の人と接する機会が増えた。 相手に失礼なことをしないためにも、宗教に関する基礎的な知識を持っておく必要があると考え本書を購入。 第1章 世界の宗教の基礎的知識について 第2章 日本人の宗教観や神仏習合の課程について 第3章 信仰の意味、本質について 第4章 現代における宗教の役割、影響について 要約すると、上記のような内容が書かれている。 以下、気になった文章を抜粋。
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宗教は怖いもの、弱い人がすがるものと思われたりもするが、宗教は主体的に知的な生き方を見つけようとすること。 本書は主な世界の宗教についてその特徴などをわかりやすく書かれている。 また、日本人の宗教観やキリスト教が何故日本で根付かなかったのかについても触れており、宗教を考える上で入...
宗教は怖いもの、弱い人がすがるものと思われたりもするが、宗教は主体的に知的な生き方を見つけようとすること。 本書は主な世界の宗教についてその特徴などをわかりやすく書かれている。 また、日本人の宗教観やキリスト教が何故日本で根付かなかったのかについても触れており、宗教を考える上で入門書としていい。
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初版が2006年ということがあり、著者の言う「現代」には少し違和感があるものの、本当にざっくりとですが、宗教について興味を抱くことができる内容だと思います。 宗教について考えたくもない、なんだか怖いものと思っている人や、自分には関係ないと考えているひとにこそ価値がある内容だと思...
初版が2006年ということがあり、著者の言う「現代」には少し違和感があるものの、本当にざっくりとですが、宗教について興味を抱くことができる内容だと思います。 宗教について考えたくもない、なんだか怖いものと思っている人や、自分には関係ないと考えているひとにこそ価値がある内容だと思います。日本人にとっての宗教や、生きることや死ぬことについて考える機会が生まれるかもしれません。 哲学をほんの少しかじっている自分には、もう少し突っ込んで話してもらいたいという気持ちは抱きました。あと、俗に言われる「東洋哲学」の方が内容としては多く書かれていたので、興味深かったです。
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自分の中の宗教に対する偏見的なものを払しょくしたくて手に取った本。宗教の簡易教科書として、さらっと読めます。コンパクトに知りたいことがまとまってる気がしました。後ろの方は若干説教くさかったような気もしますが、一理あるのかも。 特に日本人の宗教観は興味深かったです。
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いろんな宗教のことを広く浅く知っておきたいな、と思って手にした一冊。 しかし、本書の内容は単なる各宗教の解説に留まりません。それぞれの宗教を信仰するからこそ、その宗教観を持つからこそ、どのような考え方・ものの捉え方になるのかを解説してくれています。 優柔不断と揶揄される日...
いろんな宗教のことを広く浅く知っておきたいな、と思って手にした一冊。 しかし、本書の内容は単なる各宗教の解説に留まりません。それぞれの宗教を信仰するからこそ、その宗教観を持つからこそ、どのような考え方・ものの捉え方になるのかを解説してくれています。 優柔不断と揶揄される日本人の思考には、当然ながら、仏教や神道の思想が影響しているわけです。反対にイエス・ノーをはっきりさせる欧米人の思考にはキリスト教が大きく影響しているのです。どちらが良い・悪いではなく、あくまで事実として捉えさせ、互いの役割を考えようとするのが本書です。とはいえ、あくまでも日本人の視点から見ているので、欧米理解などに役立てられるでしょう。 あ、もちろん各宗教の解説もしてくれています。解説されている宗教は原始宗教、神道、仏教、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、道教、儒教です。 また「こういう時こそ、この宗教の、この教えを利用できるよね」という僕らの生活レベルまでおとしこんだ宗教思想の利用法なんかも多く紹介されており、なかなか面白いです。 いやはや、読んでみるといかに自分の中に宗教による思考が入っているかに気づかされます。一神教の教えがキツそうに感じてしまうのは、やっぱり神道や仏教の国で育ったからなんでしょうねー。 宗教のものの見方に興味がある人のとっかかりの一冊として使えますぜ☆ 最後には宗教学関係の参考図書&読書案内なんてものもあり、本書をきっかけに、色々な本へ羽ばたいてみるのもよろしいんじゃないでしょうか。 阿満利麿さんの『日本人はなぜ無宗教なのか』(ちくま新書)とあわせて読むことで相乗効果がありそう。『日本人はなぜ無宗教なのか』もいつか読み直したいなあ。 【目次】 この本のあらすじ はじめに 第1章 本当の宗教とは何か 1 宗教はどこから生まれたのか 2 世界の宗教 第2章 日本人の宗教観 1 日本人の心の中と宗教意識 2 日本人の宗教観の特質 第3章 信じれば、なぜ救われるのか 1 信じることの本当の意味 2 信じると人生が変わる? 第4章 宗教は現代人を救えるか 1 現代人の心の中と宗教 2 宗教教育は必要なのか 3 政治・経済と宗教の関係 巻末資料
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