ドイツ語学への誘い の商品レビュー
ドイツ語の歴史、方言について、さらにゲルマン世界に関わる宗教や神話について概観した本。ドイツ語史というのはあまり馴染みがなかったが、英語史や日本語史と比べながら読んでみると面白い。日本では言文一致で国家の統一を図ったが、ルターは話しことばと書きことばを明確に使い分けたことや、現代...
ドイツ語の歴史、方言について、さらにゲルマン世界に関わる宗教や神話について概観した本。ドイツ語史というのはあまり馴染みがなかったが、英語史や日本語史と比べながら読んでみると面白い。日本では言文一致で国家の統一を図ったが、ルターは話しことばと書きことばを明確に使い分けたことや、現代のドイツでケルン−ベルリンより北は低地ドイツ語の地域で、第二次子音推移を受けていないドイツ語(=新高ドイツ語)とは音韻が違うことなど、印象深い。(ドイツに旅行に行っても子音の差があるなんて意識できなかった。)この本ではルターがクローズアップされ、ルターの功績がドイツ語に与えた影響について大きく述べられているが、英語史や日本語史にルターに相当する人がいるとすれば誰か、と考えた。朝鮮語なら世宗?英語はジョンソン?あと神話そのものには興味が持てなかったが、比較言語学の手法に基づき比較神話学が確立した、という事実は興味深い。ドイツ語を中心に、広くゲルマンの言語や宗教を考えたい人におすすめの1冊。(07/07/11)
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主にドイツ語史的観点からドイツ語を見る。 副題にもある通り、後半からはドイツ語という言語的側面からではなく、 キリスト教と元々のゲルマンの宗教、日本の神話などを比べている。
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