ブラック・ドッグ の商品レビュー
女性記者が漏らした不可思議な言葉“ブラック・キャット”。そしてアイルランド沖に不時着したパイロットの最期の一言―ブラック・ドッグ。英国の元秘密情報部員ジャック・ヴァレンタインは、五十年前の水兵の認識票を調べていた。簡単なはずの捜査は、いつしか謎の言葉へと結びつき…。彼の前に浮かび...
女性記者が漏らした不可思議な言葉“ブラック・キャット”。そしてアイルランド沖に不時着したパイロットの最期の一言―ブラック・ドッグ。英国の元秘密情報部員ジャック・ヴァレンタインは、五十年前の水兵の認識票を調べていた。簡単なはずの捜査は、いつしか謎の言葉へと結びつき…。彼の前に浮かび上がった意外な謀略とは。 シリーズ第三作。読ませる力がまだ残っていた頃のジャック・ヒギンズにロバート・B・パーカーの食へのこだわりを合わせたような小説。前作、「シャドウ・ゲーム」よりは読みやすかった。
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読み終えてみてちょっともったいないことをしたなと思っているのですが、この本を一気に読み上げるということをしませんでした…。仕事中はほかの本をよみこむことが多かった時期の通勤時に呼んでいたんですよね…。一冊の本を読んでいる一方で、他の本を同時平行で読み続けなくてはいけないというのは...
読み終えてみてちょっともったいないことをしたなと思っているのですが、この本を一気に読み上げるということをしませんでした…。仕事中はほかの本をよみこむことが多かった時期の通勤時に呼んでいたんですよね…。一冊の本を読んでいる一方で、他の本を同時平行で読み続けなくてはいけないというのはキャパの小さい私の頭ではなかなか整理しきれない状況が発生してしまいまして、この本を読むたびに人物の関係図とか数十ページ前に出てきたキーワードの意味を忘れてしまっていたりしたんですよね…。 物語は、第二次世界大戦時にイギリス近海で謎の失踪をとげた船に乗船していた人の認識票が、砂浜に打ち上げられたのを契機に始まります。その認識表が戦争で行方不明になった兄のものだと思った男と、その男の隣に住む男(主人公:ジャック・ヴァレンタイン)が政府の陰謀に巻き込まれていきます。最終的に、この認識票から始まった物語は、アメリカとイギリスの間での国益をかけたスパイや情報機関を巻き込んだ争いに発展していきます。その原因は、2003年のイラク戦争にあります。 フセイン政権を倒した後の調査で、大量破壊兵器は発見されませんでしたが、この物語ではイギリスとアメリカが協力して生物化学兵器の存在を自作自演ででっちあげにして、自らが起こした戦争のきっかけを捏造してしまおうというものです。結局、陰謀が失敗したことから秘密作戦自体を隠蔽しようとするイギリスとアメリカの情報機関の間で熾烈な個人戦が交わされるわけです。自分の身近にいた人が実は敵方のスパイだったとか、恋人が実が仇敵が使わしたスパイだったとか、劇的な展開がありますし、スパイであることが判明したときの驚きも感じられました。また、主人公のヴァレンタインの食事や飲み物に対する嗜好性がとても綺麗にかかれていて、帰宅中の電車の中で文章を読んでいてお腹がすくような感覚におちいったこともありましたけれども、それが必要以上に詳細な説明でなかなか読み進めるのに難しさを感じるところもありました。 私の読み方が悪かったといえばそれまでなのですけれども…。読みながらこの本はハリウッドが好みそうな題材かな?なんて思ったりもしてしまいました。陰謀と裏切り、銃火と怒声がとびかうスパイ同士の戦いも後半に行けばいくほど過激になりますし、最先端の兵器もジャンジャン出てきます。画的には映えるものが多いでしょうね…。でもちょっとスピード感っていう点ではバラつきがあったかな?って思うところもありました。
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