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泡坂妻夫 マジックの世界 の商品レビュー

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2023/01/19

 本書は、“ミステリー作家・泡坂妻夫、奇術研究家・厚川昌男のダブルフェイスの人物が、自身が創作した膨大な量のオリジナルマジックの中から選び抜いた作品集”です。※マジシャンのヒロ・サカイさんによる序文より抜粋  いくらアワツマファンだからって、こんなガチなマジック本にまで手を出す...

 本書は、“ミステリー作家・泡坂妻夫、奇術研究家・厚川昌男のダブルフェイスの人物が、自身が創作した膨大な量のオリジナルマジックの中から選び抜いた作品集”です。※マジシャンのヒロ・サカイさんによる序文より抜粋  いくらアワツマファンだからって、こんなガチなマジック本にまで手を出すかねえ、という呆れ声(誰の?)に対していきなり言い訳をすると、この本は、図書館で別の本を求めてウロウロしているときにたまたま見つけてしまったのです。私自身はマジックをするつもりもないし、マジックそのものに特に興味があるわけでもないのだから、まあこの本は借りなくていいかなともちろん思いましたよ。でもパラパラと中を見ると、「はじめに」や「おわりに」や隙間のコラムが当然泡坂さんの文章なので、思わず立ち読みしちゃいますよね。そうしたら本文のマジック手順も否応なく目に入ってくるのが世の理ではないですか。するとその説明文の端々から、泡坂さんの、いや厚川さんの、かもしれませんが、マジックとかトリックとか人生(大げさ)に対する美学・哲学のようなものが滲み出ているような気がして、これを両手で受け止めたい、ぶっちゃけ手品なんてどうでもいいから演じているこの人の顔だけ眺めてニヤニヤする時間を過ごしたい、とそんな気持ちになり、それほどまでに今私の中でアワツマウェーブが高まりを見せているのだということを自覚したので、これは持ち帰ってゆっくり読もうと決めたのです。  そういうわけなので、マジックの中身(現象やテクニック)を真剣に理解することははじめから放棄しての流し読みでしたが、以下のような収穫がありました。 ・松田道弘さんの著書『トリックものがたり』にもあったことだが、あるマジックのトリックがわかる(知っている)ことと、そのマジックを演じられることとは、全く別。こんなこと本当にできるの?!というような匠の技だらけ。何事もそうだし当たり前のことながら、素晴らしい芸の裏には気の遠くなるような修練の過程がある。ということを改めて認識。 ・そこで思い出したのはヨギガンジーシリーズの『生者と死者』。あれはたしか、とても難易度の高いなんらかのマジックが関係していたはずで、その辺がミステリーとしてはいわゆる禁じ手に近いんじゃないのかというツッコミどころを孕んでいた気がするのだが、本書のようなマジック本を読んで仮初にでもマジックする側の世界を覗いてみると、あれも何だか許せてくるというか、本来マジックとはそういうもの(ありえない現象を仕掛けまたはテクニックで起こす)で、それを熟知している人が書いたミステリーなんだからあれはあれで良かったんだ、と思えてきた。 ・アワツマ作品のマジシャンものは、単発では短編、長編いくつか読んだが、これをもってついに「奇術探偵・曾我佳城」シリーズに手を出す準備が、できた気がする。  しかしこの本、書店で出会っていたら買ったかというと、さすがにうーんわからない。図書館よありがとう。

Posted byブクログ

2009/10/04

第1章カードの世界 ○厚川昌男/ダブルリフト/カード/12 ●厚川昌男/エースの入れ替わり/パケット/16 ●厚川昌男/4Aと4Kの出現/デック、ダブルフェイスカード/20 ●厚川昌男/天海のフライングクイーン/パケット/26 ○厚川昌男/チェンジ/カード、チェンジ/34 ○厚川...

第1章カードの世界 ○厚川昌男/ダブルリフト/カード/12 ●厚川昌男/エースの入れ替わり/パケット/16 ●厚川昌男/4Aと4Kの出現/デック、ダブルフェイスカード/20 ●厚川昌男/天海のフライングクイーン/パケット/26 ○厚川昌男/チェンジ/カード、チェンジ/34 ○厚川昌男/回転カット/カード、ハーフパス/36 ●厚川昌男/ひっくり返るカード/デック、リバース/38 ○厚川昌男/フォールスドロー/カード/40 ●厚川昌男/エレベーターカード(1)/デック/40

Posted byブクログ