ふすま の商品レビュー
読んでるだけで、凛としてくる読書体験。 日本文化の精緻さといい意味で合理的な考え方に日本の良さを感じた。 やっぱり神道に通ずる部分もありそう。
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ふすまというのは至極日本的なインフィルでありながら、というか、それ故に近年の住宅ではほとんど見られなくなってしまった。 体を包む衾(ふすま)と同じ名前の建築部材、ふすま。人間と建築のそれは、どちらも包み、季節によって変化し、ときに新調される。 扉でもあり間仕切りでもある。しか...
ふすまというのは至極日本的なインフィルでありながら、というか、それ故に近年の住宅ではほとんど見られなくなってしまった。 体を包む衾(ふすま)と同じ名前の建築部材、ふすま。人間と建築のそれは、どちらも包み、季節によって変化し、ときに新調される。 扉でもあり間仕切りでもある。しかし、そういう部分よりも、もっと観念的な、ふすまというものがどういう「現象」なのかということにページが割かれている。 欧米型住宅の急速な普及で、ふすまは出番がなくなった。それは、建築の機能としての出番もそうなのだけど、それ以上に、住まい手側にふすまリテラシー(こういう表現ではうまく表せていないが)がなくなっていることも大きいだろう。鍵もかからないふすまを防犯上問題だ、とするのは簡単だが、物理的防犯ではなく、礼儀作法がその役割を果たしてきた。 一方で、ふすまではないが、可動間仕切りは近年のロングライフ住宅に欠かせない、というムーブメントが広がりつつある。けれど、そこにふすまのような「現象」は起きるだろうか。我が家にもふすまがない。あえて形から入って、ふすまリテラシーを身につけたいなあ、と思った。
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日本語のうつくしさに涙がでそうになりました。それくらいたおやかな文章表現で、やさしく、且つゆたかに、日本の暮らしについて書いてらっしゃいます。 「おもむき」という言葉が胸に残りました。現代はとても便利で、食も豊かですが、みんなどこか常におなかのすいたような目つきで歩いているよう...
日本語のうつくしさに涙がでそうになりました。それくらいたおやかな文章表現で、やさしく、且つゆたかに、日本の暮らしについて書いてらっしゃいます。 「おもむき」という言葉が胸に残りました。現代はとても便利で、食も豊かですが、みんなどこか常におなかのすいたような目つきで歩いているように感じることがあります。それは「おもむき」が無いせいなのかもしれない、「おもむき」が無いと、生活は貧しいままなのかもしれない、そのように思いました。
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最初から普通に読みますが、どこから読んでもドキドキします。 特に第二章の親子対談はすごい。 間に合って良かったと思う部分と、しまったと思う部分と。 武蔵美の基礎デザイン科をつくった向井先生のルーツが表具師のお父上だったのは、非常に興味深いことでした。 余談ですが、この本からパネル...
最初から普通に読みますが、どこから読んでもドキドキします。 特に第二章の親子対談はすごい。 間に合って良かったと思う部分と、しまったと思う部分と。 武蔵美の基礎デザイン科をつくった向井先生のルーツが表具師のお父上だったのは、非常に興味深いことでした。 余談ですが、この本からパネル製作の大切なヒントをいただきました。
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私たち日本人にとって、「ふすま」で仕切られた空間は「部屋」。しかし、鍵のかかる「戸」が当たり前の西洋では、鍵のかからない「ふすま」は不用心なものに見えるらしい。閉じてあれば「部屋」、開けたり取ってしまうことで部屋を広げることもできる便利さ、奥深さ。描かれた襖絵や、欄間細工。「鍵」...
私たち日本人にとって、「ふすま」で仕切られた空間は「部屋」。しかし、鍵のかかる「戸」が当たり前の西洋では、鍵のかからない「ふすま」は不用心なものに見えるらしい。閉じてあれば「部屋」、開けたり取ってしまうことで部屋を広げることもできる便利さ、奥深さ。描かれた襖絵や、欄間細工。「鍵」で閉じてしまうのではなく、入れるけれどあえて無理に入らず、推し測るという日本人の美意識。 平安時代から続く日本の文化「ふすま」について、名前の由来から、日本人の世界観までわかる一冊。
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