臨床心理学 の商品レビュー

佐々木正宏,鈴木乙史【著】

2023/12/24

大学の講義にも用いることができると書かれているけれど、小難しいどころか平易な文章でわかりやすい。多彩な理論や手法を取り上げているためそれほど深くは踏み込まないけれど、各章ごとに引用文献と読書案内が列記されているのでファーストステップとして有用だろう。

2010/07/07

心の問題や悩みを抱える人たちを理解し、
援助の手を差し伸べることを主たる目的として発展してきた心理学。

－臨床心理学－

心が健全な人は、自分以外の誰かのために。
課題を抱えていると自覚している人は

絶対に学んでおいて損はない分野。
むしろ、課題を抱えている人は、自分にセルフカウンセリングを施すために。
率先して自らをコントロールするために絶対必要な「知識」

知識があるからといって、課題が解決されるわけではないけれども、
「頭で理解する」ことは、まずはじめの第一歩。

本著は臨床心理学療法の一通りの説明を行っており、
心理学の本によく見られる「理論ばっかり」の傾向が薄く、
わりと実践向き。

《目次》

【第一部】臨床心理学と心の問題
【第二部】心をどうとらえるか
【第三部】臨床心理学的援助

実用的なのは第三部だけ。
一・二部も勉強にはなりますが、理論的な色合いが強いかも。

第三部で紹介されているのは、
「具体的な療法」

・精神分析療法
・行動療法
・クライエント中心療法
・家族療法
・認知療法
・遊戯療法

などなど。

自分が昔、自身に対して施していた療法は

「行動療法」
「クライエント中心療法」
「認知療法」

この3種類です。

人にいえない理由でノイローゼになっていたんで、
精神科にいくことはありませんでしたが、
行ってたらアウトのような人間だったので。

一通り、体系的に知ってみたいな、という人にはお勧めの本。

2009/10/04

まだ一般的にはあまり知られていない「臨床心理学」は、最近ようやくとりあげられるようになった「うつ」からの回復にも利用されるだけでなく、重大な傷を負ってしまった心の回復や、学校や家庭内などでの問題解決を幅広い現場をサポートするという重要な役割を担っている、実はいろいろな場面で活躍している縁の下の力持ちかもしれません。
一般向けに紹介されたこの本では、簡単な精神障害の説明を付け加えながら、「臨床心理学」とは何かをなるべくわかりやすく解説している努力の跡は見られます。
でも、こういう類の本が全く初めてだという人にはどうでしょう・・・
ただ、画期的なことは今までこういう本が殆どなかったこと。
臨床心理は、回復へのひとつの手段のとしての存在かもしれませんが、様々な心の問題を抱えた本人やその家族に、回復への大きなきっかけを与えてくれるかもしれなません。