懐かしい人たち の商品レビュー
故人となった様々な作家達とのエピソードを綴った交遊録。 吉行淳之介が度々表現している「淡い付き合い」 深くもなく、浅くもなく、淡い。 気難しい性質をもつ作家であったが、自分に対してはその様な態度は見せなかった。 それは自分と彼とが淡い性質の付き合いだったからだろう。 その様な...
故人となった様々な作家達とのエピソードを綴った交遊録。 吉行淳之介が度々表現している「淡い付き合い」 深くもなく、浅くもなく、淡い。 気難しい性質をもつ作家であったが、自分に対してはその様な態度は見せなかった。 それは自分と彼とが淡い性質の付き合いだったからだろう。 その様な表現として使われていた。 浅いよりも、その人の本質を垣間見る事が出来た。 だけど、そこから踏み込んでいかずに一定の距離を保っていた。 淡いと言うのはこの様な事なのではないかと、自分では解釈している。 踏み込もうと思えば、その人の心の奥に奥に深く深く入り込む事も出来たであろう。 でもそれをしなかったのは、吉行自身が何より自分の心に踏み込まれる事を嫌うからであろう。 この距離感があるから、彼の文章に偏りがなく絶妙なバランスが保たれている。 石川淳、森茉莉 、開高健、井上靖、色川武大など盛り沢山の交遊録の中、私が印象に残っているのは向田邦子だ。 向田邦子は男女の機微にやや疎い、吉行淳之介の推察とその理由を読んでニヤリとしてしまった。 これは流石、吉行淳之介。 気になる方は読んでみてくださいまし。
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「吉行淳之介ぐらい読んでおいたら」といわれ、受動的に購入。誰に言われたのかは忘れてしまったけれど、買いました>誰かさん
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