奇想ヤフオク学 の商品レビュー

橋本憲範【著】

2020/08/23

遊び感覚でせどりを始めヤフオクで売るようになり、差別化を図るために古書組合に入り、そのうち東京の市場にも出入りするようになり、写真撮影や登録の効率化をはかって売上を上げていく様子が記されている。

自分に自信がないながらも飛び込み、プロの方々にもまれる中で、自分の感覚を試し磨いていくプロセスは他ジャンルにおいても似ているように感じた。

2010/07/05

遅まきながら知人に紹介されて2010年に読んだ書籍。

著者がふとしたキッカケからヤフオクにハマり、3億円を売り上げるまでのノンフィクション。現在でも通用するテクニックやノウハウを惜しげもなく公開。これから小遣い稼ぎに挑戦する方にはもってこいの実用書。”古物商のはじめ方”や”白色申告のコツ”などの申請に特化したハウツー本とは真逆の、実際に動いてナンボ、真剣に動いた結果がどうなるかが解る本。

疑問点が少し。なぜ周囲は、彼程仕事に情熱を傾けられる人材を放っておいたのか。なぜ彼は、描いたシステムの構築を諦めたのか。そしてなぜ、彼はこの商売から足を濯う決断をしたのか。

人生は長く、多くの人は将来を不安に思う。いつまで労働をせねばならないのか、いくら稼げば逃げ切れるのか。どれくらい走ればゴールが見えるのか。しかし本書では残念ながら、それらの答えを見つけることは出来ない。

既に多くの人がネットオークションの経験を持っている昨今ですら、本書は大いに役に立つと思う。しかし少々うがった見方をすれば、恐らく彼にはなれない。また彼も内心それを解っていてブッチャケタのだと思う。

彼は彼の人生を彼らしく生きた。これからもそうするだろう。読者はどうするか。どうしたいのか。ヤフオクや”せどり”に興味があってやってみようと思った人が答えを出せたなら最高。そうでない人は、凄いなぁ！と感心するくらいで調度良いかもしれない。