中庭の出来事 の商品レビュー
真相は・・・
果たして、真相は何なのか。現実と虚構に境目はあるのか。何を信じたら良いかわからなくなる。読むほどに混乱する、入れ子構造になった3つの物語。読者を心地よく(容赦なく)惑わせる、見事な作品である。
abtm
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演劇や舞台が苦手なので、終始???という感想だった。そちらの感性を持ち合わせていれば、合間合間で出てくるセリフ回しや描写も楽しめたかもしれない。
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“人は誰でも日常を演じている” なかなかな実験的作品 「中庭にて」「旅人たち」『中庭の出来事』、一見3つの異なる話が微妙に交わり、やがてひとつに繋がっていく 劇中劇『告白』も下敷きにあり、最初は物語が交錯して混乱するけど、最後は納得 準主役級の“男”をコロンボを想定すると...
“人は誰でも日常を演じている” なかなかな実験的作品 「中庭にて」「旅人たち」『中庭の出来事』、一見3つの異なる話が微妙に交わり、やがてひとつに繋がっていく 劇中劇『告白』も下敷きにあり、最初は物語が交錯して混乱するけど、最後は納得 準主役級の“男”をコロンボを想定すると面白い 映画『桜の園』とか『Wの悲劇』みたい
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わけがわからなくなって ぐるんぐるん振り回されるのが好きな人にはいいのでは? 演技と真実とが絡まっていく では、普通の状態が演技じゃないかっていうと皆役割を与えられて演じてるだけなのでは?とか考えながらぐるんぐるんあたまがまわる。 恩田陸さんの作品は、やや尻窄みになりがちで耐性...
わけがわからなくなって ぐるんぐるん振り回されるのが好きな人にはいいのでは? 演技と真実とが絡まっていく では、普通の状態が演技じゃないかっていうと皆役割を与えられて演じてるだけなのでは?とか考えながらぐるんぐるんあたまがまわる。 恩田陸さんの作品は、やや尻窄みになりがちで耐性を持って読み始めたので なんとかなった感はある。
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いつか取るだろうと思っていたがこの間やっと直木賞を授賞した恩田陸さんの作品を読了。 この作品は読むのがつらい人もいるだろうなあと思ったのが第一印象。非常に実験的な作品だからだ。まず事件はというか事件とされたものは脚本家がパーティで毒殺されるというお話で、その作品のオーディショ...
いつか取るだろうと思っていたがこの間やっと直木賞を授賞した恩田陸さんの作品を読了。 この作品は読むのがつらい人もいるだろうなあと思ったのが第一印象。非常に実験的な作品だからだ。まず事件はというか事件とされたものは脚本家がパーティで毒殺されるというお話で、その作品のオーディションに呼ばれていたタイプの違う3人お女優達の作中劇での語りが物語を形作って行く。 同じシーンを3人が自分の色を加え演じ分け、お話を作り上げて行くので冗長と感じる人もいるかもしれないが、そこに描かれた女性の中に住む小さなモンスターの影がちらりちらりと感じられるのが実は怖く、同じシーンの演じ分けの妙にぞくぞくっとした。 女優達の演技により一人の男の死にまつわる謎を色々な角度から突き詰めて行き真実がどこかで明かされるだろうと思い読み進むのだが、読み終えようとするそのときになって読者は作者から見事操られていた事に気付くという作品になっている。 それはミステリはある結論というか一つの事実でもって話の結論を迎えるのが普通だとおもうが、この作品では台本、旅人、中庭と複雑なるあらゆる視点から真実に近づこうと一瞬しているように見せながら実はお望みの結末を求めて思い込みを深めているのが読者である自分だけであり、結論とされる事実はいくらでも作り出せるものなんだと言う事に気付かされるとてもびっくりの結末があるのも面白い。 ミステリーの作り込みの際に陥ったどつぼの状態をそのまま読者にぶつけたともいえるが、此の様な実験的な物に取り組む勇気と構成力の高さを持っているから直木賞作家にもなれたのだろう。天邪鬼と言われるのが嫌いではない方は読んでみては。 そんなミステリーの定石を見事に捨て去っている希有なミステリ作品を読むBGMに選んだのがJan Lundgrenの"Charade"。ジャケ買いした作品だけどあたりです。 https://www.youtube.com/watch?v=wFjfhwYQY_I
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ホテルの中庭での不可解な死。自殺?他殺?犯人は?全体の設定は「よくもこんなことを思いつく!」と驚愕しますが、構成がなかなかクセモノ。読み上げるのに非常に体力を使います。面白いが、辛い。設定が素晴らしいだけに残念。違う見せ方ができたような。。。実験的な作品なのかしら。。。
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面白くなくて、面白くなくて… 私は恩田陸を楽しむ感性がなくなってしまったのか…と、不安になった。 同じシーンを何度も角度を変えて書く感じ、戯曲を書く人になら参考になるのかな。 まぁ、でも最後まで読めば、構成やら凄いな…とは思う。 そして、きっと途中で放り出させない程度には面白かっ...
面白くなくて、面白くなくて… 私は恩田陸を楽しむ感性がなくなってしまったのか…と、不安になった。 同じシーンを何度も角度を変えて書く感じ、戯曲を書く人になら参考になるのかな。 まぁ、でも最後まで読めば、構成やら凄いな…とは思う。 そして、きっと途中で放り出させない程度には面白かったのか。
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ぱらぱら見ると台本がちらほら目に入り、なんとなく読むまで時間がかかってしまったが私にはとんでも本だった。 『木漏れ日~』の後に読み出したので、同じような隠されている印象にまたかと思ったのだが、謎を追いかけていくという点で第三者である読者が置いていかれるのは同じでも、まったく別の...
ぱらぱら見ると台本がちらほら目に入り、なんとなく読むまで時間がかかってしまったが私にはとんでも本だった。 『木漏れ日~』の後に読み出したので、同じような隠されている印象にまたかと思ったのだが、謎を追いかけていくという点で第三者である読者が置いていかれるのは同じでも、まったく別の要素で見せられた。 一人の男の死にまつわる謎を、台本、旅人、中庭とあらゆる視点から追いかけていく。何度も同じようなシーンが繰り返されるが、何所かしら違うことに気付く。また同じ話なのに出て来る女優3人が性格によって受ける印象が違うのも当然ではあるが魅力的だ。特にラスト、それぞれの女が選んだ作品がまさにらしさが出ていておもしろい。さらにそんななか、飽きさせない小話がまたなんとも珍妙でぐいぐい引き込まれる。 ミステリでよく真実を問われるが、この劇は観覧者の望み通りの真実を叶えられる。お望みの真実を語ると女優は云う。果たしてどれが現実なのか、はたして現実とはなんなのか。あやふやな虚構で踊らされているのが自分だけだったと気付いた時には、それこそ拍手を送りたくなった。 あまり評価が高くないため人を選ぶ実験的要素もあるかもしれないが、最後の一幕まで楽しませて戴いた。
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前に読んだ、女優さんが出てくる「チョコレートコスモス」が面白く、この「中庭の出来事」も女優さんが出てくるらしいので手に取りました。 恩田陸さんは、不思議な世界観を作り出すのにかけてはホントにピカイチだな、と感じました。 現実にありそうでない、美しく脆く繊細な世界。 この作品も、そんな不思議な世界観にぐんぐん引き込まれていきました。 全然関係のない3つの出来事が、まるでそこらじゅうに散らばった霧が混ざるように、少しずつ混ざっていく。またバラバラになったかと思ったら、今度は一瞬の内に混ざりきり、最後は濃くなってしまった霧で何もかも曖昧になってしまう。 そのコントラストがたまらなく美しく、しばらく本の世界に留まって余韻に浸っていました。 個人的に演劇をしてる身としては、役作りに関してのことは大変興味深く参考になりました。 ただシェイクスピアの訳は小田島さんより福田さんの方が、恩田さんの美しい流れるような文章にあっていたかと思います。
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恩田陸の作品好きでけっこう読んでるが、これは酷い。 はじめて100頁過ぎたあたりで挫折した。 同じシーンをなんども繰り返す。意味があるんだと思うが、小説家としての技巧を見せつけたいだけか、頁数稼ぎかと鼻白んでしまい、物語になっていない。登場人物の素性が分からず、誰にもこころを預けられない。 誰それを殺したのは誰か、という謎解きなのだろうが、ミステリーらしい種の巻き方がおかしいよな、と思う。 図書館でいつも借りてないくらいきれいだし、古書店でもよく見かけるので気になっていたのだが、納得した。 これが読みとおせた人はよほどの読書通なんだろうな。
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