こちらの事情 の商品レビュー
2006年に出された著者初の本格短編小説集『家族の言い訳』の続編にあたる短編集。こちらも前作同様『小説推理』に連載されていたもの。著者があとがきでも触れているように、登場する人々の年齢層は前作より高く設定されている(40代〜定年間際まで)。読み手の年齢層によっては前作よりもこちら...
2006年に出された著者初の本格短編小説集『家族の言い訳』の続編にあたる短編集。こちらも前作同様『小説推理』に連載されていたもの。著者があとがきでも触れているように、登場する人々の年齢層は前作より高く設定されている(40代〜定年間際まで)。読み手の年齢層によっては前作よりもこちらの方がしっくりくるかもしれない。取り上げられている話は8つ。いずれも家族の中で起きる感情的な対立が主軸で、親子の気持ちのすれ違いや兄弟の確執などさまざまなシチュエーションだ。どこからこんな家庭像を引っ張り出してくるのかと不思議に思うくらい、多様な家庭の物語が展開される。家族の中のある出来事をうまく捉えて、物語に仕上げていく手腕はまさに職人芸。中盤以降の話がそうなのだが、思わず目頭を熱くさせてしまうのは、著者の意図にしっかり乗せられているからだろう。個人的に感じたこの著者の感動テイストは、{(重松清)+(浅田次郎)}÷3という感じ。
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短篇集だが心にす~っとなじむ話ばかり。 家族を思う気持ちと、どうしようもない現実、それを受け入れながら生きていく人たちの切ない話。 森浩美さんの作品では涙は不可欠。
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「こちら事情を口にするとき、それは身勝手な言い分になってしまうかもしれないでも察してほしいときがある」全ての物語が、大事な人に察して貰え、暖かな気持ちになれます。自分の心が弱くなった時にオススメです。
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短編集。 一つ一つは短いので読みやすい。 結構、泣けるですよ。 感動しやすいタイプではないですけど。 いい本です。
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