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ジャック・デリダ の商品レビュー

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2017/05/03

デリダ本人も絶賛のデリダ入門書。 ということは、デリダの本と同様に難しいというか、決定不能なテクストでできているということ。 まあ、そんなもんか、とあきらめつつ、流し読みをする。 これは、「ラウトリッジ・クリティカル・シンカーズ」のシリーズの1冊なので、その流儀、つま...

デリダ本人も絶賛のデリダ入門書。 ということは、デリダの本と同様に難しいというか、決定不能なテクストでできているということ。 まあ、そんなもんか、とあきらめつつ、流し読みをする。 これは、「ラウトリッジ・クリティカル・シンカーズ」のシリーズの1冊なので、その流儀、つまり、「なぜデリダなのか」を論じ、キーワードを論じ、そして、デリダ以降を論じるという構成に従う必要がある。が、著者は、いちいちそうした構成に対して、デリダ的な文句をぶつぶつ言いながら、ユーモラスに論を進めて行くところが面白い。 ちなみに、このシリーズは、他にもドゥルーズを読んだけど、文学部の学生を主な読者に設定しているせいか、どちらも文学理論、批評理論としてのアプローチが中心なので、個人的には今ひとつピンとこないところもある。 いずれにせよ、英語圏におけるデリダ理解の層の厚さを感じる本である。デリダやフーコーは、フランス語圏より英語圏で評価されている、みたいな箇所もあって、なるほどと思った。確かに、英語圏では、エキサイティングな哲学というより、ちゃんとした学問として、なんか生真面目に読まれている気がするな。

Posted byブクログ