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あかね色の風/ラブ・レター の商品レビュー

3.6

42件のお客様レビュー

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2013/04/05

あさのさんといえば、強い心をもった少年を主人公にした題材を想像しますが、この本はしたたかな少女が主人公のお話です。 もともとは小学生向けの児童小説なので、あまり期待していなかったのですが、読んでいくうちに小学生のころの大人に理解してもらえない悔しさや歯痒さ、友達同士の付き合いの...

あさのさんといえば、強い心をもった少年を主人公にした題材を想像しますが、この本はしたたかな少女が主人公のお話です。 もともとは小学生向けの児童小説なので、あまり期待していなかったのですが、読んでいくうちに小学生のころの大人に理解してもらえない悔しさや歯痒さ、友達同士の付き合いの難しさを思い出して懐かしい気持ちになりました。 「あかね色の風」は、遠子の陸上に対する後悔が強く感じられました。読んでいると、自分も遠子と同じ気持ちになっていくくらい遠子の心情に引き込まれます。また、千絵の家庭事情も大変だろうに、それをものともしない千絵が強いなぁと思いました。 「ラブ・レター」は、図書館で一度借りて読んだことがあるんですけど、何度読んでも愛美のお姉さんが魅力的だと感じます。誰かに言われたからとか、そんなんじゃなくて自分で選択した道をするのは、とても難しいですよね。

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2012/04/29

ラブ・レターが個人的に、すごく好きです。 主人公の姉がかっこよすぎる。 私も小学生のころ、あんな高校生に憧れていたなぁと思いました。

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2012/04/06

読み終えました。 2作とも小学生の話で、今も昔も変わらないのか、共感できる!わかる!って思うことも多かった。 特にラブレターは本当に小学生が書いたように思えてきて、胸がきゅんきゅんきた!!

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2012/02/24

あさのあつこさんの書く女の子を主人公とした話を初めて読んだ。 後書きで、本来少女とは男の様に死に生き様を見出す者ではなく、したたかで獰猛な生き物であるみたいなことが書いてあったけど、 なんか分かる気がした。 ラブレターの話が小学生の恋か~となんとも心の中が甘酸っぱくなった。

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2012/01/10

短編が2編。 ラブ・レターについて。 手紙を書く少女の話。 自分の思っていることを伝えたい。 同じとき相手はどう思うか知りたい。 そんな、相手への想いが伝わる。 久しぶりに手紙を書きたくなる。

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2011/10/15

あさのあつこの初期の中篇。「ほたる館物語」と同じように小学校六年、五年の女の子が主人公。けれども一子のように、家族のことを心配する「いい子」じゃない。親の言うことは、ちがうぞ、と反発する自我を持った子供だ。そうしてたった半年だけど遠子はかけがえのない友を持つ。 遠子は「バッテリ...

あさのあつこの初期の中篇。「ほたる館物語」と同じように小学校六年、五年の女の子が主人公。けれども一子のように、家族のことを心配する「いい子」じゃない。親の言うことは、ちがうぞ、と反発する自我を持った子供だ。そうしてたった半年だけど遠子はかけがえのない友を持つ。 遠子は「バッテリー」の原田巧の原型だという説があるらしいが、むべなるかな、と思う。甘え上手の女の子がいて、自分の世界を守ろうとして突っ走ってしまう。巧のように素晴らしい才能があるわけじゃない。だから世界は広がらないけど、この中篇だけで私は書くべきことの多くは書けているのではないかと思った。あさのは無理やり中篇とか一冊の文庫にまとめてしまったほうがいいのを描けるのではないだろうか。 遠子と奇妙な友情を育む千絵は、化石探しに夢中である。化石拾いも土器拾いの考古学も本質は同じようなものだ。彼女にとても共感した。

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2011/07/21

バッテリーの文庫版最終巻の隣に並べられていてちょっと悩んだのですが買ってしまいました。買ってよかった、と思ってます。 バッテリーを読んで、あのシリーズの何が好きか、と言われると一番には大人の言うことは当てにならない、という点が結構自分の中ではウエイトを占めています。大人は大人...

バッテリーの文庫版最終巻の隣に並べられていてちょっと悩んだのですが買ってしまいました。買ってよかった、と思ってます。 バッテリーを読んで、あのシリーズの何が好きか、と言われると一番には大人の言うことは当てにならない、という点が結構自分の中ではウエイトを占めています。大人は大人で考えて子供のことを思って色々いさめたり、しかったり、怒ったりするのですがそのほとんどが見当はずれで何か違う。そんな子供のもどかしさが表現できるってすごいな、と思ったのを覚えてます。それは『ああ、そうそう。大人ってずるいよね』と読んで思うもののやはり今自分が小さい子に接するときに一般論で振りかざす言葉は『ずるい大人』の言葉になっていると思うからなのですが。 世間にずれていても一生懸命もがくようにその日その日を生きている。その苦悩とか誰にもいえない怒りとか。上手くやり過ごせたりする人にはわからないんだろうなあ、こういうもどかしさって、なんて思いながら読みました。 ラブレターは…ちょっと微妙でした。何で女の子って小学生でも中学生でも高校生でも恋愛が一番でなきゃいけないんだろう…←なきゃいけない、って訳ではないんでしょうけれども。そうじゃないと、みたいなステレオタイプとして描かれてしまっているのがちょっと残念です。

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2010/11/08

5年生の女の子たちが口をそろえて面白いというので読んでみた。なるほど!確かにみんなが好きそうなのが分かる。とくに“ラブレター”の方は、等身大の5年生にぴったりくるようなドキドキするかわいいお話。いいお話だった。ときどきこっそりと「恋愛っぽいのが読みたい」と言ってくる女の子たちに手...

5年生の女の子たちが口をそろえて面白いというので読んでみた。なるほど!確かにみんなが好きそうなのが分かる。とくに“ラブレター”の方は、等身大の5年生にぴったりくるようなドキドキするかわいいお話。いいお話だった。ときどきこっそりと「恋愛っぽいのが読みたい」と言ってくる女の子たちに手渡してあげたい。”あかね色の風”の方は、友達について考えさせられるお話。子どもだって、この子と合いそうかどうかって見かけや雰囲気で判断したりするところがあって、でも自分と合うかどうかは実際に深くその子を知ってみないと分からない、というようなことをさりげなく教えてくれるお話だと思った。大人が読むと、自分が小学生だった頃の気もちを思い出したり、小学校高学年ぐらいの頃の気もちの揺れを感じたり、ああこのぐらいみんな複雑なんだよな、ということを再発見する感じです。周りに高学年の女の子がいる人におすすめの1冊。

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2010/11/06

あさのさんらしい作風。 小学生の女の子が主人公のとてもシンプルなお話です。 バッテリーがとても面白かったのでので、これは物足りない感じがしました。

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2010/09/29

 ラブ・レターのほうのレビューが残っていたので転載。  とてもかわいらしくて爽やかな、それでいて心の奥が、ホットミルクを飲んだときのようにあたたかくなるお話でした。  主人公の愛美(まなみ)は小学5年生で、隣の席の楽(らく)くんの、大好きな馬の話をする声の嬉しそうな色とか、髪が...

 ラブ・レターのほうのレビューが残っていたので転載。  とてもかわいらしくて爽やかな、それでいて心の奥が、ホットミルクを飲んだときのようにあたたかくなるお話でした。  主人公の愛美(まなみ)は小学5年生で、隣の席の楽(らく)くんの、大好きな馬の話をする声の嬉しそうな色とか、髪が太陽に透けて茶色に輝くことが気になって仕方ない。そんなとき、友達のともかちゃんから、今学校で「仲良しレター」がはやっていると聞く。だけど友達に送ってもどきどきしないんだもの、やっぱり好きな男の子に送りたいよね、とはにかむともかちゃん。そのきらきらした笑顔を見て、愛美は、自分も楽くんに手紙を送りたい、送ろう、と、つたない言葉でつづり始める……。  あさのあつこと言えば、児童書「バッテリー」で有名です。主人公・巧(たくみ)の、野球へのまっすぐすぎるまっすぐな思いが、読めば誰しも圧倒されるか強く共感するかだと言ってもいいほどリアルに描かれた作品。わりに最近出版された「福音の少年」も、そんな男の子たちの物語だった。だから私は、すっかりあさのあつこは「少年」の書き手なのだと思っていました。  でもこの作品のなかで笑ったり反発したりしている少女たちの心の、なんてまっすぐなこと。  学校帰りに買い物をしたことがばれて先生に怒られたとき、ともかちゃんは「お金、わたしが持ってきたの、先生。愛美ちゃんに貸してあげました。わたしが、愛美ちゃんについてきてって頼んだから、貸してあげたの」。  お姉ちゃんは、玄関先で彼氏とキスをしていたのを見咎めた電話がかかってきて、お母さんに怒られたときに言った。「(その電話の主が名乗らなかったことに)わたし、そんなやつ絶対、許さない。自分は、絶対傷つかないとこにいて、他人のこと傷つけようとするやつなんか、ばかだよ」  ね、きれいでしょう。まっすぐでそこに迷いがなくて、自分にもこんな時期があったかな、でも今はどうなのと、赤くなってしまいそうな凛とした姿でしょう。  そんな人たちに囲まれて、愛美は毎日をすごしながら、少しずつ少しずつ、きっとそんなに整っているとは言えない字で、何度も消しては書き直しながら、楽くんに伝えたいことを手紙に込め続ける。きれいな夕日を見て、カレーの匂いを嗅いで、ピアノを弾いて、楽くんに伝えたいことを見つけては文字にしていく。  こうして手紙にする前、愛美の気持ちは、きっと「気になる」とか「もっと知りたい」とか、名前のつけられない感情だったように思います。  でも手紙に書くことをさがしているとき、彼女は知らないうちに、楽くんといっしょに町を歩き、空を眺めていたんじゃないかな。手紙を書きながらもどんどん、思いをふくらませて、どんどん楽くんへの気持ちを育てていた。  だから手紙の最後に愛美は、ちゃんと感情に、「好き」と名前を付けることができたんじゃないでしょうか。  楽くんも返事を書きながら、愛美への思いをふくらませたり、もうふくらまないと気付いたり、するんでしょうね。  続きが読みたい、ないとわかっていても、わかっているからこそ、そう思える作品でした。

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