石油を読む の商品レビュー
戦略物資と呼ばれる石油の本質的な側面から洗い出し、市場によって取引されるコモディティとしての石油を描いている。石油市場は単なる原油の取引だけではなく、探索、事業化、採掘、精製といった一連のバリューチェインを包括したものして捕らえている。特に川上工程においては、そのリスクの高さと巨...
戦略物資と呼ばれる石油の本質的な側面から洗い出し、市場によって取引されるコモディティとしての石油を描いている。石油市場は単なる原油の取引だけではなく、探索、事業化、採掘、精製といった一連のバリューチェインを包括したものして捕らえている。特に川上工程においては、そのリスクの高さと巨額の資本を必要とする参入障壁の高さにより、需要に対する弾力性が低いことが石油の価格形成において市場の裁定機能が働きにくい点が指摘されている。また、地政学的なリスクについても日本ではこれが過剰に報道されているが、客観的かつ冷静な分析によって、それほどのものではないことが指摘されている。一方で、日本の原油調達が中東に過度に依存していること、またエネルギー源として世界的に原油から天然ガスへと需要がシフトしているなか日本がその流れに取り残されている事実を危惧すると共にそれに対しての解決策を提示している。資源争奪戦の様相を呈するなか、今後の日本の安定的な調達のためにも著者の提言は今後の国家戦略において検討に値する。
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石油価格の高騰はいまや世界的な懸念事項といってよいだろう。 そんな中、比較的新しい入門書を見つけたので読んでみた。 経済用語がまったくわからない状態で読み始めたが、この本はそういった初心者に対してかなり親切に書かれてるといえよう。 うまく説明されていて、例えば電車内で読んでいる...
石油価格の高騰はいまや世界的な懸念事項といってよいだろう。 そんな中、比較的新しい入門書を見つけたので読んでみた。 経済用語がまったくわからない状態で読み始めたが、この本はそういった初心者に対してかなり親切に書かれてるといえよう。 うまく説明されていて、例えば電車内で読んでいるときに別途参照する本が必要になるなどということがなくてよかった。 この本は4章構成。ただ、最初の2章はかなりひどい。 データの曲解(恣意的使用)がはなはだしい。使われる表現の偏りから、筆者が書いていて自信のない箇所などがはっきりわかる。 ロジックに関しても逆説的…でもそれって違うよね?ということが多々あった。 経済に偏りすぎた視点もどうかと思う。他の国の経済に関して触れるならば最低限その国の政治体制がいかなものか、その政治と経済の関係はどうなっているのか、くらい考えるべき。 Domestic Analogyで考えるがちなのが人間の性なのだろうが、政府で政策に関わる人間がこれじゃいかんだろう。 ただ、残り2章はそれなりに評価できる。データもおそらくしっかりしたものを使っているし(表現から読み取れる)、論点の整理もしっかりなされている。 そしてその2章はおそらく今の石油価格高騰を考える上でもっとも大事。なので、読む価値はある。
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多くの実務家が書評の中で薦めていたので読んでみた。現状認識をしっかりと行った上で、日本が取るべきエネルギー戦略について書かれている。日本は、現在、90%以上を中東地域に依存している石油供給源の多様化、石油調達手段の多様化、そしてエネルギー資源そのものの多様化を進めるべきだと提言し...
多くの実務家が書評の中で薦めていたので読んでみた。現状認識をしっかりと行った上で、日本が取るべきエネルギー戦略について書かれている。日本は、現在、90%以上を中東地域に依存している石油供給源の多様化、石油調達手段の多様化、そしてエネルギー資源そのものの多様化を進めるべきだと提言している。特に石油からの出口戦略として天然ガスのウェイトの増大に対する政策的支援が喫緊の課題であるとのこと。天然ガスにおいてはLNGという形だけではなくパイプラインで日本に持ってこられるかも一つの試金石となるだろう。そう考えるとサハリン1は日本の今後のエネルギー戦略に関して大きな影響を与えることになると思われる。 200ページという少ない分量の中で得られる情報は非常に多く、良書と言えるだろう。エネルギーを通して見えてくる国際政治の動きも大変興味深い為、エネルギーに興味のない方も一読を薦めたい。
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石油を中心に世界を把握する地政学の本。2005、2007年。日本のエネルギー消費のほとんどが石油によってまかなわれていることに加え、昨今の石油高や中国をはじめとする新興国の興隆が、これからの日本の世界的立場を脅かす。ロシアも液化天然ガスの供給元であるサハリン2の承認を取り下げるな...
石油を中心に世界を把握する地政学の本。2005、2007年。日本のエネルギー消費のほとんどが石油によってまかなわれていることに加え、昨今の石油高や中国をはじめとする新興国の興隆が、これからの日本の世界的立場を脅かす。ロシアも液化天然ガスの供給元であるサハリン2の承認を取り下げるなど、日本のすばやいエネルギーシフトを困難にしており、石油のみならずLNGも戦略物資として使われだしている。この本から、中東での石油産出量、石油の埋蔵量、生産量一位のサウジアラビアの重要性を理解することができ、そこがいかに多くのリスクを持っているかも同時に把握できる。エネルギーの輸入を円滑に進めるために、パイプラインの整備など、インフラをすばやく整えながら、自然エネルギーの活用、新エネルギーの発掘などを行っていくことが、海洋国家である日本にとっての戦略になるだろう。
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かいつまんで読んだ。どっちかというと現代の石油事情についてってかんじ。あんまり石油歴史系じゃない。ある程度石油についての知識がないとよく理解できないんじゃないかな?
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昨今、石油価格の高騰により久しぶりに石油が注目されている。 資源枯渇が謳われて久しいが石油価格の高騰がそれをイメージさせる。 またもや石油が戦略資源と化している。 本書では地政学リスクを軸に石油の実情を語っている。 特に発展を続ける中国の動きに日本ももっと注目すべきと思う。 ...
昨今、石油価格の高騰により久しぶりに石油が注目されている。 資源枯渇が謳われて久しいが石油価格の高騰がそれをイメージさせる。 またもや石油が戦略資源と化している。 本書では地政学リスクを軸に石油の実情を語っている。 特に発展を続ける中国の動きに日本ももっと注目すべきと思う。 また、30年で枯渇すると言われた石油が今も採取できている背景なども説明しており興味深い。
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