「死にざま」の医学 の商品レビュー

永田勝太郎【著】

2011/09/23

パソジェネシス（病因追求論）とサルトジェネシス（健康創成論）、現代医学と東洋医学。病気の原因をなくすための前者と、病気を受け入れて人生の意味を活かす方に注力する後者の両者を上手にバランスする事が、死に向かう病気への対処法として重要だということがわかった。そして、現代医療は前者ばかりに強みを持ってしまっていることも。僕は、ガン宣告はしてもらいたいし、その後はある程度は治療をするにしても、素直に受け入れて、病気と共に余生を過ごしたい。選択肢はホスピスだけかとも思っていたけど、そうでなく生きる意味を見つけることで個人的な心理により充実した生き方ができることもわかった。とはいえ、病気でない今ですら生きる意味を探せていない中でそれほど長生きしたくないでいるが、死を覚悟したときにどのような心境の変化があるのか、少し楽しみだったりもする。

2009/10/04

NHKブックスだから一般書、のつもりで読むと、案外難しい。本に載っているデータの中には読解不能なのもいくつかあった。ただ、著者の主張はよく理解できるし、気を遣って執筆していると思う。「尊厳死」に触れる部分で、「尊厳死」とはなにかということについて、もう少し厳密な定義をした上で論を進めたほうがわかりやすいかも。でないと、「なんとなく尊厳死」的なものもイージーに肯定してしまう方向にもいきかねないと思う。（11/9/2006　読了）