昭和天皇伝説 の商品レビュー
天皇という存在が、日本国民の中で「伝説」として受け入れられたことと、昭和天皇がその「伝説」を自覚的に生きてきたことを、いくつものエピソードを引きつつ、論じた本です。 戦前においては「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」とされ、戦後には「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と...
天皇という存在が、日本国民の中で「伝説」として受け入れられたことと、昭和天皇がその「伝説」を自覚的に生きてきたことを、いくつものエピソードを引きつつ、論じた本です。 戦前においては「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」とされ、戦後には「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」とされました。しかし著者は、天皇が戦前・戦後を通じて、「日本人がかつぐままにかつがれようとしていた」と主張し、そこに昭和天皇の「たった一人のたたかい」があったと論じています。 本書は、「天皇とは何か」という問いに、正面から答えを出した本ではありません。むしろ、「天皇とは何か」と問うことが、天皇を「伝説」の中に封じ込めてしまうような所作にほかならないということを、浮き彫りにしているように思います。
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専制君主でなく立憲君主を志向する人間・昭和天皇を取り巻いた過酷な環境下での苦悩を分析している。 もし自分が昭和天皇であったなら、と読むうちに考えてしまう。 いかに過酷なものであったか想像に難くない。 『幻の人ー終わりの章』は終わりの章にふさわしい内容であり、 副題の『たった一人の...
専制君主でなく立憲君主を志向する人間・昭和天皇を取り巻いた過酷な環境下での苦悩を分析している。 もし自分が昭和天皇であったなら、と読むうちに考えてしまう。 いかに過酷なものであったか想像に難くない。 『幻の人ー終わりの章』は終わりの章にふさわしい内容であり、 副題の『たった一人のたたかい』は、主題であってもおかしくない。 平成も25年が過ぎようとしているが、まわりをみるに昭和は厳然とある。 時代小説ばかり読んでいる場合ではないかもしれない。 良著。
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戦争期に唯一の正気の指導者が昭和天皇だけとは。昭和天皇を語れば昭和が語れてしまう。昭和期全国に発生した「〜天皇」「カリスマ」を天皇の虚像の影身としてとらえれば。和製ファンタジーの皇帝像に昭和天皇の投影はないのかな?面白い本でした。今年は昭和82年。まだ昭和は終わりません。明治14...
戦争期に唯一の正気の指導者が昭和天皇だけとは。昭和天皇を語れば昭和が語れてしまう。昭和期全国に発生した「〜天皇」「カリスマ」を天皇の虚像の影身としてとらえれば。和製ファンタジーの皇帝像に昭和天皇の投影はないのかな?面白い本でした。今年は昭和82年。まだ昭和は終わりません。明治140年といったほうが実感持てる人がいるように。
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