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猫町 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2016/08/09

懐かしの猫町。約10年ぶり、偶然の再会で手に取りました。 イメージ写真、私はある方が好きです。 目に見えるものと、自己が認識するものの違い。 少しの気味悪さと、浮遊感。

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2015/06/02

荻原朔太郎の『猫町』に心象(イメージ)写真を割り当てた本作。 谷中の路地を想像させる、少し懐かしさ漂う町中。狭い道を右へ左へ歩いていく。方向感覚なんてすっかり無くなり、まるで見知らぬ土地へやってきたような夢幻。 知っている道に出たいのに、どこか心地良さも感じる。そう思いながらも歩...

荻原朔太郎の『猫町』に心象(イメージ)写真を割り当てた本作。 谷中の路地を想像させる、少し懐かしさ漂う町中。狭い道を右へ左へ歩いていく。方向感覚なんてすっかり無くなり、まるで見知らぬ土地へやってきたような夢幻。 知っている道に出たいのに、どこか心地良さも感じる。そう思いながらも歩を進めると、ますます幻燈のなかへ迷い込んでいく―。 写真はひたすら猫猫猫。題名の通り猫しかいない町なのではという錯覚と、自分もまるで猫になったような感覚に陥ります。低い視点、路地の隅を分け入って歩く様、ふと振り返る仕草など、気付くと必死に猫の後ろ姿を追いかけている自分がいました。 もともと夕暮れ時か夜のイメージを持っていましたが、この作品に出てくるような明るい時間もまた白昼夢を見ているようで物語の印象を壊しません。

Posted byブクログ

2014/09/15

萩原朔太郎の作品『猫町』に、写真が挿入されることで視覚的な鮮明さが付加されたアレンジ作品。底本の『猫町』を読んだことがなかったのですが、普通に小説を読むのとはまた別の読み応えがありました。 見知った町であっても、違う角度や違う道から入り込むと、初めて訪れた場所のように見えてしま...

萩原朔太郎の作品『猫町』に、写真が挿入されることで視覚的な鮮明さが付加されたアレンジ作品。底本の『猫町』を読んだことがなかったのですが、普通に小説を読むのとはまた別の読み応えがありました。 見知った町であっても、違う角度や違う道から入り込むと、初めて訪れた場所のように見えてしまう。上下反転、左右反転、天地反転の錯覚は、まるで猫のしなやかな動きに翻弄されているかのよう。 作品そのものは非常に短く、一時間あれば読めてしまいます。が、写真を眺めていると時間がすぅっと過ぎてしまう。不思議な本に仕上がっています。

Posted byブクログ

2012/06/27

萩原朔太郎の散文詩的短編小説「猫町」に、 猫を中心とするイメージ写真を絡めたフォトブック。 特定の、一つの「町」ではなく、 全国各地で撮影された写真素材を組み合わせることで、 現実の写しでありながら、 どこにもない非現実の空間を表現している。 ……猫は夢幻への案内者だが、責任感な...

萩原朔太郎の散文詩的短編小説「猫町」に、 猫を中心とするイメージ写真を絡めたフォトブック。 特定の、一つの「町」ではなく、 全国各地で撮影された写真素材を組み合わせることで、 現実の写しでありながら、 どこにもない非現実の空間を表現している。 ……猫は夢幻への案内者だが、責任感なぞは持ち合わせないので、 ついて来た人間をプイと置き去りにして、 姿を消してしまうのだ。

Posted byブクログ