開発設計のためのTRIZ入門 の商品レビュー
発明的問題解決理論TRIZは発明の基本原理のようなもの。1940年代に旧ソ連で膨大な特許分析が行われ、多くの発明に共通するパターンを抽出して確立された。日本には1990年代に持ち込まれたが、当初はうまく使いこなすことができず、一時的なブームで終わってしまったそうだ。その後、コンサ...
発明的問題解決理論TRIZは発明の基本原理のようなもの。1940年代に旧ソ連で膨大な特許分析が行われ、多くの発明に共通するパターンを抽出して確立された。日本には1990年代に持ち込まれたが、当初はうまく使いこなすことができず、一時的なブームで終わってしまったそうだ。その後、コンサルティング手法が改善され、具体的な成果が報告されるようになり、改めて注目され始めているそうだ。本書は入門書であるが、確かにTRIZの考え方は実務の中で役立ちそうな気がする。まず、新規性、進歩性を主張している発明の中からパターンを見出そうとする考え方自体がユニークだ。ビッグデータ解析等の技術が進んだ現在でも、TRIZを導きだすのは難易度が高いのではないだろうか。旧ソ連の科学技術力の高さを改めて認識させられた。ただし、どんなに優れたツールも使うのは人間である。またブームで終わるのか、本当の技術革新につながるのか、今後の展開に注目したい。
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