宗教と道徳 の商品レビュー
『世界と人間』『自然と人生』(ともに文春文庫)と同じく、新聞連載のエッセイをまとめた本です。 「道徳をどのように教えるか」と題されたエッセイでは、「惻隠の情」に基づく孟子の性善説を批判して、もっと身近な、子を思う親の心に、道徳の基礎を求めたいとして、そうした考えが大乗仏教の自利...
『世界と人間』『自然と人生』(ともに文春文庫)と同じく、新聞連載のエッセイをまとめた本です。 「道徳をどのように教えるか」と題されたエッセイでは、「惻隠の情」に基づく孟子の性善説を批判して、もっと身近な、子を思う親の心に、道徳の基礎を求めたいとして、そうした考えが大乗仏教の自利利他の菩薩道に通じるという議論が展開されています。さらに、「それは生物学的な人間にごく自然に備わっている心である」と述べられています。 ただ、こうした考えを採るとき、ある程度メンバーの間で気心の知れた共同体の内部での道徳性は成り立つかもしれませんが、そうした共同体の限界を超えたところに位置する他者にまで道徳を及ぼしていくことが果たしてできるのか、という疑問を感じます。 しかも、そうした素朴な道徳感情が生物学的なものなのだとすれば、その限界を人間の努力によって超えることは難しいという、あまり希望の持てない結論になりそうな気がします。
Posted by
すごく面白かった! 懐疑的だった天皇の存在意義に答えを出してくれた。皇室典範や、靖国参拝など、同じニュースを知るのも、自分の思想があってあらゆる分野に造詣が深いと、ここまで違うんだなぁ〜と思って梅原さんに憧れました!社会主義を支えたマルクス。キリスト教を批判したドストエフスキー&...
すごく面白かった! 懐疑的だった天皇の存在意義に答えを出してくれた。皇室典範や、靖国参拝など、同じニュースを知るのも、自分の思想があってあらゆる分野に造詣が深いと、ここまで違うんだなぁ〜と思って梅原さんに憧れました!社会主義を支えたマルクス。キリスト教を批判したドストエフスキー&ニーチェ。
Posted by
- 1