ウェセックス物語 の商品レビュー

トマスハーディ【著】,藤田繁,内田能嗣【監訳】

2021/04/10

最近、短編集『呪われた腕』を読んだので、同じ短編がかぶってることもあったので、その他でとても印象に残った短編の感想を。

『町の人』
バーネットは、むかし付き合っていた女性ルーシーとの結婚はできず、別の人と結婚したがうまくいかず。その後、忘れられない女性ルーシーと再会したが、ルーシーは会うことはよくないと。妻は事故になり死にかけたがしぶとく生き抜き（というか、ほっとけば死んでたのにバーネットは助けた）、またバーネットは不幸に。
バーネットはルーシーと直接会えないから、最近奥さんを亡くした友人のダウンに家庭教師として紹介（ただし、ルーシーには自分のことは話さないようにと）。
ルーシーはダウンの子供達の面倒を見る。
そのうち、またバーネットは偶然（と言ってもある程度は故意）ルーシーと再会。
また、期待してしまうバーネット。
ある日、２つの手紙が。
一つは、妻が死んだ知らせ。
やった、次こそルーシーと結婚しようと。
2つ目…なんと、ダウンがルーシーと結婚すると言う知らせ。
幸せ気分は一瞬で終わる。
バーネットは、お祝いを言った後、どこかへ行ってしまう。
そして歳を取りまた戻ってきた。
ダウンはすでに死んでおり、ルーシーは未亡人になっていた。再開し、プロポーズする。でもルーシーは断る。
ルーシーは冷静になる。バーネットは紳士的だった。少し待って来なかったら手紙を書いてみよう。いつの間にか若い頃のバーネットへの気持ちが復活している。
それなのに、バーネットは来ない。彼は遠くの土地へ行ってしまっていた。
待ったけど何年も待ったけど…

なんという不幸。タイミングの悪さ。
と言うか、ルーシー…高慢もほどほどに。
いつまでも想ってくれると思い、焦らして。
最後のバーネットのチャンスを砕いた。
バーネットもさすがに歳とってそらに断られたら、もうダメなんだなって思うだろう。

『見知らぬ3人の人』は、オチとしてはイマイチ、読んでてすぐにわかるから…でも、印象に残る。

『惑える牧師』
密輸の話とラブストーリー。
珍しくハッピーエンドだった。
ただ、実際は違うと注釈が。