中国の頭脳 清華大学と北京大学 の商品レビュー
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中国否定書の読破が続いた趣きを変えて紐解いた本書。3章までは中国近代の知識人人名録のようで興味はひかないが、4章は○。中国エリート学生堅気も感得可。ただ、本書の愁眉は知中の著者による中国評。①中国は一枚岩でなくEUのような国家連合体、②清華大学の学生を欧米の著名大学がヘッドハンティングに(当然留学費用は欧米諸大学負担)、が、日本の大学生へは皆無か、③原子間力顕微鏡を学生が自前で製造し、研究対象分析のアヤを体得する独特の姿勢、④中国分析は時・所・誰・何を精密に前提として初めて可能。単純な一元化は分析に非ず。 現代中国政治家として朱鎔基、胡錦濤の評伝も。2006年刊行。著者は創業支援推進機構理事長兼中国精華大学招聘教授。
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中国のエリート輩出校の『実力』がどれ程のものなのか、という事をこの本は示している。中国では受験戦争が過熱し、一流校への入学は相当なものだとは知っていたが、この本を読んで、自分の認識よりもさらに過酷な受験戦争がそこにあることを知った。 また、その試験を潜り抜け無事清華大学/北京大学...
中国のエリート輩出校の『実力』がどれ程のものなのか、という事をこの本は示している。中国では受験戦争が過熱し、一流校への入学は相当なものだとは知っていたが、この本を読んで、自分の認識よりもさらに過酷な受験戦争がそこにあることを知った。 また、その試験を潜り抜け無事清華大学/北京大学に合格した学生は、さらに大学でもハングリーさを発揮し、勉学にまい進する様子が描かれている。 現役の大学生として、かなりこの本の内容はショックであり、もしこの本がおおむね正しいのなら、自らの通う大学との差を痛感させられた。 特に「アメリカの大学から、直々にスカウトが来る」という事実に愕然とし、日本の大学でアメリカからスカウトに来るような大学があるかどうかを考えた時、かなり衝撃を受けた。 ただ、筆者の二大エリート校に対する視点はかなりバイアスがあるように思える(持ちあげすぎな気がする)ので、鵜呑みにはしないほうが良いように思える。 ただ、今通う大学と彼らの通う大学の差に愕然としたことで、彼らと張り合うには自分で何とかしなくちゃいけないという事に気がついた、この点だけでも良かったと思う。
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