あなたの声がききたい の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
聴覚障害の両親に育てられた娘の心の話。 当たり前のように「ただいま」「おかえり」という挨拶を我が家ではしているけど、その会話ができなくてつらい思いをしている人がいることを改めて感じ、「当たり前」は決して「当たり前」ではないことが身に染みた。 ハンガリーのスーパーマーケットのレジで「担当者が聴覚障害者です。ご理解をよろしくお願いします」と書いてある看板を見たのを思い出した。聴覚障害の方が積極的にお仕事をされている姿に、そして、それを理解して成り立っている共同体に感銘を受けたことがある。 かくれんぼで一緒に遊べなかったり、けがをしても、どんなに泣いてもとんできてくれない、聴覚障害の両親をもつ娘の苦悩がせきららにつづられていた。 母親が娘の苦悩を感じ取り、手紙を書いたところで涙した。「お母さんはどんなことがあっても、加奈子の味方です。加奈子は、お母さんの宝物です。」 娘が一番大切にしている母親の言葉も印象的。 「挫折が大きいと、つい、自分は損をしていると思いがちだけど、じつは、挫折をのりこえる力がその人にそなわっていることを神様が知っていて、人生の勉強のために挫折という宿題をあたえてくださったんだよ。」 『試練は、乗り越えられる人にしか与えられない』 中国の思想家・孔子の言葉にもつながると思った。 「笑う門には福きたる」は、障害者の知恵だと話す母親。つらいことを笑いでふきとばしちゃう前向きな生き方から学びが得られた。 身近に聴覚障碍者がいない方はぜひ読んでください。聴覚障碍者に対する考え方が少しでも変わる気がします。
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聴覚障害の両親に育てられて、看護師になった 成長の物語。人間の醜さも、素晴らしさもこの 一冊に詰まっている。 人には誠実に対応していきたい。
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コーダの女の子を主人公にした物語。保育園に入って、先生が遠くから呼んでも振り向いてくれる、転んで泣いているときに気づいてくれると喜んだエピソードや、長じて父親が病気になったときに、医師が母親ではなく自分に対して説明をした経験など、リアルな内容が、小学生でもわかりやすい文章で描か...
コーダの女の子を主人公にした物語。保育園に入って、先生が遠くから呼んでも振り向いてくれる、転んで泣いているときに気づいてくれると喜んだエピソードや、長じて父親が病気になったときに、医師が母親ではなく自分に対して説明をした経験など、リアルな内容が、小学生でもわかりやすい文章で描かれています。 小5の娘も読みましたが、聞こえないこと、聞こえない親の元で聞こえる子として育つことが、具体的にイメージできたのではないかと思います。この先の人生の中で必ず「あっ、あの本の……」と思いだすことがあるでしょう。(「感動ノンフィクションシリーズ」というのは、やや押しつけがましいニュアンスがありますが……)
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聴覚障害者の両親を持つ健聴児の心を書いた本です。 主人公は、今看護師として働いています。そんな彼女が、子どもの頃、大好きだけど耳の聞こえない自分の親と 友達の耳の聞こえる親との違いに、幼い彼女の心は葛藤します。 やがて、耳が聞こえなくても、我が子を慈しみ大切に育てている、そんな両...
聴覚障害者の両親を持つ健聴児の心を書いた本です。 主人公は、今看護師として働いています。そんな彼女が、子どもの頃、大好きだけど耳の聞こえない自分の親と 友達の耳の聞こえる親との違いに、幼い彼女の心は葛藤します。 やがて、耳が聞こえなくても、我が子を慈しみ大切に育てている、そんな両親の気持ちに気付きます。 児童書なので、15分くらいで読み終わりますが、とてもよい本だと感じました。 図書館で読んでいて、人目もはばからず涙を流してしまいました。
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