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貸金業の真実 の商品レビュー

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2014/03/10

◆貸金業の社会的評価  あくまで需要と供給で成り立っているにもかかわらず、悪として位置付けられる貸金業。主な理由として、3K(高金利、強行取り立て、過剰貸付け)が挙げられる。また、多重債務者を生み出す元凶とされている。 ◆貸金業の役割  貸金業の役割は、信用力の低い資金需要者に...

◆貸金業の社会的評価  あくまで需要と供給で成り立っているにもかかわらず、悪として位置付けられる貸金業。主な理由として、3K(高金利、強行取り立て、過剰貸付け)が挙げられる。また、多重債務者を生み出す元凶とされている。 ◆貸金業の役割  貸金業の役割は、信用力の低い資金需要者に対する貸付けである。事業として行う以上、そのような者への貸付けは、高いリスクを負うことになるため、当然に、銀行より金利は高くなる。また、不良債権を抱え込んでも公的資金を導入されることがほとんどの銀行と比べ、回収が重要なのは当然であり、取り立ても強行になる。  過剰貸付けについては、そもそも何に対して過剰なのかが曖昧だが、信用力の低い人間に対して返済能力以上に貸付けるなどというリスクの高いことを、まともな事業者が進んで行うとは思えないのである。 ◆金利引き下げ策について  上限金利を引き下げるだけでは、信用力の低い資金需要者を市場から追い出すことになり、闇金や詐欺のターゲットになることで、却って多重債務者を増やす結果になるのではないかと思う。 ◆過剰貸付け防止策について  現在では、過剰貸付け防止策として、総量規制が実施されている。しかし、住宅ローンなどは規制の対象外になっている。 ・総量規制について  簡単にいえば、年収の3分の1以上の貸付けをしてはいけないわけだが、年収の低い人間のほうが、借入を必要とすることが多く、信用力が低いため、消費者金融を利用する機会が多くなるのではないだろうか。にもかかわらず、年収による規制を行うことは、年収の低い人間を正常な市場から追い出すことになるのではないだろうか。 ・住宅ローンの負担について  住宅ローンは対象外にされているのだが、住宅ローンこそが過剰ではないのかと思う。住宅ローンの金利自体は低いかもしれないが、借入額の多さと返済期間の長さからして、利用者に消費者金融以上の負担を負わせる(又は、消費者金融を利用させる)結果となっているのではないだろうか。  住宅ローン返済のために生活費が不足し、消費者金融で借りることになり、結果として多重債務者になった場合、消費者金融が過剰貸付けとして責められるのは妥当なのだろうか。 ◆過払金請求について  利息制限法と出資法が併存していた状況を無視して、過去に遡り、過払金請求を是認するのはいかがなものだろうか。これでは、業者は何を根拠に取引を行えばいいかわからない。金利二法の併存自体が違法ならば、それにより生ずる不都合を業者に負わせるべきではないのではないか。  また、過払金が債務者等の権利(財産)であるとするなら、過払金請求の勧誘を報酬が(実質)無料として行うのは虚偽ではないだろうか。財産から報酬を差し引くのであるから、実質としても無料ではない。

Posted byブクログ