地下鉄に乗って の商品レビュー

3.5

40件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    20

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2014/04/14

映画化にもなっているので読んでみようと思いました。 最初は、話があちこちに飛ぶので混乱しましたが、だんだんと繋がって先がきになって一気に読んでしまいました。 最後は、なんだか分からないうちに終わってしまった感じで、ちょっと悲しい話だったかなと思いました。

Posted byブクログ

2013/03/23

初めて浅田次郎の本を読んだ。 結構硬い本を書く人なのかと思いきや、とてもファンタジーと言うか・・・・いいか感じの空気をおりなす素敵でなつかsく、ちょっと切ない話だった。

Posted byブクログ

2013/03/23

地下鉄銀座線は、空襲にもまけず、戦争中も、がんばって動いていたらしい。その戦争中の銀座線に乗り、出征してゆく父親に、タイムスリップして車内で出会う息子の思い。日輪の遺産の遺産、と著者は言う。日輪では母の勤労動員を描き、地下鉄では父の出征を描く。小説の大衆食堂と言われる、浅田次郎の...

地下鉄銀座線は、空襲にもまけず、戦争中も、がんばって動いていたらしい。その戦争中の銀座線に乗り、出征してゆく父親に、タイムスリップして車内で出会う息子の思い。日輪の遺産の遺産、と著者は言う。日輪では母の勤労動員を描き、地下鉄では父の出征を描く。小説の大衆食堂と言われる、浅田次郎の傑作です。

Posted byブクログ

2013/01/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

父親の、一人の男としての一生を息子がタイムスリップして始めて知る。 大嫌いな父親にも嫌なところだけではなく魅力的なところだってあったんだ。 最後に、お父さんに会ってほしかったな・・・。

Posted byブクログ

2012/12/05

地下鉄やバスは神秘の世界に通じる乗り物として、子どものころよく想像していた。本作品は、それをタイムマシンとして織りなす物語。設定が面白い。 読後に何か物足りなさを感じてしまった。浅田次郎の作品は意図的なのか、個人の感情の複雑に重なった葛藤(コンプレックス)が表現されていない。 ...

地下鉄やバスは神秘の世界に通じる乗り物として、子どものころよく想像していた。本作品は、それをタイムマシンとして織りなす物語。設定が面白い。 読後に何か物足りなさを感じてしまった。浅田次郎の作品は意図的なのか、個人の感情の複雑に重なった葛藤(コンプレックス)が表現されていない。 悲しい作品や深刻な作品であるほどそれが気になってしまって、どこかで泥臭さからの逃げを感じてしまう。 それが神秘的な優しい作品においては効果的。だから「鉄道員」の短編集の方が好きだ。

Posted byブクログ

2012/11/05

地下鉄が繋ぐ、過去と現在。 出口の階段を上ると目の前に広がる、今はもうない街並。 過去の風景の中で眩しい笑顔を見せる、若かりし頃の父。 父の暴言が優しかった兄を死に追い込んだのだ、と憎しみを募らせ 20数年間縁を切ったまま、父が病に倒れても見舞いに行く気など毛頭ない真次が 兄の...

地下鉄が繋ぐ、過去と現在。 出口の階段を上ると目の前に広がる、今はもうない街並。 過去の風景の中で眩しい笑顔を見せる、若かりし頃の父。 父の暴言が優しかった兄を死に追い込んだのだ、と憎しみを募らせ 20数年間縁を切ったまま、父が病に倒れても見舞いに行く気など毛頭ない真次が 兄の命日をきっかけに、地下鉄で過去の世界へと運ばれ、 父が重ねてきた歴史を遡りながら 時代に翻弄され、変わらねば生きられなかった父の哀しみを知り 「僕らはただ、父のように生きるだけです」と静かな共感をもって歩き始める物語 と書いてしまうと、とてもノスタルジックで美しい物語になってしまうのですが。。。 その美しさが、自らの存在を消してでも真次の幸せを守ろうと願う、愛人みち子の献身や 真次が父の許に置き去りにした弟の苦しみをただひとり受け止め、 離婚まで考えるほど親身になって考えてやる妻の慈愛を踏み台にして 成り立っている感じがするのが気になってしまって。 殴られ、足蹴にされても父の横暴に耐えていた母を見て育ったのに、 狭い家で義母と同居し、子ども2人を世話しながらパートに出て家計を支え 義弟の苦労まで慮ってくれる妻を捨てて愛人と出奔する決意をあっさり固める 真次がどうしても許せなくて 最後に遺されたルビーの指輪を、記憶がないとはいえ 箱だけ買って妻にプレゼントするなんて、みち子にも奥さんにもひどすぎる! それは大切にどこかに仕舞い込んで、奥さんには別のをきちんと選んで プレゼントしてあげて!と言いたくなってしまう。 情に篤く曇りのない瞳をしていた少年の佐吉が、戦争をくぐりぬけ 抜け目ないアムールとなって成り上がり、押しも押されぬ成功者として君臨するために 幾重もの汚れた鎧を見に纏わねばならなかった切なさは伝わるし タイムスリップした過去の風景の描写のすばらしさには感動するけれど 出てくる男性のほとんどが、女性の愛情を当然のように享受するだけで 踏みつけにしている感じがするのがやるせなく、胸が痛い作品でした。

Posted byブクログ

2012/07/06

途中までどうしようもない気分になった。 色々気付き始めて面白くなっていったけれど まだ気付いていないことがあるかもしれない。

Posted byブクログ

2012/02/18

結構意外な結末。 過去に戻って現在を変えられるなら、私はやっぱりお兄さんに死なないで欲しかったな…。 あとがきに書いてあるM子とは一体誰のことなのでしょう? 有名な人なんだよね、一応? 結局先生が一番不思議な存在だったな…。 そういえば主人公の母親は過去の世界に行ったのか行...

結構意外な結末。 過去に戻って現在を変えられるなら、私はやっぱりお兄さんに死なないで欲しかったな…。 あとがきに書いてあるM子とは一体誰のことなのでしょう? 有名な人なんだよね、一応? 結局先生が一番不思議な存在だったな…。 そういえば主人公の母親は過去の世界に行ったのか行かなかったのか。 二人でメトロに乗ったことに意味はあったのかどうか。 結構前に書かれた話だから、そういえば昔は二子玉川じゃなくて二子玉川園だったなぁとか、田園都市線じゃなくて新玉川線だったなぁとか思い出しました。 懐かしい。私が小学校低学年の頃に変わったんだっけ。田園都市なんて、ずいぶんおしゃれな名前だなーって思ったんだよね。

Posted byブクログ

2012/02/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

(作品紹介より) 町に地下鉄がやってきたその日、真次は不思議な錯覚に捉われる。ホームに立ちつくす自分を、もうひとりの自分が地下鉄の窓の中から見つめているのだ…。 *** 浅田次郎さんの著書は多く、何から手をつけて良いか分からず手にとった本だったのですが、本当に読んで良かったと心から思える作品でした。 内容自体は地下鉄に乗ってタイムスリップする微ファンタジーものです。そこに引かれて読み始めたのですが、タイムスリップなんて言葉では言い尽くせない程のストーリー構成、登場人物と登場人物の関係に、読み始めると止まらなくなってしまいます。 主人公は地下鉄構内に事務所をかまえる小さな会社の営業マンです。大企業の社長であるが家族に厳しい父の存在を疎ましく思いながらも日々を生き、その日もいつも通りに地下鉄を利用したところ、地下から地上に昇ってみると、そこは見たことがあるようで現在とは違う、過去の、兄が死んだ日で―――。 過去の力強い描写、時間と時間の交わり、そして徐々に明るみになってくる真実――父に対するどうしようもない気持ちと、父が過ごして来た時代の波。 ラストはどうしようもなくて泣いてしまいそうになったのですが、全ての文章が輝いていて、読者を引きつける素晴らしい物語です。

Posted byブクログ

2011/10/22

過去を変えることが許されるたったひとつのことがあるならばそれは誰かの命を救うことではなく自分自身の存在を消すことである

Posted byブクログ